住宅を購入するとどんな控除制度を利用できるの?実際にシミュレーションしてみた

住宅を購入するときに利用できるお得な公的制度と、受けられるメリットを住宅購入者の年収パターン別に元不動産仲介歴10年の小池がわかりやすく紹介します。代表的な制度である住宅ローン控除を受けるのに必要な確定申告の手順も説明します。

更新日:2019年11月27日

イエシルコラム編集部さんのプロフィール画像

イエシルコラム編集部

IESHIL編集部
この記事の要点
  • 住宅ローン控除では最大4,000万円を上限に、ローン残額の1%の控除を最大13年間受けられる
  • 住宅ローン控除によって毎月の返済額のおよそ4分の1以上の負担を減らせる
  • 年収が少ないほど給付額が多くなるすまい給付金では、最大50万円が現金で給付される
  • 住宅ローン控除を受けるため、購入した翌年の1月〜3月半ばの間に還付申告(確定申告)をする
  • 会社員の場合、翌年以降は還付申告をする必要はない
「住宅を購入するときに利用できる制度が多くてわからない」
「住宅ローン控除やすまい給付金って計算が難しくて、いくらお得なのかがわからない」
「そもそもだけど、住宅購入をすると控除が受けれられるってどういうこと?」

住宅を購入するとき、さまざまな制度を知ることになると思いますが、みなさんこうした疑問をまずは持たれるのではないでしょうか?ただでさえ住宅購入ははじめての経験なのに、こうしたことまで理解するのは一筋縄ではいきませんよね。

今回は住宅を購入するときに利用できる制度と、さらにこれだけは知っておきたい制度についての条件と年収シミュレーションを、不動産営業歴15年のアドバイザー小池に教えてもらいました。
また住宅を購入すると確定申告をする必要がでてくると思います。「会社員だから確定申告なんてわからないよ…」という方もご安心ください。そちらについても記載しております。住宅ローン控除やすまい給付金のほかにも、受けられる公的な制度は大なり小なり多くあります。暮らしている地域の自治体によって状況は違うので、税務署などでも相談してみるとよいでしょう。住宅を購入するときのこうした制度について、不動産会社の担当者に相談するのもよいですが、忙しそうで連絡しづらかったり「公的な制度のことまでは詳しく知ってるのかな?」と不安に思われるかもしれません。

イエシルの個別相談会』(費用:無料、所要時間45分程度、オンライン面談可)では無料で不動産の購入に関する質問をお受けしております。今回インタビューに答えて小池も在籍しています。実際に利用した人の評判がよかった不動産会社の営業担当者を3人までご紹介しております。もし紹介した担当者との相性が合わない場合はあなたの代わりにお断りをしますのでご安心ください。

そもそも住宅を購入すると控除が受けれられるってどういうこと?

住宅を購入するとどんな控除制度を利用できるの?実際にシミュレーションしてみたの画像

住宅の購入をした場合に、一定額税金の支払いを免除されるということです。

国税庁「No.1100 所得控除のあらまし」によると控除とは以下のように説明されています。
所得税法では所得控除の制度を設けています。 これは、所得税額を計算するときに各納税者の個人的事情を加味しようとするためです。 それぞれの所得控除の要件に当てはまる場合には、各種所得の金額の合計額から各種所得控除の額の合計額を差し引きます。 所得税額は、その残りの金額を基礎として計算されます。出典:国税庁 所得控除のあらまし
わかりづらいですよね。
わかりやすくいうと、控除とは「納税者の事情によっては税金を免除しますよ」ということです。
具体的には、病院に行ったとき、社会保険料や生命保険料を払ったとき、地震保険料を払ったとき、寄附をしたとき、家族を養っているときなどに税金が免除されます。
会社員や公務員の場合、毎月一定の所得税と住民税が会社によって給与から徴収されており、会社は社員から徴収した税金をまとめて社員に代わって国に納税します。さきほど挙げたような免除項目がある社員は、納税前に税の金額を調整(年末調整)し、免除分だけ払い戻しを受けられます。
住宅を購入するとどんな控除制度を利用できるの?実際にシミュレーションしてみたの画像
出典:www.nta.go.jp

そして住宅を購入した方にもこの免除があてはまります。
住宅ローン控除にはじまり、ほかにも次世代住宅ポイント制度や、贈与税非課税措置(家族から住宅のための資金をもらった場合に一定額非課税になる)という制度もあります。令和元年10月1日に消費税率が引上げられたため、このように住宅購入が有利になる制度が用意されています。これらを利用すれば、年間で何十万円もお得になることがあります。

住宅を購入するときに知っておきたい税制度と給付金一覧

住宅を購入するとどんな控除制度を利用できるの?実際にシミュレーションしてみたの画像

住宅ローン控除やすまい給付金をはじめとして、数多くあります。政府としては住宅購入市場という大きな内需を維持拡大させる目的があり、これらを利用すればローンの期間中で最大数百万円もの控除を受けられます。

たとえば具体的には以下のような制度があります。
しかし、これらの控除制度の活用を目的にすると本末転倒です。 あくまであなたの資金計画に沿った住宅を購入し、もし当てはまる制度があれば積極的に活用しましょう。

住宅ローン控除
毎年の住宅ローン残高(最大4,000万円)の1%を、10〜13年間所得税から控除する制度です。住宅購入に関わるもっともメジャーな制度だといえます。

すまい給付金
消費税率10%が適用される住宅を取得するとき、最大50万円が現金給付される制度です。住宅ローン控除で十分な恩恵を受けられない収入層をおもにカバーします。

贈与税非課税措置
家族から住宅購入のための資金贈与を受けたとき、一定金額までは贈与税が非課税となります。非課税限度額は300万円〜3,000万円です。

投資型減税
耐久性や省エネルギー性に優れた住宅を購入するとき、住宅ローンなしでも所得税が控除される制度です。性能アップのために、通常の住宅よりも多くかかった費用の10%が所得税から控除されます。住宅ローン控除の併用はできません。

不動産取得税の減税
都道府県税事務所へ書類を提出することで、都道府県税である不動産取得税が軽減されます。(例:東京都主税局

固定資産税の減税
毎年、土地や建物を所有している人に課税される市町村税である固定資産税が減額されます。たとえば東京都の場合、新築された住宅が、要件をみたすとき、新たに課税される年度から3年度分の固定資産税が2分の1に減額されます。(例:東京都主税局

登録免許税の減税
不動産の所有権が移ったときなど、法務局で登記をするのに納める登録免許税が軽減されます。一定の要件を満たす住宅や土地の場合、登録免許税の軽減特例を受けられます。

住宅ローン控除ってなに?控除の期間が13年間に延長される?

住宅を購入するとどんな控除制度を利用できるの?実際にシミュレーションしてみたの画像

最大4,000万円を上限にローン残額の1%の控除を、最大13年間受けられます。

住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用して住宅を購入するとき、購入者の金利負担を軽くすることを目的とした制度です。
住宅ローンを利用した場合、毎年末のローン残高(最大4,000万円を上限)の1%が、10〜13年間に渡って所得税の額から控除されます。所得税から控除しきれない場合は住民税からも控除されます。
住宅ローン減税制度は、住宅ローンを借入れて住宅を取得する場合に、取得者の金利負担の軽減を図るための制度です。毎年末の住宅ローン残高又は住宅の取得対価のうちいずれか少ない方の金額の1%が10年間に渡り所得税の額から控除されます。また、所得税からは控除しきれない場合には、住民税からも一部控除されます。出典:国土交通省 住まい給付金サイト
住宅ローン控除は、以下のような要件を満たすと利用できます。
・自ら居住すること ・床面積が50㎡以上であること ・中古住宅の場合、耐震性能を有していること出典:国土交通省 住まい給付金サイト
13年間の控除を受けるのであれば、令和2年(2020年)のうちに入居する必要があります。
このチャンスをいかしてお得に住宅を購入したいですね。

わたしの場合は?年収別に住宅ローン控除をシミュレーション

住宅を購入するとどんな控除制度を利用できるの?実際にシミュレーションしてみたの画像

住宅ローン控除によって、毎月の返済額のおよそ4分の1以上、期間中のローン総返済額のおよそ8%以上の負担を減らせます。

住宅ローン控除によって、結局何円くらいお得になるのでしょうか?
住宅ローン控除は、年収、借り入れ額、金利などによって決まるので、今回は年収とそれぞれの借り入れ額ごとに、国土交通省の「すまい給付金サイト」でシミュレーションしてみました。

*年収についてですが、会社員の方は社会保障の支払いなどを差し引いたあとの手取りの金額、事業主の方は収入から経費を差し引いた金額とします。
*返済期間は35年、金利は固定の1.26%とします。
*適用消費税率が10%で令和元年10月1日から令和2年12月31日までの間に住宅を購入したとして、住宅ローンの控除期間は13年間で計算します。
*年収ごとの住宅価格、住宅ローンの金額はこちらを参考にしました。

年収500万円の場合
住宅価格:2,800万円(建物1,400万円、土地1,400万円)
住宅ローン:2,650万円を借り入れ
初年度の住宅ローン控除額:およそ26万円
期間中の控除額の合計:およそ263万円

年収600万円の場合
住宅価格:4,200万円(建物1,200万円、土地3,000万円)
住宅ローン:3,990万円を借り入れ
初年度の住宅ローン控除額:およそ33万円
期間中の控除額の合計:およそ350万円

年収700万円の場合
住宅価格:4,900万円(建物2,000万円、土地2,900万円)
住宅ローン:4,500万円を借り入れ
初年度の住宅ローン控除額:およそ40万円
期間中の控除額の合計:およそ427万円

年収800万円の場合
住宅価格:5,600万円(建物3,600万円、土地2,000万円)
住宅ローン:5,050万円を借り入れ
初年度の住宅ローン控除額:およそ40万円
期間中の控除額の合計:およそ471万円

年収900万円の場合
住宅価格:6,300万円(建物3,000万円、土地3,300万円)
住宅ローン:5,670万円を借り入れ
初年度の住宅ローン控除額:およそ40万円
期間中の控除額の合計:およそ460万円

年収1,000万円の場合
住宅価格:7,000万円(建物4,200万円、土地2,800万円)
住宅ローン:6,200万円を借り入れ
初年度の住宅ローン控除額:およそ40万円
期間中の控除額の合計:およそ478万円

年収500万円の場合で見てみると初年度の控除額がおよそ26万円なので、毎月に換算すると21,700円ほど控除されているということです。固定金利1.26%、返済期間35年で2,650万円を借り入れすると、毎月の返済額はおよそ78,000円なので、4分の1以上です。
また期間中の控除額の合計およそ263万円は、35年のローン総返済額およそ3,200万円の8%以上となります。住宅ローン控除によって、かなりの返済負担を減らせることがわかります。
イエシルの個別相談会』(費用:無料、所要時間45分程度、オンライン面談可)では、無料であなたの年収と、希望する住宅価格の場合での控除額をお調べいたします。

最高50万円の現金給付、すまい給付金とは

住宅を購入するとどんな控除制度を利用できるの?実際にシミュレーションしてみたの画像

住宅ローン控除とは違い、年収が少ないほど給付額が多くなる制度です。給付対象上限の目安は年収775万円であり、最大50万円が現金で給付されます。

住宅ローン控除のほかに、すまい給付金という制度もあります。
住宅ローン控除と同じく、住宅購入者の負担を軽くするための制度ですが、住宅ローン控除は収入が少ない場合はメリットが小さくなるという側面があります。すまい給付金は、住宅ローン控除の恩恵を十分に受けられない収入層の負担を軽くするために作られています。
すまい給付金は、消費税率引上げによる住宅取得者の負担をかなりの程度緩和するために創設した制度です。消費税率8%時は収入額の目安が510万円以下の方を対象に最大30万円、10%時は収入額の目安が775万円以下の方を対象に最大50万円を給付するものです。出典:国土交通省 すまい給付金サイト
住宅ローン控除とは違い給付を受けられる年収の上限が定められています。
またその金額は、年収が少ないほど大きくなります。

わたしの場合は?年収ごとの具体的な給付額を教えて
すまい給付金は年収や扶養家族などによって決まります。さきほどと同じ「すまい給付金サイト」で、それぞれの年収ごとにシミュレーションしてみました。
*子どものいない片働き世帯と仮定して、扶養家族の人数を1人とします。
*適用消費税率は10%とします。

年収500万円の場合
給付額:40万円

年収600万円の場合
給付額:30万円

年収700万円の場合
給付額:10万円

年収800万円、900万円、1,000万円の場合
給付額:0円

このように、住宅ローン控除とは違い年収が高いほど給付額は少なくなります。
年収500万円の場合で見てみると初年度の返済額はおよそ94万円なので、給付額の40万円は返済額の40%以上をもカバーします。

住宅を購入するとなんで確定申告が必要なの?

住宅を購入するとどんな控除制度を利用できるの?実際にシミュレーションしてみたの画像

税務署に「自分は住宅ローン控除を受けられる」と知らせるために確定申告をします。

サラリーマンにとって、確定申告はほとんど縁がなくハードルが高く感じるものです。
そもそも確定申告とはなにかというと、所得税を払うために「○○円の所得がありました。計算した結果、所得税を○○円の払います」と自分で税務署に申告する行為のことです。
確定申告には所得税を納める「所得税の申告納税」とは別に、納めすぎた所得税を還付してもらうための「還付申告」もあります。この「還付申告」の代表的なものに「住宅ローン控除」があります。「住宅ローン控除」を受けるために確定申告が必要になります。 「住宅ローン控除」を受けるための手続きは、会社を通じた簡易な手続きである「年末調整」ではできないため、自分で税務署に手続き)確定申告)しないといけないのです。 )なお、確定申告が必要なのは1年目だけで、2年目以降は年末調整ができます。)出典:住宅金融支援機構
住宅を購入すると「住宅ローン控除」を受けられますが、なにも申告せずとも税務署が自動的に控除をしてくれるわけではありません。この控除を受けるために自分で税務署に知らせる必要があります。これが確定申告というわけですね。
さらに詳しく知りたい方は以下もご覧ください。
参考:マンションを購入したら確定申告を忘れずにしっかり減税!

確定申告の具体的な手順は?

住宅を購入するとどんな控除制度を利用できるの?実際にシミュレーションしてみたの画像

住宅を購入した翌年の1月〜3月半ばの間に、準備した書類を 税務署に提出して還付申告をしましょう。わからないことがあれば、税務署の職員の方が丁寧に個々のケースに沿って教えてくれます。会社員の場合、翌年以降は還付申告をする必要はありません。


1. 住宅を購入した年の10月から翌年の1月あたりまでに金融機関から残高証明書が届きます。

2. 役所から住民票を、法務局から建物や土地の登記事項証明書を、会社から源泉徴収票を取得しておきましょう。
また、不動産売買契約書のコピーやマイナンバーカードも用意しておきます。

3. 書類が揃ったら、住所地の税務署で確定申告書(会社員の方は(A)か(B)のうち(A))を取得しましょう。
確定申告書は、国税庁のホームページからダウンロードすることもできます。

4. 1月〜3月半ばの間に、準備した書類を提出して還付申告をしましょう。

5. 確定申告の約1ヶ月後に、指定した金融機関の口座に還付された税金が振り込まれます。

6. 会社員の場合、2年目以降は年末調整で済ませられます。

まとめ

今回は住宅を購入したときに申請できる控除項目についてお話しました。
住宅ローン控除、すまい給付金をはじめとして、住宅購入を活性化する制度は多く用意されています。うまくいけば数十万円も得することがあるため、利用しない手はありません。
しかし住宅の購入は、あくまでもあなたの資金計画やライフプランニングに沿って決めるべきものであって、決して控除制度ありきで決めるものではありません。あなたの想定したライフプランに沿った支払い額になるかを控除の金額を込みで考えるとよいでしょう。
住宅購入のとき、公的な制度のほかにも困ったことがある方は、『イエシルの個別相談会』(費用:無料、所要時間45分程度、オンライン面談可)をぜひご利用ください。無料で質問し放題です。不動産会社の選び方がわからない方には、実際に利用した人の評判がよかった不動産会社の営業担当者を3人までご紹介しております。もし紹介した担当者との相性が合わない場合はあなたの代わりにお断りをしますのでご安心ください。

ご意見、ご要望はこちら

記事が気に入ったら、いいね!しよう

IESHILの最新情報をお届けします。

購入検討中の方
未公開状態の物件を含む新着情報を
プレミアム会員限定でお届け

IESHILコラムとは、不動産物件情報に関連してコラム等の関連情報も提供する付随サービスです。
ご利用により、IESHIL利用規約が適用されますので、規約のご確認をお願い致します。