マンション売却に消費税はかかる?ケースごとの課税の有無や計算方法を紹介

個人がマンションを売却する際は基本的に消費税は課税されませんが、場合によっては消費税が発生するケースもあります。本記事では、マンションの売却ではどんな時に消費税が課税されるのかや消費税の計算方法を紹介します。

更新日:2023年09月20日

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この記事の要点
  • マンション売却時に消費税が課税されるかどうかは、「課税対象となる取引か否か」で決まる
  • 土地や、個人によるマイホームやセカンドハウスの売却は非課税だが、投資用の場合は課税対象となる
  • マンション売却にかかる消費税の計算方法は、建物部分の評価額を土地部分と分けてから税率をかけて求める
  • 売上高が5,000万円以下の事業者は簡易課税制度を利用して消費税の納税額を計算する
  • 消費税が課税される場合はその分を加味した売却価格を設定することが大切
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マンションの売却と消費税の関係は複雑なので、自身がマンションを売却する際に消費税がかかるのかどうか気になる方も多いでしょう。
原則として個人がマイホームとして使用していたマンションを売却する際には、売却代金に消費税は課税されません。
しかし、投資用マンションなど事業に利用しているマンションには消費税が課税されます。
本記事ではマンション売却を考えている方に向けて、マンション売却における消費税の仕組みやどんな時に消費税が課税されるのかどうかを解説します。

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マンション売却における消費税の考え方

普段の買い物の際には基本的に消費税が課税されるため、マンションの売却でも消費税がかかるのではと疑問に思っている方も多いかもしれません。
実は、不動産売却の場合消費税の仕組みは複雑で、条件によって消費税がかかるケースとかからないケースが存在します。

ここでは消費税の仕組みとマンション売却における消費税の考え方から解説していきます。


消費税の仕組み

消費税とはモノやサービスの取引に課税される税金で、消費者が支払い、事業者が納付します。
消費税はモノやサービスを消費する際に課税される税金なので、不動産の場合は建物のみに課税され、土地は非課税です。
そのためマンションの売却における消費税は建物部分のみで考えることになります。


マンション売却時の消費税の有無は「課税対象か否か」で決まる

マンションの売却時に消費税が課税されるかどうかは、「売主が誰か」ではなく「課税対象となる取引か否か」で決まります。
不動産売却における課税対象となる取引と、非課税となる取引は下記です。

課税対象となる取引

  • 建物の売却


非課税となる取引

  • 土地の売却
  • 個人によるマイホームやセカンドハウスの売却

土地は非課税であることは上述しましたが、原則として個人がマイホームやセカンドハウスを売却する際には建物部分も非課税になります。
個人でも投資用マンションなど自身の居住目的以外の物件を売却する際には消費税が課税されます。
また事業に利用していたマンションの売却でも、免税事業者に該当する場合は消費税の負担は生じません。
消費税が課税されるかどうかは取引の種類など様々な条件に応じて決まります。
ここからは自身の売却では消費税がかかるのかどうかを確認しながら読み進められるよう、売主ごとのケースに分けて消費税の有無を解説していきます。



個人がマンションを売却する場合の消費税の有無

ここでは、個人によるマンションの売却における消費税の課税の有無について解説します。


居住用マンションを売却する場合は消費税が課税されない

上述した通り、個人がマイホームやセカンドハウスを売却する際には消費税は課税されません。

セカンドハウスとは「週末に居住するため郊外等に取得するもの」や「遠距離通勤者が平日に居住するために職場の近くに取得するもの」である別荘以外の家屋のことです。
自身が居住するためのマイホームやセカンドハウスの売却は、例外的に土地部分だけでなく建物部分に関しても消費税は非課税になります。



投資用(賃貸用)マンションを売却する場合は消費税が課税される

売主が個人の場合でも、投資用(賃貸用)マンションを売却する際には建物部分に消費税が課税されます。

投資用(賃貸用)マンションの売却は自身の居住目的ではなく事業に利用するものなので、保有者は個人、法人を問わず消費税の課税対象になるのです。
ただしマンションを売却する年の2年前の課税売上高が1,000万円以下の場合は「免税事業者」に該当するため、消費税を国へ納税する義務はありません。
そのため初めて投資用(賃貸用)マンションを売却する際には消費税の納税義務が発生しないことが多いでしょう。
免税事業者について詳しくは後述します。



法人・個人事業主がマンションを売却する場合の消費税の有無

次に、法人・個人事業主によるマンションの売却における消費税の課税の有無について解説します。


事業用マンションを売却する場合は消費税が課税される

法人・個人事業主が事業に利用していたマンションを売却する際には、原則として建物部分に消費税が課税されます。
ただし売主が免税事業者か課税事業者かによって消費税の納税義務が変わります。
ここからは免税事業者と課税事業者について解説します。


個人・法人を問わず免税事業者は消費税の納税義務はない

売り主が個人か法人かどうかを問わず、事業で利用していたマンションを売却する際には消費税が課税されますが、消費税を納税する義務があるかどうかは別の話です。


2年前の課税売上高が1,000万円以下であれば、個人でも法人でも「免税事業者」に該当するため消費税を納税する義務はありません。
つまり売却価格に売却代金に消費税を上乗せして売却しても、預かった消費税を国へ納税する義務はないということです。

反対に2年前の売上高が1,000万円超の事業者は「課税事業者」に該当するため、消費税を納税する義務があります。



条件に関わらずマンション売却時に必ず消費税が課税されるもの

マンションを売却する際、条件に関わらず必ず消費税が課税されるものは以下の通りです。

  • 不動産会社への仲介手数料
  • 司法書士費用
  • 住宅ローン一括返済手数料

それぞれの手数料・費用について解説します。


不動産会社への仲介手数料

不動産会社へ支払う仲介手数料は全額消費税の課税対象です。

消費税が課税される売却の場合、仲介手数料は売却代金の税抜き金額に税率をかけて計算します。
前述した通り土地の売却は非課税ですが、土地の売却を依頼した場合の仲介手数料には消費税が課税される点にも注意しましょう。


司法書士費用

司法書士に支払う報酬も消費税の課税対象です。

マンションを売却するには抵当権を抹消する必要があり、手続きを司法書士に依頼する方も多いでしょう。
金額は依頼する司法書士によって異なりますが、一般的な相場は1〜3万円程度です。


住宅ローン一括返済手数料

売却前に住宅ローンを一括返済をする場合にかかる手数料も消費税の課税対象です。

手数料の金額の相場は5,000円〜3万円程度ですが、金融機関によって異なるので、住宅ローンを組んでいる銀行に前もって確認しておきましょう。



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