マンション売却に消費税はかかる?ケースごとの課税の有無や計算方法を紹介

個人がマンションを売却する際は基本的に消費税は課税されませんが、場合によっては消費税が発生するケースもあります。本記事では、マンションの売却ではどんな時に消費税が課税されるのかや消費税の計算方法を紹介します。

更新日:2024年08月07日

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イエシルコラム編集部

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この記事の要点
  • マンション売却時に消費税が課税されるかどうかは、「課税対象となる取引か否か」で決まる
  • 土地や、個人によるマイホームやセカンドハウスの売却は非課税だが、投資用の場合は課税対象となる
  • マンション売却にかかる消費税の計算方法は、建物部分の評価額を土地部分と分けてから税率をかけて求める
  • 売上高が5,000万円以下の事業者は簡易課税制度を利用して消費税の納税額を計算する
  • 消費税が課税される場合はその分を加味した売却価格を設定することが大切

マンション売却にかかる消費税の計算方法

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ここでは、マンションの売却にかかる消費税の計算方法について順に解説します。

  1. 建物部分の評価額を調べる
  2. 建物部分の評価額に税率をかける
  3. 売上高が5,000万円以下の事業者は簡易課税制度を利用する

建物部分の評価額を調べる

土地部分には消費税がかからないため、消費税額を求めるには、まずはマンションの売却代金を土地部分と建物部分に分けてから計算する必要があります。

  • マンションの土地と建物の按分は以下の方法があります。
  • 譲渡時における土地及び建物のそれぞれの時価の比率による按分
  • 相続税評価額や固定資産税評価額を基にした按分

土地、建物の原価(取得費、造成費、一般管理費・販売費、支払利子等を含みます。)を基にした按分
(参考:課税標準|国税庁


建物部分の評価額に税率をかける

建物部分の評価額がわかれば、税率をかけて消費税を求めます。

例えば売却代金が3000万円で土地部分が2000万円、建物部分が1000万円の場合の消費税は以下の通りです。

土地部分の2000万円は非課税のため0円
建物部分は1000万円×0.1=100万円

このマンションの売却では100万円の消費税がかかることがわかります。



売上高が5,000万円以下の事業者は簡易課税制度を利用する

事業者は受け取った消費税をそのまま納税するのではなく、そこから仕入れや経費で支払った消費税を控除した額を納めます。
この納税方法を「原則課税」と言い、マンション売却の2年前の課税売上高が5,000万円超の事業者は必ずこの方法で納税額を求める必要があります。

反対にマンション売却の2年前の課税売上高が5,000万円以下の場合は「簡易課税」を利用して消費税の納税額を計算することができます。
簡易課税とは仕入れや経費で支払った消費税の額を考慮せず、課税売上とみなし仕入率だけで納税額を計算できる制度です。
業種ごとのみなし仕入れ率は以下の通りです。

事業区分 みなし仕入れ率 

該当する事業

第1種事業 

 90% 

卸売業

第2種事業

 80% 

小売業

第3種事業

 70%

農業・建設業・製造業

第4種事業

 60% 

飲食店業

第5種事業

 50% 

サービス業

第6種事業

 40% 

不動産業

(参考:No.6509 簡易課税制度の事業区分

納税額を簡単に割り出せるため、課税売上高が5,000万円以下の中小事業者は簡易課税制度を利用するケースが多いでしょう。
簡易課税制度を利用する場合は、税務署に届け出をする必要がある点に注意しましょう。


実際に売れる価格がいくらなのか、不動産のプロが査定額をお伝えします。ご状況に合わせて最適な売却の進め方をご提案し、不動産会社をピックアップしてご紹介します。
 

マンション売却にかかる消費税の納税方法

ここではマンション売却で消費税が発生した場合の、納税方法について解説します。


売却した翌年に確定申告を行う

消費税を納付するには、売却した翌年に確定申告を行う必要があります。
個人事業主の場合は売却した翌年の3月31日までに、法人は決算期末から2か月以内に申告します。
また個人事業主の場合は前年、法人の場合は前事業年度の消費税額が48万円を超える場合は、中間申告書の提出と中間納付が必要です。


定められた期間内に消費税を納付する

確定申告を行った後は実際に消費税の納付をします。
納付は以下のような方法でできるので、自身に合った方法を選びましょう。

  • 税務署窓口での現金支払い
  • 口座引き落とし
  • クレジットカード決済
  • コンビニでの納付
  • e-Taxでのダイレクト納付

申告や納付の期限に遅れてしまうと滞納となり、ペナルティが課される場合があるので注意が必要です。


マンション売却と消費税の関係を理解して資金計画を進めよう

マンションの売却に消費税が課税されるかどうかは条件によって異なります。

消費税が課税される場合でも、納税義務があるのは基準期間における課税売上高が1,000万円以上の課税事業者のみで、1,000万円以下の免税事業者には納税義務はありません。
事業に利用していたマンションを売却する前には、消費税が課税されるのか、納税義務はあるのかどうかを把握しておきましょう。
消費税が課税される場合はその分を加味した売却価格を設定することが大切です。

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参考:売却前に必見!マンション売却で後悔しない準備のコツと注意点とは?|不動産投資の教科書

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