マンションの住み替えに適したタイミングとは?方法やローンの計画も解説

マンションの住み替えを検討している方に向けて、住み替えに適したタイミングや住み替えのパターン、資金計画を立てるために必要なローンの知識などを初心者にも分かりやすく解説します。

更新日:2023年12月19日

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株式会社リブセンス

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東京・神奈川・千葉・埼玉の中古マンション価格査定サイトIESHIL(イエシル)が運営。 イエシルには宅建士、FPなど有資格者のイエシルアドバイザーが所属。ネットで調べてわからないことも質問できるイエシル査定サービスを展開しています。

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マンションの住み替えを検討するタイミングはさまざまです。子供の成長、転勤や進学、家族構成の変化など、ライフステージに応じた住み替えの理由があります。
より良い生活を送るためとはいえ、マンションの住み替えは大きな買い物なので失敗したくありませんよね。

そこで、マンションの住み替えを検討している方に、住み替えに適したタイミングを6つご紹介します。さらに、住み替え方法や資金計画に必要なローンの知識など、初心者にも分かりやすく解説します。

この記事を参考に、マンションの住み替えを「検討」から「実現」に向けて動き出していきましょう。

マンションの住み替えに適したタイミングとは

マンションの住み替えとは、いま住んでいるマンションの売却と新居の購入を行うことです。
つまり、マンションの住み替えに適したタイミングとは、マンションの売却に適したタイミングといえます。
新居の購入や、新たな生活へ役立てるためにも、いま住んでいるマンションを少しでも高く売却したいものです。
その観点から、マンションの住み替えに適したタイミングを6つ紹介します。



マンション住み替えのタイミング①:築年数

マンションは築年数が浅ければ価格は高く、築年数が経過するほど価格は下がります。築年数が10年以内であれば、おおむね8割程度の価格で売れることが多いようです。

築年数が10年を超えたマンションを所有する方にご覧いただきたいのが、公益財団法人 東日本不動産流通機構が公表している「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2020年)」です。

マンションの価格は築21~25年までは下落しますが、築26年を超えると下げ止まることが分かります。これは、買主が住宅ローン控除の税制優遇を利用できなくなることが要因です。

このことから、マンションを売却するのは築25年以内がより高く売れる築年数といえます。

公益財団法人 東日本流通機構:築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2020年)



マンション住み替えのタイミング②:所有期間

マンション購入後は、少なくとも5年を超えるまではマンションを所有しておいたほうがよいでしょう。
マンションを売却して利益が出ると「譲渡所得税」が発生します。譲渡所得税とは、利益に対して課税される税金で、マンションを所有していた期間(※1)によって税率が異なります。

区分 譲渡所得税率
所有期間が5年以下(短期譲渡所得) 39.63%

所有期間が5年を超える(長期譲渡所得)

20.315%

所有期間が10年を超える(長期譲渡所得)
軽減税率を適用した場合(※2)

14.21%
(※2)


国税庁:マイホームを売ったときの軽減税率の特例

このように、マンションの所有期間が5年以下か超えるかで譲渡所得税率が2倍ほども変わってしまいます。
譲渡所得税率を考慮するなら、少なくとも5年を超えるまではマンションを所有しておいたほうがよいでしょう。

※1:所有期間とは、マンションを売却した年の1月1日時点で所有していた期間です。
※2:軽減税率の特例が適用されるのは利益が6,000万円以下までです。6,000万円を超える場合は長期譲渡所得の税率が適用されます。


マンション住み替えのタイミング③:品確法の10年保証

品確法とは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」のことです。

マンションの性能に著しい問題があったり、生活に支障をきたすほどの重大な不具合があったりすると、新築マンションを購入してから10年間は品確法の保証によって修繕を受けることができます。
品確法の10年保証が適用されるのは、「マンションを新築で購入した人のみ」です。特権ともいえるものですので、品確法の保証が切れる10年目を過ぎてからマンションを売却するのが合理的といえるでしょう。

国土交通省:住宅の品質確保の促進等に関する法律

マンション住み替えのタイミング④:住宅ローン控除の適用期間

住宅ローン控除を利用している場合、住み替えるのはマンションを購入してから10年以降にするとよいでしょう。住宅ローン控除は、原則として10年で適用期間が終了するためです。
(一定の要件を満たしたものは最大13年間)
住宅ローン控除は、住み替えのために購入した住居にも改めて利用できるので、いま住んでいるマンションで可能な限り長く住宅ローン控除を受ければ、より長期的に住宅ローン控除が受けられます。
住宅ローンを利用している場合は、控除の上限年数を超えてからマンションの住み替えを検討するとよいでしょう。


マンション住み替えのタイミング⑤:住宅ローンの低金利

マンションの購入には、ほとんどの方が住宅ローンを利用します。返済の負担は少しでも軽くしたいもの。そのため、住宅ローンの金利が低ければマンション購入の需要は高まり、中古マンションの売却価格も高くなる傾向にあります。
直近10年間は、総じて金利が下がっており、公益財団法人 東日本不動産流通機構が公表している「首都圏不動産流通市場の動向(2021年)」でも、首都圏における中古マンションの価格は上昇傾向にあることが分かります。
住宅ローンの金利が低いときはマンションの売り時といえるでしょう。

公益財団法人 東日本不動産流通機構:首都圏不動産流通市場の動向(2021年)


マンション住み替えのタイミング⑥:修繕積立金の増額

マンションの建物や共用部分、設備の修繕に充てるために必要な修繕積立金には2つの徴収方式があります。

  • 均等積立方式:築年数が浅いうちに適切な金額まで増額し、その後は一定金額を徴収する方式
  • 段階増額積立方式:新築当初は金額を低く設定し、築年数がある程度経過してからは金額を徐々に上げていく徴収方式


一般的に、段階増額積立方式を採用しているマンションは、10年目頃から修繕積立金額が大きくなり、だいたい5年ごとに金額が上がっていきます。
いま住んでいるマンションが段階増額積立方式を採用している場合、築年数が10年を過ぎたら、5年刻みで住み替えを検討するのもひとつのタイミングといえるでしょう。



マンションを住み替えるタイミングに迷ったら専門家に相談

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ここまで、マンションの住み替えを検討するタイミングについて6つ紹介しました。

しかし、生活の状況によって住み替えるタイミングに迷うこともあるでしょう。

そのようなときにはどうすればいいのか、次に紹介します。


最も重要なのは「なぜ住み替えたいのか」

簡潔にいうと、「住み替えたい」と思ったときが、一番の住み替えタイミングです。

転勤や転職・子供の成長や進学・家族構成の変化・リモートワークの増加など、実際にはライフスタイルの変化によって住み替えることになります。
先に紹介した6つのタイミングは、さまざまな角度から判断するための材料になると同時に、マンションの売却で損をしないための知識として必要なものです。
参考にしながらも、「住み替えたい理由」を最優先にして自分にとって最適な住み替えプランを立てていくことが重要です。


不動産会社ではない「中立な立場の専門家」へ相談する

繰り返しますが、マンションの住み替えに最も良いタイミングは「住み替えたい理由ができたとき」です。
つぎは、その理由をもとに、最適な住み替えプランやライフプランを計画する必要があります。おすすめの方法は、専門家に相談することです。

イエシルでは、10年以上の不動産仲介経験と宅地建物取引士の資格を持つイエシルアドバイザーが、お客さまの状況に合わせてさまざまな提案や疑問の解消をいたします。
「どのように住み替えを進めていけばいいのか」「不動産会社の選び方」など、まずは専門家に相談してみましょう。年間約1,000組の個別相談を受けているイエシルアドバイザーが、不動産会社ではない立場から「中立の視点」でお答えします。


住み替えの不安や悩みを解消するためには、中立な立場の専門家へ相談することが有効です。
専門家のアドバイスは安心につながるだけでなく、計画的でスムーズな住み替えを実現させることができます。

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マンションの住み替え方法は3パターン

先述したように、住み替えとはマンションの売却と新居の購入を行うことです。

マンションの住み替えには3つの方法があります。それぞれの特徴を分かりやすく解説していきましょう。



売り先行型

売り先行型とは、いま住んでいるマンションを売却してから、新居を購入する方法です。

マンションを売却した代金を先に得ることができる、もしくは確実な売却額を把握できるので、新居の購入資金に充てたり資金計画を立てやすくなります。
ただし、売却するマンションの引き渡し日までに新居の準備ができていなければ仮住まいが必要です。旧居→仮住まい→新居と引っ越す手間と費用も2回分かかります。
売り先行の住み替えをするならば、売却と購入のタイミングを考慮しましょう。


買い先行型

買い先行型とは、新居を購入してから、いま住んでいるマンションを売却する方法です。

じっくり吟味してから新居を購入できるので、納得のいく物件探しができます。引っ越しは1回で済みますし、空き家にした状態で売却できるので内覧にも有利です。
ただし、いま住んでいるマンションの住宅ローンが残っている場合は二重ローンとなる可能性があります。

買い先行型の住み替えには、しっかりとした資金計画が必要です。


売り買い同時型

売り買い同時型とは、いま住んでいるマンションの売却と新居の購入を同時に行う方法です。

マンションの売却・新居の購入・引き渡し・引っ越しなどが同じ日、もしくは数日の猶予の間に完結するため、住み替えに関する手間や費用が少ないのが大きな特徴です。タイミングを合わせることができれば理想的な住み替え方法といえるでしょう。
ただし、住み替えには買主の意思やスケジュールに大きく左右されるため、実現させるのはなかなか難しい方法です。

ここまで3つの住み替え方法について解説しましたが、住み替えの手順について詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

参考:「マンション買い替えのメリット・デメリット、ローンについても分かりやすく解説」


資金計画を立てるには売却価格を知ることが大切

どの住み替え方法にするかは、資金やスケジュール、住み替えを希望する時期などによって決めることになります。いずれの方法でも、最も重要なのは資金計画を立てることです。

資金計画を立てるには、いま住んでいるマンションがどのくらいの金額で売れるのか、まずは査定を受けて売却価格を知ることが大切です。

マンションの査定には、「机上査定」や「訪問査定」などいくつかの方法があります。査定方法については、こちらの記事を参考にしてください。


参考:【マンション査定】初心者がこれだけは知っておくべき注意点とは
通常、比較のために複数の業者へ査定を依頼します。業者によって査定の仕方が異なるため、査定額に数百万円の差があることも珍しくありません。

高額な査定額に惑わされず、妥当な価格に目を向けることが大切です。そのためには、イエシルのような不動産会社ではない専門家へ相談するのが有効といえるでしょう。

イエシルでは、不動産仲介業者ではない中立な立場で、現実的な価格を算出します。査定するのは10年を超える経験を持つ専門家です。個別の事情を考慮しながら、査定価格の根拠が分かるように専門家が直接査定をするため、「現実的な価格」を知ることができます。

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マンションの住み替えに必要なローンの知識

マンションの住み替えには、住宅ローンの残債とマンションの売却価格がどのようなバランスになっているか把握しておかなければなりません。

マンションの売却額だけで残りの住宅ローンを完済できる状態を「アンダーローン」、反対に、マンションの売却額だけでは残った住宅ローンを完済できない状態を「オーバーローン」といいます。
マンションを住み替えるタイミングはアンダーローンの状態が望ましいですが、オーバーローンの場合にも利用できるものがあります。


住み替えローン

住み替えローンとは、売却額で返済しきれないローンの残債を新居の住宅ローンに上乗せして借りることができるローンのことです。

住み替えローンのメリットは、自己資金が足りなくても住み替えができることです。
しかし、住宅ローンよりも金利は高くなり、金融機関の審査も厳しくなるのがデメリットといえます。

つなぎ融資

つなぎ融資とは、新居の購入とマンションの売却のタイミングにずれができてしまった場合、つまり、思いがけずして買い先行となった場合に、新居の住宅ローンを組むまでに発生する初期費用などに対して利用できるものです。

新居の引き渡し前に、まとまった金額が必要なのに自己資金が不足していても、一時的に資金繰りを解消できるため、マンションの売却を待たずに新居を購入できるのがメリットといえます。
つなぎ融資は新居の住宅ローンが開始するまでの一時的な融資なので、借りる期間が短いほど利息は安くなります。

デメリットは、つなぎ融資の金利は通常の住宅ローンよりも高く、取り扱っている金融機関が限られていることです。つなぎ融資の返済は住宅ローンと合算して行うため、つなぎ融資だけ別の金融機関を利用するといったことはできません。

住宅ローンの残高を把握する

当然ながら、マンションの住み替えはアンダーローンの状態で行うのが適切です。

住宅ローンが残っていると、買主にマンションを引き渡すことはできません。引き渡しには、住宅ローンを完済して抵当権を抹消しなければならないからです。
住み替えのタイミングに失敗しないためにも、住宅ローンの残高を把握しておきましょう。ローンについて考えるときにも、まずは「妥当な売却額」を知ることが重要です。



タイミングを見極めながら納得のいくマンションの住み替えを実現しよう

マンションを住み替える絶好のタイミングは、「住み替えたい理由ができたとき」とお伝えしました。

住み替えたい理由や状況によって、どう動くかはさまざまな選択肢があります。まずは、いま住んでいるマンションがどのくらいの金額で売れるのか、相場を知ることからはじめましょう。しっかりとした資金計画を立てることが重要です。
そのうえで、記事内で紹介した判断材料を参考にタイミングを考えたり、住み替え方法を選択します。

迷ったり悩んだりしたら、専門家へ相談しながら進めるとスムーズな住み替えにつながります。ベストなタイミングで納得できる住み替えを実現しましょう。

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