マンションがなかなか売れずに悩んでいる方へ向けて、「なぜ売れないのか」「どのような対策をとれば売れるのか」を分かりやすく解説します。
更新日:2024年08月07日
イエシルコラム編集部
株式会社リブセンス
IESHIL編集部東京・神奈川・千葉・埼玉の中古マンション価格査定サイトIESHIL(イエシル)が運営。 イエシルには宅建士、FPなど有資格者のイエシルアドバイザーが所属。ネットで調べてわからないことも質問できるイエシル査定サービスを展開しています。
内覧を希望するということは、あなたのマンションが、買い手にとっての条件をクリアしている物件かもしれないということです。
にもかかわらず契約に至らなかったのなら、内覧時の印象が悪かった可能性があります。
内覧希望者は、登録情報などで得たことと実際に見た印象の「イメージのすり合わせ」に来ているのです。これからの生活に夢を膨らませている状態なので、悪い印象を受けることには敏感に反応します。
とくに、室内が整理整頓されていなかったり汚れたりしていれば、「いま見えていないところはもっと汚れているかも」と思われかねません。
また、売り主の対応も印象を左右します。態度が不愛想だったり、質問の答えが十分でなかったり誠実さが見られなければ、物件は気に入っても売り主が気に入らないという理由で契約に至らないケースもあるので注意しましょう。
▼対策方法2つは以下です。
買い手は、できるだけ新しくきれいなところに住みたいと思っています。そのため、イメージを損なわないような準備が必要です。
内覧時には、室内の照明をすべて点けておきましょう。自然光に照明の光が加われば、明るい印象を与えることができます。
部屋を広く見せることも大切です。不要な物は処分したり、片付けられるものは片付ける、家具を端に寄せるなど、少しでもスペースを作って開放的な空間にするよう心がけましょう。
さらに重要なのはお掃除です。特に水回りの汚れは古い印象につながりますし、嫌悪感を抱く人も多くいます。内覧前の掃除は入念に行いましょう。水回りだけハウスクリーニングを利用するのもひとつの方法です。
内覧時の室内は、明るく・広く・清潔にしておきましょう。
なかなかマンションが売れない場合、媒介契約を結んでいる不動産会社に原因があることも考えられます。
もちろん、売り手に真摯に向き合いながら売却活動を行う不動産会社がほとんどです。しかし中には、売却活動に積極的でない不動産会社や、マンション売却に精通していない不動産会社もあります。
3カ月を過ぎてマンションが売れない場合は、契約を更新しても売れ残る可能性が高いかもしれません。不動産会社の対応が十分かどうか、見直しを検討する必要があるでしょう。
不動産会社との媒介契約は3種類あります。それぞれの特徴は以下のとおりです。
一般媒介契約 |
専任媒介契約 |
専属専任媒介契約 |
|
依頼主へ販売活動の報告義務 |
なし |
2週間に1回以上 |
1週間に1回以上 |
レインズへの登録義務 |
なし |
7営業日以内 |
5営業日以内 |
複数の業者へ依頼 |
〇 |
× |
× |
売主自身が買主を探す |
〇 |
〇 |
× |
契約の有効期限 |
なし |
3カ月以内 |
3カ月以内 |
「一般媒介契約」の場合、マンションの売却を複数の業者へ依頼できたり、売り主が自分で買い主を探すこともできたりと自由度が高いのがメリットです。その反面、依頼主へ販売活動を報告する義務がないので、積極的に宣伝をしたり広告を出したりするとは限りません。
また、「レインズ」への登録義務もないので、売却したいマンションの情報は広がりにくくなります。売り出し条件にぴったりな買い手がいたとしても、その人に情報が届かない可能性があるのです。
一方で、「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の場合は「レインズ※」への登録義務があり、マンション情報が広く知れ渡るため、多くの人の目に入りやすくなります。
もう一つ義務とされているのが、依頼主への販売活動報告です。不動産会社の活動を知る大切なものですが、これまで定期的に報告を受けていたでしょうか。
もし、上記のような頻度で報告を受けていなければ、すぐに連絡をして「法令どおりのペース」で報告書を出すように伝えましょう。
報告書を得ることで、本当に信頼できる不動産会社なのか見極める材料となりますし、売り主が売却活動について見直すべきことが見えてくるかもしれません。
媒介契約を見直し、それぞれの特徴を理解して、自分に合った契約を選びましょう。
※「レインズ」:
「Real Estate Information Network System (不動産情報ネットワークシステム)」の略称。国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営していて、不動産会社のみが利用できるコンピューターネットワークシステムのこと。
不動産会社には得手・不得手の分野があります。たとえば、「戸建て住宅の取り引きは得意でも、マンションの取り引きは得意ではない」などです。
中古マンションの売買を得意としているかどうかは、契約している不動産会社のホームページなどにある取引実績で確認できます。
これまでの対応や販売活動で不動産会社の技量に不足を感じるようなら、他の不動産会社へ変更することも可能です。ただしタイミングに気をつけなければなりません。
「専任媒介契約」と「専属専任媒介契約」の場合は、契約の有効期限である3カ月を待たないと、それまでにかかった費用を請求されることがあるからです。
このまま同じ不動産会社に任せていいのかどうか悩んだり、不安を解消したいというときには、イエシルのような専門家へ相談してみることもおすすめします。
「マンションを少しでも高く売りたい」という気持ちはなかなか捨てきれないものです。しかし売れ残り続ければ、マンションの固定資産税や管理費、修繕積立金などの維持費用がかかります。
仮に1年間マンションが売れなかった場合、維持費は単純計算で30万円以上です。それならば、値下げをして売りやすくする、売り切ってしまうのも一つの方法です。
とはいえ、値下げをする前に考慮するべきことはたくさんあります。値下げについては、信頼のできる不動産会社とよく相談してからにしましょう。
「業者買取」とは、不動産会社にマンションを買い取ってもらうことです。買い主を探すなどの手間も時間もかけることなく、確実にマンションを売却できます。
しかし価格は大きく下がり、買取価格は相場の7~8割程度です。
前述のように、売れ残り続ければ維持費用がかかり続けることも考えなければなりません。当初の売却希望価格からは大きく下がりますが、一刻も早くマンションを売りたい方は「業者買取」を検討しましょう。
なぜマンションが売れないのか、まずは理由を知ることが大切です。適切に対応していきながら、マンションの売却を成功させましょう。
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