【2026年6月発表:最新版】首都圏マンション市場に変化の兆し?成約㎡単価が73ヶ月ぶりに下落した背景にある東京23区の動きとは

2026年5月の首都圏中古マンション市況を解説。成約件数の減少、成約単価の下落、売り出し価格との開き、金利上昇や建築費高騰の影響を踏まえ、売却・購入時に確認したいポイントを紹介します。

更新日:2026年06月24日

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東京・神奈川・千葉・埼玉の中古マンション価格査定サイトIESHIL(イエシル)。 イエシルには宅建士、FPなど有資格者のイエシルアドバイザーが所属。ネットで調べてわからないことも質問できるイエシル査定サービスを展開しています。イエシルは東証上場企業である株式会社リブセンスが運営しています。

この記事の要点
  • 東京23区の成約件数は減少したものの、周辺エリアでは取引が増加
  • 全エリアで成約㎡単価上昇も、23区の成約件数減少が響き、首都圏全体の成約単価は73か月ぶりに下落
  • 日銀が政策金利を1%に引き上げ、無理のない返済計画の重要性が高まる
  • 建築コスト上昇を背景に、修繕費や維持費も含めた資金計画が重要に

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TOPICS1:首都圏全体の成約件数は2か月連続で減少。東京23区の大幅な減少が周辺エリアの増加を相殺

2026年5月の首都圏中古マンションの成約件数は、3,709件(前年比-3.4%)でした。4月に続いて2か月連続の減少です。
数字だけを見ると大きな落ち込みというより、「前年までの高い伸びが一服し、取引量がやや落ち着いた」と捉えられるかもしれません。
2026年5月の首都圏中古マンションの成約件数のグラフ

データ出典:東日本不動産流通機構「月例速報MarketWatchサマリーレポート

しかし、ここで注目したいのは、エリアによって動きが異なっている点です。
東京23区は1,452件(前年比-17.9%)と大きく減少しました。

一方で、東京23区以外では、すべてのエリアで成約件数が前年を上回っています。 

  • 東京都多摩:367件(前年比+2.2%)
  • 埼玉県:473件(前年比+6.3%)
  • 千葉県:445件(前年比+19.9%)
  • 横浜・川崎市:691件(前年比+6.0%)

  • 神奈川県他:281件(前年比+14.2%)

特に千葉県や神奈川県他では、前年同月比2桁増加しています。

首都圏全体の成約件数が前年を下回った主な要因は、取引ボリュームの大きい東京23区での減少にあると考えられます。

特に「千葉県」や「神奈川県他」エリアでは、前年同月比で2桁の増加となりました。首都圏全体では成約件数が減少しているものの、「中古マンション市場全体が一様に弱くなっている」とまでは言い切れません。

価格水準の高い東京23区では、買い手が慎重になりやすい一方で、比較的予算に手が届きやすい周辺エリアでは取引が続いている構図が見えてきます。

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TOPICS2:成約㎡単価は73か月ぶり下落、エリアごとの価格水準や取引動向を分けて見ることが重要

成約㎡単価と在庫単価の推移グラフ
データ出典:東日本不動産流通機構「月例速報MarketWatchサマリーレポート


  • 成約㎡単価:80.78万円/㎡(前年比-3.9%)

  • 新規売出し物件の㎡単価:112.67万円/㎡(前年比+22.3%)

  • 在庫㎡単価:114.40万円/㎡(前年比+28.8%)

2026年5月の首都圏中古マンション市場では、成約㎡単価が下落に転じる一方で、新規売出し物件の㎡単価や在庫㎡単価は2桁台の上昇と、高い水準を維持しています。
つまり、「売り出し側の希望価格」と、「実際に成約している価格」の差がよりいっそう広がっている状況です。
売り手が強気の価格設定を続ける一方で、買い手側は価格に対して慎重になり、条件に合う物件を見極める姿勢が強まっていると考えられます。 

エリア別の成約㎡単価は下記の通りです。

  • 東京23区:131.24万円/㎡(前年比+2.0%)
  • 東京都多摩:57.90万円/㎡(前年比+7.4%)
  • 埼玉県:46.17万円/㎡(前年比+9.7%)
  • 千葉県:40.19万円/㎡(前年比+0.6%)
  • 横浜・川崎市:65.98万円/㎡(前年比+6.4%)
  • 神奈川県他:45.02万円/㎡(前年比+2.9%)

首都圏の成約㎡単価が前年を下回りましたが、エリア別に見ると、すべての地域で前年比プラスとなっています。

一見すると矛盾しているようなこの現象の背景には、TOPICS1でお伝えした東京23区における成約件数の減少があります。各エリアの価格水準は前年比で上がっているものの、取引ボリュームが大きく価格も高い東京23区の成約件数が落ち込んだことで、首都圏全体の成約㎡単価が引き下げられる結果となりました。

高値を受け入れられる買い手は徐々に絞られている可能性があります。対して、神奈川・埼玉・千葉などの周辺エリアでは、都心部と比べた価格面の手が届きやすさを背景に、取引が続いている様子が見られます。

この点からも、首都圏全体の数字だけで市場を判断するのではなく、エリアごとの価格水準や取引動向を分けて見ることが重要です。

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TOPICS3:日銀が政策金利を1%に引き上げ、住宅ローンと売買判断に広がる影響をどう見るか

2026年6月16日の日本経済新聞は、日本銀行が金融政策決定会合で政策金利を0.75%程度から1.0%程度へ引き上げたと報じました。利上げは賛成多数で決定され、政策金利は1995年以来の高い水準となりました。背景には、物価上昇が続くなかで、金融緩和の度合いを調整する必要があるとの判断があります。

住宅市場にとって、金利の上昇は住宅ローンの借入環境に影響しやすい重要なテーマです。特に変動金利を選ぶ場合、現在の返済額だけでなく、将来の金利上昇によって返済負担がどの程度変わるかを確認する必要性が高まります。

一方で、金利上昇は必ずしも購入や売却を止める理由になるわけではありません。借入額、自己資金、物件条件、住み替え時期などを整理しながら、無理のない資金計画を立てることが大切です。金利環境が変化する局面では、「いくら借りられるか」だけでなく、「無理なく返し続けられるか」という視点が、これまで以上に重要になっていくでしょう。

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TOPICS4:資材費高騰と人手不足が建設業界の深刻な課題に。住まい選びは建物の維持力も焦点に

近年の建設業界では、資材費の高騰と人手不足が深刻な課題となっています。円安などを背景とした原材料価格の上昇に加え、現場作業員の不足が各社の収益を圧迫しているのが現状です。
さらに、緊迫化する中東情勢に起因する資材の高騰や供給不安も、建設現場の負担をいっそう重くする要因となっています。

この動きは、新築住宅や再開発物件だけでなく、中古マンション市場にも関係があります。建築費や人件費が上がると、新築供給に影響が出るだけでなく、大規模修繕や設備更新にかかるコストにも波及しやすくなります。

そのため、今後のマンション選びでは、立地や築年数だけでなく、管理組合の運営状況、修繕積立金、長期修繕計画、過去の修繕履歴なども重要な判断材料になります。
建築費が上がりやすい環境では、建物が今後も適切に維持される体制にあるかどうかが、住まいの安心感や資産性を考えるうえで、より重視されるでしょう。

まとめ:市場の変化を見極めながら、売却・購入の判断を

2026年5月の首都圏中古マンション市場は、成約件数が2か月連続で減少し、成約㎡単価も73か月ぶりに前年同月を下回るなど、これまでの強い上昇基調に変化が見られる月となりました。特に東京23区では成約件数の減少が目立ち、価格水準の高さを背景に、買い手がより慎重に物件を選ぶ動きが強まっていると考えられます。
一方で、東京都多摩、埼玉県、千葉県、神奈川県では成約件数が前年を上回っており、首都圏全体が一様に弱含んでいるわけではありません。都心部と周辺エリア、売り出し価格と成約価格、さらに金利や建築費の動向など、複数の要素が絡み合いながら市場環境は常に変化しています。だからこそ、全体平均だけで判断するのではなく、エリアや物件ごとの動きを丁寧に見ることが重要です。

売却を検討している方

「相場が高いから強気に売り出せばよい」と考えるだけでなく、実際に成約している価格とのギャップを確認することが大切です。特に成約件数が減少しているエリアでは、買い手の目線が厳しくなっている可能性があります。周辺の成約事例や競合物件の価格、物件の管理状態などを踏まえ、売り出し価格や売却時期を柔軟に見直すことが、納得感のある売却につながります。


購入を検討している方

価格や金利の変化を不安材料として見るだけでなく、在庫件数も増えてきているため選択肢を冷静に比較しやすい局面ともいえます。売り出し価格と成約価格に開きがある状況では、希望条件に合う物件を見極めながら、価格交渉や資金計画を含めて検討する余地があります。また、建築費や修繕コストが上がりやすい環境では、立地や価格だけでなく、修繕積立金、長期修繕計画、管理状況なども確認しておくと安心です。

不動産売買の判断では、市況の流れを把握することも大切ですが、最終的には「どの物件を、どのタイミングで、どの条件で売買するか」という個別事情が大きく影響します。所有しているマンションの今の妥当価格を知りたい方や、購入を検討している物件の判断に迷っている方は、イエシル(IESHIL)の査定やアドバイザー相談を活用し、データと専門家の視点をもとに検討を進めてみてはいかがでしょうか。
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