マンション売却を検討する際、実際に手元に残る「手取り額」を把握することは非常に重要です。売却時には仲介手数料や税金などの諸費用が発生するため、売却価格がそのまま収入になるわけではありません。まずは不動産会社の査定を受けるとともに、事前に手取り額をシミュレーションしておくことが、計画的な住み替えや資産整理につながります。本記事では、マンション売却時の手取り額の計算方法や諸費用の内訳、査定の活用方法、手取りを少しでも多く残すためのポイントを分かりやすく解説します。
更新日:2026年06月18日
イエシルコラム編集部
株式会社リブセンス
IESHIL編集部東京・神奈川・千葉・埼玉の中古マンション価格査定サイトIESHIL(イエシル)。 イエシルには宅建士、FPなど有資格者のイエシルアドバイザーが所属。ネットで調べてわからないことも質問できるイエシル査定サービスを展開しています。イエシルは東証上場企業である株式会社リブセンスが運営しています。
マンションを売却したいと考えたとき、「相場はどのくらい?」「税金や手数料は、かかるの?」「手取りはいくら残る?」と不安に感じる方は少なくありません 。
特に、実際の手取り額がいくら残るのか、具体的なシミュレーションを知りたいと感じるのも当然のことです。
一方で、「プロにきちんと査定してもらいたいけど、しつこく勧誘されないか不安……」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで本記事では「マンションの売却価格相場の調べ方」や「どんな税金がいくらほど発生するか?」「手取りを多くするための方法(節税対策など)」「無料の自動シミュレーションサイトを利用する際の注意点」について、ご紹介します。
マンションの売却価格相場の調べ方には、いくつかの方法があります。近年は インターネットで簡単に情報が集められるので、その中でも主な相場の調べ方を5つ紹介します。
(手軽さ★☆☆/正確さ★★☆)
土地総合情報ライブラリは国土交通省が運営しているシステムです。国土交通省が、不動産市場の信頼性や透明性を高める目的で設置しているため信頼度は高いです。
時期・種類(マンションなど)・地域あるいは最寄り駅を選択して見たい物件を絞れます。マンションに限らず、土地や土地付き建物の取引相場を確認しましょう。
(手軽さ★★☆/正確さ★★☆)
レインズマーケットインフォメーションは、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営する、一般消費者向けの不動産取引価格情報サイトです。
物件の所在地は都道府県や地域単位までで、マンション名や詳細な住所は公開されていませんが、実際に成約した不動産の取引価格を確認できます。
不動産会社が登録した実際の成約データをもとにしているため、売り出し価格ではなく「実際に売れた価格」を把握できる点が特徴です。民間の不動産ポータルサイトと比べても、価格情報の信頼性が高いため参考データとして活用できます。
(手軽さ★★☆/正確さ★☆☆)
東京カンテイが全国の不動産状況を、天気図に例えて表現して毎月公表しています。
価格動向は「晴・薄日・曇り・小雨・雨」とユニークな表現です。不動産相場を初めて調べる方にも、簡単に不動産傾向が見られるでしょう。
(手軽さ★★☆/正確さ★☆☆)
不動産ポータルサイトでは、売却したい物件と同じエリアや駅からの徒歩数・築年数・専有面積など近しい物件を参照できます。
掲載されている物件は特殊な事情がない限り、相場範囲内に設定されているので、自分と同じマンションが掲載されている可能性もあるので確認しましょう。
注意点としては、ポータルサイトの価格はあくまで販売中(まだ買い手が決まっていない状態)の物件の価格です。
実際には、申込時に値下げ交渉が入ることは珍しくなく、且つ売却が長期化した場合値下げをするケースも多いため、成約時の価格とは多少ブレが生じます。
(手軽さ★★☆/正確さ★★★)
不動産会社を探す前に、中立的な立場の不動産アドバイザーに相談できるサービスを利用する方法もあります。
イエシルは不動産のプロ、イエシルアドバイザーへオンラインで無料相談ができます。不動産会社に属さない立場から、営業色の無い中立的な売却適正価格を算出してくれるだけでなく、「今売却するべきか」「税金の注意点は?」などの疑問に対しても個別事情に合わせたアドバイスが受けられます。
マンション売却時には、手数料や税金がかかります。
下記の5つを確認しましょう。
抵当権抹消費用(登録免許税/司法書士報酬)
住宅ローン一括返済費用(住宅ローンの残債がある場合)
ひとつずつ詳しく説明します。
| 売却価格 | 仲介手数料 |
| 200万円以下の場合 |
売却価格の5%+消費税 |
| 200万~400万円以下の場合 |
売却価格の4%+2万円+消費税 |
| 400万円以上の場合 |
売却価格の3%+6万円+消費税 |
※800万円以下の物件については、通常の計算式に関わらず、最大33万円(税込)の手数料が発生する特例があります。なお、この特例を適用する場合は、媒介契約の締結時に、報酬額について説明したうえで、依頼者の合意を得ることが必要とされています。
| 売却額 | 印紙代 |
| 10万円~50万円 | 200円 |
| 50万円~100万円 |
500円 |
| 100万円~500万円 |
1,000円 |
| 500万円~1,000万円 |
5,000円 |
| 1,000万円~5,000万円 |
10,000円 |
| 5,000万円~1億円 |
30,000円 |
| 1億円~5億円 |
60,000円 |
| 5億円~10億円 |
160,000円 |
| 10億円~50億円 |
320,000円 |
| 50億以上 | 480,000円 |
登録免許税は「所有権移転登記」と「抵当権抹消登記」の手続きを行うときに必要な費用です。
「所有権移転登記」とは、売買や相続により土地や建物が移転した時に行う際にかかる費用のことです。通常は買主が負担するため、売却時にはかかりません。
一方、「抵当権抹消登記」とは、売却時にローンを完済して、登記謄本から抵当権(金融機関から住宅ローンを借りた際に担保として設定されるもの)を抹消する際に発生する費用です。通常売主が負担するため、住宅ローンの残債がある場合にはかかります。自分で手続きを行う場合の登録免許税は「不動産の個数(土地・建物それぞれ1件ずつカウント)× 1,000円」です 。ただし、金融機関との調整や書類の確認など実務が複雑なため、司法書士へ手続きを委託するのが一般的です。 司法書士に頼む際は、手数料として司法書士に1~2万前後支払います。
譲渡所得税 は売却によって利益が出た場合に発生する税金です。計算方法は下記の通りです
【譲渡所得=不動産の売却価格-(取得費+譲渡費用)-特例控除】
譲渡所得に税率をかけた金額が課税額になります。
税率は不動産を所有する期間によって異なり、5年以下は短期譲渡所得、5年を超えると長期譲渡取得の税率で計算します。
| 所有期間 | 所得税 | 復興特別所得 | 住民税 | 税率合計 |
| 短期譲渡所得 | 30% | 0.63% | 9% | 39.63% |
| 長期譲渡所得 |
15% | 0.315% | 5% | 20.315% |
取得費=上記を合計した金額から、建物の減価償却費(※)を差し引いた金額
※減価償却費相当費の計算方法は下記の通りです。
【減価償却費相当費=建物購入価格×0.9×償却費×経過年数】
譲渡費用は売却した(譲渡した)時にかかった費用です。下記を参考にしてください。
詳しくは【国税庁:No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)】をご確認ください。
手数料は、数千円から数万円ほどです。各金融機関によって手数料は異なりますので契約書を確認しましょう。
不動産会社といっても、得意な分野(購入or売却、投資or実需)や得意なエリアなどがあったりと様々です。
自身の物件の特性・希望の売却条件に沿った不動産会社選びが重要になります。
仲介手数料の引きは一見魅力的ですが、フタを開けてみると、集客(購入者を集めるためのチラシ・DM作成・配布やネット掲載など)にかけるコストが少ないケースがほとんどで、結果的に販売の長期化や値下げせざるを得ない事態を引き起こしがちです。
しっかりと各社の売却プラン(どういう戦略で自物件を宣伝し買い手を集客するのか)を比較し選定するのが重要です。
仲介手数料無料・値引きの仕組みや注意点については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
【一見お得な「仲介手数料無料」のデメリットと注意点を解説】
情報格差(不動産会社とエンドユーザーの間)があるといわれる不動産業界。その結果、「囲い込み」や「高取り」といった悪しき慣習がなかなか無くならないのが実情です。
自分ひとりだとそういった「不誠実な」不動産会社を見極めるのは難しいため、相応の知識や情報収集が不可欠になります。
イエシル査定では、不動産会社を紹介する際、過去の売却実績やユーザーアンケートにもとづいて評価の高い担当者を厳選して紹介しています。さらに、紹介後も担当アドバイザーがお客様を継続的にフォローするため、「囲い込み」や強引な営業などのトラブルに巻き込まれるリスクを抑えながら、安心して売却活動を進めることが可能です。
売却活動を有利に進める上で、周辺のライバル物件(競合)の存在は重要なチェックポイントです 。
同じエリアに似たような間取りや築年数の物件が売りに出されている場合は、価格設定が強気すぎると買い手が見つかりにくくなります。
しかし、安易に値下げするだけでなく、競合が売れるのを待って時期をずらすといったタイミングの戦略も有効になることがあります。市場の需給バランスを正確に見極めるのは専門知識が必要なため、プロに意見を求めると安心です。
不動産を売却した際にかかる税金には様々な特別控除や特例があります。うまく活用すれば税金を抑えられる可能性があります。
主な特別控除と特例は下記の4つです。ひとつずつ詳しく説明します。
売却時に住んでいなくても、住まなくなって3年経過する年の年末まで控除対象です。
参考:国税庁 マイホームを売ったときの特例
この軽減税率の特例は、3,000万円特別控除と併用可能です。
参考:国税庁 マイホームを売ったときの軽減税率の特例
この特例は、税金を先延ばしするだけで免除される訳ではないので注意しましょう。
また、3,000万円特別控除と軽減税率の特例はどちらかひとつしか併用できません。
現時点では「令和7年12月31日までに売ったとき」が対象となっていますが、住宅の買い替え特例は、これまでも2年ごとの延長を繰り返してきた歴史があり、今回も令和9(2027)年末までの延長(+災害リスクエリアの除外ルール追加)が検討されています。参考:令和7年12月国土交通省:令和8年度税制改正概要
買い替えを検討している方にとっては追い風となる可能性がありますが、「現在進めている売却で実際に特例が適用されるか」については、制度改正の施行タイミングによって扱いが異なる場合があります。
後から「適用できると思っていたのに対象外だった」という事態を防ぐためにも、実際に売却を進める際は、事前に税務署(資産税担当)や税理士へ確認したうえで進めることをおすすめします。
不動産売却は、相続開始した日から3年を経過する年の12月31日までに行う必要があります。
ネット検索などで出てくる「マンション売却の自動シミュレーション」は、あくまで「参考価格」と考えておくのがよいでしょう。
自動シミュレーションで正確な金額を出すことは実際には難しく、プロに査定してもらう必要があります。
しかし、訪問査定では不動産会社が実際に物件を見て査定するため、査定期間が1〜2週間程度かかるケースもあります。机上査定(簡易査定)であっても、人の手で査定するため、すぐに結果が出るとは限りません。
売却を検討し始めたばかりで、まずいくらくらいで売れるのかを知りたい場合は、イエシルアドバイザーに価格の個別算出を依頼するのがおすすめです。無料で不動産のプロに直接相談できるので安心です。
シミュレーションサイトの一括査定をすると、「複数の不動産会社から営業電話が続いた」という声は実際に少なくありません。
マンションを売却するのに、まずは大まかな査定額を知りたいと思う方が多いのではないでしょうか。
しかし、一括査定サービスでは複数の不動産会社へ同時に情報が共有されるため、査定依頼直後から電話やメールで営業連絡が来るケースがあります。
中には、営業電話ばかり増えてしまい、落ち着いて比較検討できなかったというケースもあるため注意が必要です。
【体験談】「60秒で一括査定」をやってみた。初心者が知るべき注意点と不動産会社の選び方
マンション売却にあたり「一括査定」が不安な場合は、不動産売却において中立的な立場のサービスに頼りましょう。
イエシルは、中立の立場で不動産売買をサポートするサービスです。
アドバイザーによる無料相談もあるので、不動産会社に行く前の不安を解決することができます。
まずはイエシルに個別での適正価格の算出を依頼し、アドバイザーから高値売却のコツを聞いてみることがおすすめです。
株式会社フィルライフ・イエシルアドバイザー。宅建士・FP2級
【仲介歴15年/相談2500件超】大手仲介会社の責任者を経て、現在はイエシルアドバイザーとして中立の立場からマンション売却・購入のご相談を受け、本音のアドバイスを届けています。業界の裏側を知り尽くした知見で、居住用から投資用まで、不動産売買という大きな決断をサポートしています。
イエシルコラム編集部
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