【2024年】マンションリフォームで活用できる補助金や助成金、減税措置を解説!

マンションのリフォームをする前に、活用できる補助金・助成金や税制上の優遇措置について知っておくことで金銭的な負担が軽減できる可能性があります。今回はマンションのリフォームで利用できる補助金・助成金の制度や税制上の優遇措置について解説していきます。リフォームを検討している方はぜひご覧下さい。

更新日:2024年01月15日

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田中あさみ

プレミアムライター

FPライター。大学在学中に2級FP資格を取得、医療系の仕事に携わった後ライターに。CFP(R)相続・事業承継科目合格。全科目合格に向けて勉強中。 金融・フィンテック・不動産・相続などの記事を多数執筆。

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マンションのリフォームでは、長期優良住宅化リフォーム推進事業・既存住宅における断熱リフォーム支援事業・介護保険法にもとづく住宅改修費の支給などで一定の要件を満たし申請すると、補助金や助成金が交付されます。


また、住宅ローン控除・住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置・省エネ改修工事に係る固定資産税の減額措置などの減税(税制優遇)措置が受けられる可能性があります。


今回はマンションのリフォーム補助金・助成金制度と、減税もしくは税制優遇措置について解説していきます。マンションのリフォームをする予定の方はぜひ最後までご覧ください。


マンションリフォームに活用できる補助金・助成金

  • 長期優良住宅化リフォーム推進事業
  • 既存住宅における断熱リフォーム支援事業
  • 子育て支援型共同住宅推進事業
  • 介護保険法にもとづく住宅改修費の支給
  • 住宅省エネ2024キャンペーン


1.長期優良住宅化リフォーム推進事業

長期優良住宅化リフォーム推進事業は、既存住宅の長寿命化や省エネ化などの性能向上リフォーム、子育て世帯向け改修に対する支援などを行うものです。

リフォームを行う既存の戸建て住宅・マンションが補助制度の対象で、省エネ性能などを有する住宅(省エネ基準相当)への改修について、外壁が通気構造にするといった劣化対策を行う、鉄骨造・鉄筋コンクリート造の場合は劣化対策等級2(既存住宅)を満たすもしくは構造に応じた基準に適合するなど一定の要件を満たすと補助金が交付されます。

補助率と上限額は以下の通りです。

補助率 1/3
上限額
・1戸あたり100万円
・長期優良住宅(増改築)認定を取得する場合は1戸あたり200万円 

※省エネ基準▲20%相当の場合は1戸あたり50万円を加算する
出典:国土交通省 令和5年度 長期優良住宅化リフォーム推進事業


2.既存住宅における断熱リフォーム支援事業

環境省の既存住宅における断熱リフォーム支援事業は、15%以上の省エネ効果が見込まれる高性能建材(断熱材、ガラス、窓、玄関ドア)を用いた住宅の断熱リフォームを支援するものです。

下記は住宅区分が集合住宅の場合の詳細です。

いずれも補助率は補助対象経費の1/3以内です。

トータル断熱

集合住宅:個別の場合
申請者

個人の所有者(賃貸住宅を含む)

補助対象となる製品
高性能建材(断熱材、ガラス、窓、玄関ドア、熱交換型換気設備など)
補助金額(上限額)

1住戸あたり15万円

玄関ドアも改修する場合は1住戸あたり20万円

熱交換型換気設備など:5万円


集合住宅:全体の場合
申請者
管理組合などの代表者・賃貸住宅の所有者
補助対象となる製品
高性能建材(断熱材、ガラス、窓、玄関ドア、共用部LED)
補助金額(上限額)

1住戸あたり15万円

玄関ドアも改修する場合は1住戸あたり20万円

※LED補助額を含む



居間だけ断熱

集合住宅:個別の場合
申請者

個人の所有者(賃貸住宅を含む)

補助対象となる製品
高性能建材(窓、玄関ドア、熱交換型換気設備など)
補助金額(上限額)

1住戸あたり15万円

玄関ドアも改修する場合は1住戸あたり20万円

熱交換型換気設備など:5万円


集合住宅:全体の場合
申請者

管理組合などの代表者・賃貸住宅の所有者

補助対象となる製品
高性能建材(窓、玄関ドア、共用部LED)
補助金額(上限額)

1住戸あたり15万円

玄関ドアも改修する場合は1住戸あたり20万円

※LED補助額を含む

出典:https://www.heco-hojo.jp/danref/doc/danref_pamphlet_R5_06.pdf

常時居住する専用住宅(賃貸住宅を含む)が対象で、店舗や事務所と併用している物件は対象外です。
定期的に公募を行っていますので、時期を確認しておきましょう。


3.子育て支援型共同住宅推進事業

国土交通省が主体となり分譲マンション・賃貸住宅など共同住宅を対象に行っている補助事業です。事故や防犯対策など子どもの安全・安心の確保を目的とした住宅の新築・改修などを支援するものとなっています。

賃貸住宅の新築・改修や分譲マンションの改修に対する補助対象事業は以下の2つです。

  1. 「子どもの安全確保に資する設備の設置」:補助率は、新築物件は1/10、改修は1/3で上限額が1戸あたり100万円 /戸です。
  2. 「居住者等による交流を促す施設の設置」:補助率は、新築物件は1/10、改修は1/3で上限額は500万円 /棟です。

具体的には以下の取り組みが補助の対象となります。

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出典:国土交通省「子育て支援型共同住宅推進事業について」

分譲マンションの改修は区分所有者、賃貸住宅の建設はオーナー、賃貸住宅の改修はオーナーや借主などに補助金が交付されます。


4.介護保険法にもとづく住宅改修費の支給

介護保険法にもとづく住宅改修費の支給」は厚生労働省の事業で、介護保険で要支援及び要介護の認定を受けた方の一定の住宅改修(段差の解消や手すりの設置など)に対し、20万円まで(所得に応じて1割~3割の自己負担)支給します。
地方自治体によって取り扱いが異なりますので注意しましょう。
東京都では以下のような事例で補助金が交付されます。

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出典:東京都福祉保健局「介護保険の給付対象となる住宅改修(例)」

例えば千代田区では、千代田区内に住所を有する65歳以上の高齢者が日常生活の動作に困難があり、訪問調査の結果、在宅での生活の質を確保するために住宅の改修などが必要と認められる場合に助成の対象となります。

出典:https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kourei/jiritsu_shien/jutaku.files/202307_gaiyou_kubu.pdf

手すりの取り付け・段差の解消などは20万円、ホームエレベーターの設置は70万円、階段昇降機設置は100万円が助成の基準額です。

要支援・要介護に認定されていない方は「介護予防住宅改修等給付」として負担率が10%、要支援・要介護に認定されている方は「自立支援設備改修等給付」として、保険料によって10~60%の負担率です。


5.住宅省エネ2024キャンペーン

住宅省エネキャンペーンは国土交通省・経済産業省・環境省の3省連携による住宅の省エネ化支援制度です。2023年11月10日に2023年(令和5年)度補正予算案が閣議決定され、前年のキャンペーン各事業の後継事業が盛り込まれました。

事業と概要は以下となります。


子育てエコホーム支援事業

(こどもエコすまい支援事業の後継事業) ※いずれも一定の要件を満たした場合のみ
高い省エネ性能を有する住宅の新築、一定のリフォームが対象で事業者が申請を行う。
  • 子育て世帯・若者夫婦世帯による住宅の新築・・・長期優良住宅は1戸あたり100万円、ZEH住宅は1戸あたり80万円。
  • 住宅のリフォーム・・・省エネ改修・子育て対応改修・バリアフリー改修・空気 清浄機能・換気機能付きエアコン設置工事など1戸あたり20~30万円。(世帯によって異なる)



断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業

(先進的窓リノベ事業の後継事業)

高い断熱性能を持つ窓への改修※に関する費用の1/2相当などを定額補助。(上限200万円)
※改修は2023年11月2日以降に対象工事(断熱窓への改修を含むリフォーム工事全体をいう)に着手したものリフォーム事業者が申請し、住宅所有者などに全額還元する。


高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金

(給湯省エネ事業の後継事業)

一定の基準を満たした高効率給湯器を導入する場合、機器・性能ごとに設けられた定額を支援する。
※2023年まで補助金は消費者に直接振り込む仕組みだったが、2024年からは事業者を通じて消費者に還元される。


既存賃貸集合住宅の省エネ化支援事業

賃貸物件のオーナーなどに対して、既存賃貸集合住宅でのエネルギー消費量を削減するために必要な「省エネ型給湯器(例:エコジョーズなど)の導⼊に係る費⽤を補助する。

上記の事業はまだ詳細が確定していませんが、2024年3月以降に受付開始を予定しています。
キャンペーンの住宅省エネ支援事業者は、基本的に2024年の後継キャンペーンに参加を希望しているとみなし、継続参加する予定です。
このキャンペーンは事業者を通じた補助事業ですので、詳細はリフォーム業者に尋ねてみましょう。

リフォーム・リノベーションの減税(税制優遇)措置

  • 住宅ローン控除
  • 特定増改築等住宅借入金等特別控除
  • 住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置
  • 省エネ改修工事に係る固定資産税の減額措置


1.住宅ローン控除

住宅ローン控除は、個人が住宅ローンを利用してマイホームの新築・取得または増改築などを行い、増改築をしてから6カ月以内に自身が居住したなど一定の要件を満たす場合には住宅ローンの年末残高の合計額を基として計算した金額を所得税額から控除できる制度です。
新築や既存住宅の取得だけではなく、増改築でも一定の要件を満たすことで申請が可能です。
増改築は、以下のいずれかに該当するものが対象です。


  1. 増築、改築、建築基準法に規定する大規模の修繕または大規模の模様替えの工事
  2. マンションなどの区分所有建物のうち、その人が区分所有する部分の床、階段または壁の過半について行う一定の修繕・模様替えの工事(1に該当するものを除く)
  3. 家屋(マンションなどの区分所有建物は、その人が区分所有する部分に限る)のうち居室、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、玄関または廊下の一室の床または壁の全部について行う修繕・模様替えの工事(1および2に該当するものを除く)
  4. 建築基準法施行令の構造強度等に関する規定または地震に対する安全性に係る基準に適合させるための一定の修繕・模様替えの工事(1から3に該当するものを除く)
  5. 一定のバリアフリー改修工事(1から4に該当するものを除く。増改築をした部分を2007年4月1日以後に居住の用に供した場合に限る)
  6. 一定の省エネ改修工事(1から5に該当するものを除く。増改築をした部分を2008年4月1日以後の居住の用に供した場合に限る)


※「建築基準法に規定する大規模の修繕または大規模の模様替え」とは、家屋の壁(建築物の構造上重要でない間仕切壁を除く)、柱(間柱を除く)、床(最下階の床を除く)、はり、屋根または階段(屋外階段を除く)のいずれか一以上について行う過半の修繕・模様替えをいいます。
出典:国税庁「増改築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」

バリアフリー改修工事や省エネ改修工事、多世帯同居改修工事を含む増改築をした場合に、「特定増改築等住宅借入金等特別控除」の要件にも該当する方は住宅ローン控除に代えて「特定増改築等住宅借入金等特別控除」を受けることができます。


2.特定増改築等住宅借入金等特別控除

個人が以下4つの対象となる改修工事のいずれかを行い、個人居住用とするなど一定の要件を満たした場合は、標準的な費用の額の10%相当額を所得税額から控除できます。
さらに、必須工事に関わる標準的な費用の額(控除対象限度額を超える部分)と一定の増改築費用の実額との合計額の5%相当額を所得税額から差し引きます。
この制度は住宅ローンを契約していなくても適用が可能です。

1.省エネ改修工事
①居室の窓の改修工事(必須)、②床の断熱工事、③天井の断熱工事、④壁の断熱工事、⑤一定の太陽光発電装置設置工事、⑥一定の太陽熱利用冷温熱装置等の設置工事(①~④については、改修部位の省エネ性能がいずれも一定の基準以上となるもの)

2.バリアフリー改修工事※
①廊下の拡幅、②階段の勾配の緩和、③浴室改良、④便所改良、⑤手すりの設置、⑥屋内の段差の解消、⑦引き戸への取替え工事、⑧床表面の滑り止め化

3.三世代同居対応改修工事
①キッチン、②浴室、③トイレ、④玄関の増設工事(リフォーム後はいずれか2つ以上が複数となること)

4.耐久性向上改修工事(耐震改修工事又は省エネ改修工事と併せて行うもの)
①小屋裏、②外壁、③浴室、脱衣室、④土台、軸組等、⑤床下、⑥基礎若しくは⑦地盤に関する劣化対策工事又は⑧給排水管若しくは給湯管に関する維持管理若しくは更新を容易にするための工事

※①50歳以上の者、②要介護又は要支援の認定を受けている者、③障害者である者、④その者の親族のうち②若しくは③に該当する者又は65歳以上の者のいずれかと同居している者が対象
出典:既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除



3.住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置

2026年3月31日まで※に父母や祖父母など直系尊属からの贈与により、自己居住用の住宅用の家屋の新築・取得または増改築などに充てるための資金を贈与された際には、省エネ等住宅の場合1,000万円まで、それ以外の住宅は500万円まで贈与税が非課税となります。
令和6年度税制改正大綱より:適用期限3年延長
贈与を受けた年の1月1日に18歳以上である、贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下、床面積(マンションなどの区分所有建物の場合は専有部分の床面積)が40㎡以上240㎡以下など一定の要件を満たす必要があります。



4.省エネ改修工事に係る固定資産税の減額措置

2024年3月31日までに2014年4月1日以前から所在する家屋に対して以下の省エネ改修工事を行った場合に、翌年度の固定資産税額から3分の1が減額されます。

【2024年】マンションリフォームで活用できる補助金や助成金、減税措置を解説!の画像
出典:国土交通省「省エネ改修工事に係る固定資産税の減額措置」

賃貸住宅は控除対象外で、省エネ改修後の床面積が50㎡以上280㎡以下である、店舗併用住宅の場合は、床面積の1/2以上が居住用などの要件を満たす必要があります。

まとめ

マンションのリフォーム・リノベーションでは、補助金・助成金の制度、減税(税制優遇)措置を活用することをおすすめします。

リフォーム・リノベーションではコストがかかりますが、上記の制度を活用することで金銭的な負担の軽減が期待できます。
なお現在の住まいをリフォームし住み続けるほかにも、売却して住み替えることも選択肢のひとつです。

  • リフォーム・リノベーションと売却のどちらが良いか知りたい
  • いくらで売れるのか知りたい
  • 住み替えをスムーズに進める方法が知りたい
  • 不動産屋に問い合わせをすると営業が多そうで怖い


上記のようにお考えの方は、まずはイエシルに査定をご依頼ください。

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