一見お得な「仲介手数料無料」のデメリットと注意点を解説

不動産を購入するときには物件の費用以外に様々な経費が必要になります。その中でも特に高額なのが仲介手数料です。例えば3,200万円のマンションだったとしたら、最高で税別102万円もの仲介手数料が必要になります。 ですから仲介手数料は安いに越したことはないのですが、時々見かける仲介手数料無料というのは大丈夫なのでしょうか。一見お得に見えますがデメリットはないのか、ここでしっかりチェックしてみましょう。

更新日:2023年08月15日

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イエシルコラム編集部

株式会社リブセンス

IESHIL編集部

東京・神奈川・千葉・埼玉の中古マンション価格査定サイトIESHIL(イエシル)が運営。 イエシルには宅建士、FPなど有資格者のイエシルアドバイザーが所属。ネットで調べてわからないことも質問できるイエシル査定サービスを展開しています。

この記事の要点
  • 仲介手数料は仲介業務に対して支払う成功報酬として必要な費用
  • 仲介手数料が無料になるケースもある
  • 仲介手数料無料の場合、デメリットもあるので要注意

1)なぜ仲介手数料が必要なのか?

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そもそも仲介手数料とはどんなものなのでしょう。そしてなぜ支払わなくてはいけないのでしょうか。
その理由について知っておきましょう。

仲介手数料は仲介業務に対して支払う成功報酬

不動産の仲介を行う業者の仕事には次のようなものがあります。

物件の紹介や現地案内

買主は自分の求める条件を仲介業者に提示して物件を探してもらうように依頼します。仲介業者は自社の持っている仲介可能物件をリストから選び出して紹介しますが、場合によってはその条件をもとに売主を募集したり業界のネットワークを使って物件を探すこともあるのです。そうした手間をかけて物件を選択し、買主に提示し、求めに応じて現地を案内します。

売主買主間の交渉

中古物件の仲介の場合、端的に言えば高く売りたい売主と安く買いたい買主の間に立って、交渉の仲介も行ってくれるのが仲介業者です。売主も買主も不動産売買については素人ですから、その場所の相場感を持たないことが多くなります。
そこで、不動産のプロである仲介業者が適切な価格を提案することで、売買を成立するように誘導するのも重要な業務なのです。

契約書などの書類作成

物件にローン返済を保証するための抵当権などが設定されていた場合、それを外してきれいにしてから買主に渡すのは当然ですし、それにかかる費用は仲介業者から売主に請求されますので、買主が負担することはありません。

しかし、売買が成立したときには売買契約書を作成しなければいけません。そうした書類も作成してくれますし、司法書士に依頼する仕事である所有権移転登記を行ってくれる業者もあります。ただし、移転登記に関しては仲介手数料とは別に費用が発生します。


これらの業務に対する報酬として仲介手数料を支払いますが、そこには次の特徴があります。


・賃貸や売買などの契約が成立したときに、仲介業務に対して支払う成功報酬
つまり契約が成立しなければ、仲介業者は報酬がもらえません。

・金額の上限が宅建業法で定められている

仲介手数料の金額は日本において不動産の仲介業者や不動産業務に関連する取引を規制する法律である宅建業法によって上限が定められています。これは上限ですので、それより少なければ宅建業法には違反しません。つまりゼロであっても問題はないのです。

一部の良くない業者にはこの上限金額を規定の料金だと説明した上で、本来請求できない別の名目の料金を上乗せ請求するところもあるようですので注意が必要です。
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仲介手数料の計算方法

依頼者の一方から受領できる報酬額(仲介手数料)は、宅建業法によって売買価格400万円超の部分について3%以内、200万円超400万円までの部分は4%以内、200万円までの部分は5%以内となっています。消費税は別途かかりますのでご注意ください。


仮に1,000万円の取引価格であった場合、仲介手数料の上限額は次のようになります。


a) 200万円までの部分
200万円 × 5% = 10万円

b) 200万円超 400万円までの部分
200万円 × 4% = 8万円

c) 400万円超 1,000万円までの部分
600万円 × 3% = 18万円

a + b + c = 36万円+消費税


取引価格が400万円を超えている場合は、物件の取引価格に対して3%を掛けた金額に6万円を加えた速算式で計算しても問題ありません。ただし、こちらも消費税が別途かかることにご注意ください。

(取引価格×3%+6万円+消費税)


仮に物件の取引価格が1000万円だった場合の仲介手数料の計算は次のようになります。

1000万円 × 0.03 + 6万円 = 30万円 + 6万円 = 36万円

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