個人がマイホームとして使用していたマンションを売却する際、原則として消費税はかかりません。しかし、投資用マンションをはじめとする事業用の不動産売却では、建物部分が消費税の課税対象になるため注意が必要です。本記事では、マンション売却における消費税の仕組みや、個人・法人それぞれの課税基準、仲介手数料などの諸費用にかかる税金、具体的な計算方法まで分かりやすく解説します。
更新日:2026年06月19日
イエシルコラム編集部
株式会社リブセンス
IESHIL編集部東京・神奈川・千葉・埼玉の中古マンション価格査定サイトIESHIL(イエシル)。 イエシルには宅建士、FPなど有資格者のイエシルアドバイザーが所属。ネットで調べてわからないことも質問できるイエシル査定サービスを展開しています。イエシルは東証上場企業である株式会社リブセンスが運営しています。
ここでは、マンションの売却にかかる消費税の計算方法について順に解説します。
土地部分には消費税がかからないため、消費税額を求めるには、まずはマンションの売却代金を土地部分と建物部分に分けてから計算する必要があります。
土地、建物の原価(取得費、造成費、一般管理費・販売費、支払利子等を含みます。)を基にした按分
(参考:課税標準|国税庁)
建物部分の評価額がわかれば、税率をかけて消費税を求めます。
例えば売却代金が3000万円で土地部分が2000万円、建物部分が1000万円の場合の消費税は以下の通りです。
土地部分の2000万円は非課税のため0円
建物部分は1000万円×0.1=100万円
このマンションの売却では100万円の消費税がかかることがわかります。
事業者は受け取った消費税をそのまま納税するのではなく、そこから仕入れや経費で支払った消費税を控除した額を納めます。
この納税方法を「原則課税」と言い、マンション売却の2年前の課税売上高が5,000万円超の事業者は必ずこの方法で納税額を求める必要があります。
反対にマンション売却の2年前の課税売上高が5,000万円以下の場合は「簡易課税」を利用して消費税の納税額を計算することができます。
簡易課税とは仕入れや経費で支払った消費税の額を考慮せず、課税売上とみなし仕入率だけで納税額を計算できる制度です。
業種ごとのみなし仕入れ率は以下の通りです。
| 事業区分 | みなし仕入れ率 |
該当する事業 |
| 第1種事業 |
90% |
卸売業 |
第2種事業 |
80% |
小売業 |
第3種事業 |
70% |
農業・建設業・製造業 |
第4種事業 |
60% |
飲食店業 |
第5種事業 |
50% |
サービス業 |
第6種事業 |
40% |
不動産業 |
(参考:No.6509 簡易課税制度の事業区分)
納税額を簡単に割り出せるため、課税売上高が5,000万円以下の中小事業者は簡易課税制度を利用するケースが多いでしょう。
ただし、簡易課税制度を利用する場合は、原則としてその課税期間(年度) が始まる前日(個人事業主なら前年の12月31日)まで に税務署に届け出をする必要がある点に注意しましょう。(消費税法第37条)
例外として以下のようなケースに該当する場合は「前日までの提出」が免除、または期限が延長される特例があります。
ご自身の状況によって提出期限が異なるため、事前にしっかり確認しておくことが大切です。
消費税を納付するには、売却した翌年に確定申告を行う必要があります。
個人事業主の場合は売却した翌年の3月31日までに、法人は決算期末から2か月以内に申告します。
また個人事業主の場合は前年、法人の場合は前事業年度の消費税額が48万円(地方消費税除く)を超える場合は、中間申告書の提出と中間納付が必要です。
(参考:No.6609 中間申告の方法)
確定申告を行った後は実際に消費税の納付をします。
納付は以下のような方法でできるので、自身に合った方法を選びましょう。
申告や納付の期限に遅れてしまうと滞納となり、ペナルティが課される場合があるので注意が必要です。
イエシルの売却相談でも、「不動産売却に消費税はかかるのでしょうか?」という質問をいただくことがよくあります。
個人が所有するマンションを売却する場合、建物や土地の売却代金そのものに消費税はかからないのが原則です。
そうお答えすると安心される方が多いのですが、実はお話を伺っていくと、多くの方が「仲介手数料などの諸費用にかかる消費税」を盲点にされていることが分かります。
実際、相談者様からは「仲介手数料は売却価格の3%だけだと思っていたが、実際は『3%+6万円』に加えて消費税もかかると知って驚いた」という声もありました。
3,000万円の物件であれば、仲介手数料にかかる消費税だけで約10万円の出費となります。
売却後の資金計画を立てるためにも、仲介手数料や各種費用にかかる消費税まで含めて確認しておくことが大切です。
マンションの売却に消費税が課税されるかどうかは条件によって異なります。
消費税が課税される場合でも、納税義務があるのは基準期間における課税売上高が1,000万円以上の課税事業者のみで、1,000万円以下の免税事業者には納税義務はありません。
事業に利用していたマンションを売却する前には、消費税が課税されるのか、納税義務はあるのかどうかを把握しておきましょう。
消費税が課税される場合はその分を加味した売却価格を設定することが大切です。
自身のマンションの適正な売却価格を知り、資金計画を進めていくためにはイエシルの査定サービスがおすすめです。
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後悔しないためにも妥当な査定価格の把握はもちろん、売却に必要な手続き・手順など情報収集から活動を始めることをお勧めします。
株式会社フィルライフ・イエシルアドバイザー。宅建士・FP2級
【仲介歴15年/相談2500件超】大手仲介会社の責任者を経て、現在はイエシルアドバイザーとして中立の立場からマンション売却・購入のご相談を受け、本音のアドバイスを届けています。業界の裏側を知り尽くした知見で、居住用から投資用まで、不動産売買という大きな決断をサポートしています。
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