不動産購入時に魅力的な「仲介手数料無料」ですが、「おかしい」「裏があるのでは」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。本記事では、無料が実現する“からくり”を客観的に解説します。一見お得に思える取引に潜む実務上のデメリットや注意点、費用の上乗せリスクまでプロの視点で解説。初期費用を抑えつつ、安全なマイホーム選びを進めるための意思決定の材料としてお役立てください。
更新日:2026年06月17日
イエシルコラム編集部
株式会社リブセンス
IESHIL編集部東京・神奈川・千葉・埼玉の中古マンション価格査定サイトIESHIL(イエシル)。 イエシルには宅建士、FPなど有資格者のイエシルアドバイザーが所属。ネットで調べてわからないことも質問できるイエシル査定サービスを展開しています。イエシルは東証上場企業である株式会社リブセンスが運営しています。
このように、仲介手数料は仲介業者にとって大切な収入源です。それにもかかわらず、なぜ「無料」にできるのでしょうか。ここでは、仲介手数料無料の“からくり”や仕組みについて見ていきます。
売主が不動産会社であった場合、仲介ではないため、 仲介手数料は発生しません。
つまり新築を買う時と同じ仕組みであり、初期費用を抑えられる点は魅力に感じられるでしょう。
一方で、注意しておきたい面もあります。
仲介で依頼した場合、どの売主の物件であっても仲介会社は仲介手数料という利益が発生します。しかし、不動産会社自身が売主の場合、その物件が売れなければ利益になりません。
そのため、不動産会社は自社物件を積極的に勧めるケースもあります。
場合によっては、他の物件と比較検討する機会が少なくなってしまうこともあるでしょう。
こうした売買の場合、買主は不動産の専門知識を持たない一般消費者である一方、売主は不動産のプロです。
価格においても売買条件においても交渉が難しくなるでしょう。運良く自分の求めている条件で欲しい物件に出会えたとしたら手数料の分お得ですが、なかなかそういうラッキーは少ないでしょう。
そうしたリスクがある取引については慎重に考えなければいけません。場合によっては手数料を払ってでも別の仲介会社に入ってもらって、価格交渉などを依頼し、価格交渉や契約条件の調整をサポートしてもらうという選択肢を検討することも大切です。
一つの仲介業者が売主と買主の両方から依頼を受けていた場合、両方から仲介手数料を受け取ることができます。
上記で計算例として出した1,000万円の物件であった場合、売主から税別36万円、買主からも税別36万円の合計税別72万円の収入があるので「美味しい」ビジネスになると言えます。
売主または買主の一方と仲介取引を行うものを片手取引と言い、両方と仲介取引を行うものを両手取引と言います。
このうちの片手をあえて離してしまう(例えば買主側の手数料を無料にする)ことで、物件の売買を早期にまとめてしまえる可能性が高まるため、それを狙って買主の仲介手数料無料を実現していることがあります。
そうすればネット上の口コミなどで買主側からは「手数料が無料だった」、売主側からも「早く売ってくれた」という評価を得ることができて、次のビジネスに繋がる可能性が高まるというわけです。
広告に仲介手数料無料とうたってあると、とてもお得な仲介業者のように見えますがデメリットはないのでしょうか。こうした業者を利用する際の注意点と合わせて説明します。
仲介会社が「片手取引(買主側または売主側のどちらか一方のみを担当する取引)」を行う場合、買主の手数料を無料にすると仲介会社の報酬はゼロになってしまいます。そのため、仲介手数料無料の対象となるのは、売主から手数料をもらえる物件や自社物件など、特定の条件を満たしたものに限られることが一般的です。
比較的良心的なものとしては先に紹介した「売主がその不動産業者である」というケースです。利益は売却益から出るので仲介手数料は必要ありません。しかし、説明したようにデメリットも大きいので十分な注意が必要です。
いずれにせよごく特殊な例外を除いて、本当に手数料無料で仲介してもらえることはないと考えておきましょう。
そうでなければ、思わぬところで足元をすくわれるかもしれません。場合によっては本来なら受けられていたはずの、サービスの質が低下してしまったなどという面に現れてくるかもしれません。
「仲介手数料無料」をうたう業者の中には、別の名目で費用を請求してくるケースが存在します。
たとえ仲介手数料が無料であっても、高額な別の費用が加算されることで 、結果的な総負担額が通常の取引と大きく変わらないケースもあります。 それどころか、本来は通常の仲介業務に含まれるべき内容に対して追加費用を請求することは、内容によっては違法(宅建業法違反)となる可能性すらあります。
そのため、「無料」という言葉だけで判断するのではなく、事前に費用の内訳をしっかり確認することが大切です。状況によっては、法律の範囲内で定められた正規の仲介手数料を支払い、万全なサポートを受けながら取引を進めたほうが、結果的に安心して購入を進められるでしょう。現在の不動産業界では、法令順守や情報開示の重要性が以前よりも強く求められています。一方で、過去には情報の非対称性を利用した、不透明な取引が問題視された時代もありました。
その代表例が、売主と買主の間に複数の業者が入り込み、両者に異なる売買価格を提示して「不当に差額を得る手法(ピンハネ)」です。たとえば、売主には「2,000万円で売れました」と伝え、買主には「2,500万円で購入できます」と説明し、その差額である500万円を中間業者が懐に入れるという悪質な手口です。
現代では、インターネットの普及やコンプライアンスの強化により、こうしたあからさまな不正は激減し、取引の透明性は大きく向上しています。
しかし、だからといって油断は禁物です。先述した「仲介手数料無料」をうたう業者の中には、手数料を無料にする代わりに、物件価格に不透明な費用を上乗せしたり、相場より安く買い叩いて裏で差額を得ようとしたりするケースが今なお一部で見られます。形を変えた「不透明な取引」に巻き込まれないためには、依頼者自身が市場相場を把握しておくことが極めて重要なのです。
国土交通省の「土地総合情報システム」などを活用することで、実際の成約事例や価格相場を確認できます
また、イエシルでは、無料でマンションの部屋別の参考相場価格を確認することができます。
高すぎる価格で購入して損をするリスクを減らしたい方は、下記より個別査定をご依頼ください。不動産経験豊富なイエシルアドバイザーが、市場データをもとに妥当価格を個別で算出。価格の根拠や購入にあたっての注意点などもあわせてご説明します。マンション購入に不安がある方は、お気軽にご相談ください。
マンション購入を検討していたA様は、少しでも諸費用を抑えたいと考え、「仲介手数料無料」をうたう不動産会社へ問い合わせをしました。その会社から提案された物件で実際に内覧も進み、「同じ物件なら、手数料が安い会社の方がお得なのでは?」と感じていたそうです。
イエシルのアドバイザーとの面談で、「仲介手数料を無料にできる物件だけを優先的に紹介しているケース」や「不動産会社によっては、売主側から広告料を受け取れる物件に絞って紹介するケース」があるという説明を受けました。
その結果、
・市場に出ている全物件を比較できない
・条件に合う他の物件を見逃す可能性がある
といったリスクがあることに気づきました。
さらに、住宅ローンや資金計画のサポートが限定的な会社もあると知り、「手数料の安さ」だけで不動産会社を選ぶことに不安を感じるようになりました。
最終的にA様は、「仲介手数料の安さだけで不動産会社を選ぶのは危険かもしれない」と考えるようになりました。
その後は、《幅広い物件を紹介してもらえるか・自分たちに合う物件を中立的に提案してもらえるか・購入後まで見据えて相談できるか》を重視して、不動産会社を比較しながら検討を進めることにしたそうです。
結果として、「手数料が安いかどうか」だけではなく、“納得できる物件選びができるか”を基準に判断することの大切さを実感されたとのことでした。
株式会社フィルライフ・イエシルアドバイザー。宅建士・FP2級
【仲介歴15年/相談2500件超】大手仲介会社の責任者を経て、現在はイエシルアドバイザーとして中立の立場からマンション売却・購入のご相談を受け、本音のアドバイスを届けています。業界の裏側を知り尽くした知見で、居住用から投資用まで、不動産売買という大きな決断をサポートしています。
イエシルコラム編集部
株式会社リブセンス
東京・神奈川・千葉・埼玉の中古マンション価格査定サイトIESHIL(イエシル)。 イエシルには宅建士、FPなど有資格者のイエシルアドバイザーが所属。ネットで調べてわからないことも質問できるイエシル査定サービスを展開しています。イエシルは東証上場企業である株式会社リブセンスが運営しています。
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