「マンションを売るか貸すか」どっちがいいの?実例をもとに分かりやすく解説

相続や転勤によって、住まなくなったマンションを売るか貸すか迷っている方のために、それぞれのメリット・デメリット・注意点を簡単に解説します。また、賃貸に出したマンションを売却する際、査定にどのような違いが出るのか、実例をもとに説明します。

更新日:2023年09月21日

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イエシルコラム編集部

株式会社リブセンス

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東京・神奈川・千葉・埼玉の中古マンション価格査定サイトIESHIL(イエシル)が運営。 イエシルには宅建士、FPなど有資格者のイエシルアドバイザーが所属。ネットで調べてわからないことも質問できるイエシル査定サービスを展開しています。

この記事の要点
  • 売却と貸し出しにはそれぞれメリットとデメリットが存在する
  • 賃貸に出して、後から売却しようとする場合、リスクがある
  • 売却と貸し出し、どちらを選ぶかの判断基準は、将来の利用計画にかかっている
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「マンションを相続したけど、今のところ住む予定はないし……」「転勤のため、住んでいるマンションを離れることになった」「使わないマンションを有意義に活用するにはどうすればいいんだろう」誰も住まないマンションなら売ったほうがいいのか、それとも貸したほうがいいのか考えてしまいますよね。どちらにしても、はじめてのことでよく分からないという方も多いのではないでしょうか。


この記事では、マンションを売る場合と貸す場合、両方のメリット・デメリット、さらに注意点まで簡単に知ることができます。
また、実例も紹介しながら分かりやすく解説していきますので、ぜひ参考になさってください。


マンションを売るメリット・デメリット・注意点

まずは、マンションを売る場合についてわかりやすく解説していきましょう。

マンションを売るメリット①:まとまった資金が手に入る

マンションを売る大きな利点は、なんといってもまとまった資金を得られることです。住み替えやライフステージの変化など、今後の資金計画が立てやすくなります。

マンションを売るメリット②:維持費が不要になる

たとえ住んでいなくても、マンションを所有しているだけで以下のような税金や費用がかかります。

  • 固定資産税
  • 都市計画税
  • 火災保険料
  • 管理費
  • 修繕積立金 など

マンションを売却することで、これらの維持費がかからなくなります。

マンションを売るデメリット①:すぐに売却できるとは限らない

マンションを査定に出してから売買契約を締結するまで、一般的には3カ月〜半年ほどかかるといわれています。1年以上かかることも珍しくありません。

マンションを売るデメリット②:売却による費用や税金がかかる

マンションの売却には以下のような費用や税金がかかります。

  • 登記費用
  • 登記に伴う司法書士報酬
  • 不動産会社への仲介手数料
  • 印紙税
  • 譲渡所得税 など

マンションを購入したときよりも高く売れて利益が発生すると「譲渡所得税」がかかります。

譲渡所得税については、「マンションの売却で利益を出したい!知っておくべき税金と控除について分かりやすく解説」を参考にしてください。

マンションを売る場合の注意点:住宅ローンの完済

原則として、住宅ローンが残っているマンションは売却することができません。
もし、売ろうとしているマンションに住宅ローンが残っている場合は、売却前もしくは売却と同時に完済する必要があります。


マンションを貸すメリット・デメリット・注意点

ここまで、マンションを売る場合についてお伝えしました。つぎは、マンションを貸す場合について解説します。

マンションを貸すメリット①:定期的な家賃収入を得られる

入居者がいる限り、家賃として定期的な収入を見込めるのが大きなメリットです。
ちなみに、家賃収入は不動産所得の扱いなので、管理費や修繕積立金、固定資産税などは、確定申告で経費に計上することができます。節税対策としても有効です。

マンションを貸すメリット②:将来また住むことができる

いまは誰も住まなくても、将来的に戻ってきて住む場所を確保できます。また、子どもや親族が使う可能性に備えることもできます。

マンションを貸すデメリット①初期費用や維持費がかかる

マンションの劣化状況によっては、貸し出す前に以下のような費用がかさむ可能性があります。

  • クロスや床板の張替え
  • 水回り設備の新調
  • ハウスクリーニング など

入居者が決まれば家賃に応じた報酬を仲介した業者に支払います。支払額の上限は、家賃1カ月分に税金を加えた金額です。

さらに、自分が住んでいなくても、マンションを所有していれば以下の費用が発生します。

  • 固定資産税
  • 都市計画税
  • 火災保険(建物については貸主、家財については借主が支払う)
  • 管理費
  • 修繕積立金 など

火災保険は、建物については貸主、家財については借主が支払います。

マンションを貸すデメリット②:空室のリスク

当然ながら、入居者がいなければ家賃収入は得られません。たとえ収入がなくても、前述のような維持費がかかり続けます。

マンションを貸す場合の注意点:不動産投資ローンへの切り替え

原則として、賃貸に出そうとするマンションに住宅ローンが残っている場合は、マンションを貸すことができません。
しかし、住宅ローンを不動産投資ローンへ切り替えれば、マンションを貸すことができます。
ただし、不動産投資ローンは住宅ローンよりも金利が高く、金融機関への手数料も発生することを覚えておきましょう。


「マンションを売るか貸すか」判断基準は「またそこに住むのか」

ここまで解説したように、マンションを売るにしても貸すにしてもメリット・デメリットがあります。
判断基準は、「将来またそのマンションに住むかどうか」を考え、「利用することを具体的にイメージできるかどうか」です。

  • 将来自分が住むと決めている
  • 転居はあくまでも一時的なものである
  • 子どもや親族が利用する予定がある など

このように明確な理由があればマンションを貸す、そうでなければマンションを売るほうがいいでしょう。


まだ将来またそのマンションに住むかどうか分からないから、一旦賃貸に出して、後から売却しようと考えている方もいるのではないでしょうか?

その場合、どんなリスクがあるのでしょうか。

次は実例をもとに「賃貸に出したマンションの意外な事実」を説明していきます。

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