マンション売却の流れとは?手続きや書類、費用、売却のコツを紹介

この記事ではマンションの売却を考えている方に向けて、売却の流れや必要な費用、売却のコツや売れない場合の対策を紹介します。

更新日:2022年10月21日

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イエシルコラム編集部

株式会社リブセンス

IESHIL編集部

東京・神奈川・千葉・埼玉の中古マンション価格査定サイトIESHIL(イエシル)が運営。 イエシルには宅建士、FPなど有資格者のイエシルアドバイザーが所属。ネットで調べてわからないことも質問できるイエシル査定サービスを展開しています。

マンションの売却を考えているけれど「何から手を付ければ良いかわからない」「初めてのことだし大変そう」と不安に感じている方は多いでしょう。
多くの方にとってマンションの売却は人生で何度も行うものではないため、難しそうに感じてしまうのも当然かもしれません。

しかし実際は、しっかり下調べを行い流れを押さえて準備を進めていけば、スムーズな売却を行うことが可能です。
この記事ではマンションの売却を考えている方に向けて、売却の流れや必要な費用、売却のコツや売れない場合の対策を紹介します。

マンション売却の流れ

まずはマンション売却の全体像を把握していていきましょう。


マンションを売却する際の一般的な流れと手順は、8つのステップにまとめることができます。

  • ステップ1 事前準備  
  • ステップ2 価格査定  
  • ステップ3 不動産会社選び 
  • ステップ4 不動産会社と媒介契約を結ぶ 
  • ステップ5 売却活動開始
  • ステップ6 買主と売買契約を結ぶ
  • ステップ7 決済&引き渡し
  • ステップ8 売却後は確定申告


売却前には資金計画や価格相場の情報収集など、下調べを念入りに行い、不動産会社もしくは査定サービスに申込をし、価格査定をお願いしましょう。

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予算や時期などマンション売却に伴う自分の希望や条件をなるべく明確にしておくことがポイントです。

信頼できる不動産会社が見つかれば契約を結び、売却活動を開始します。
インターネットや広告で販売活動を行ったり、購入希望者の内覧対応をしたりと不動産会社と連携を取りながら進めていきましょう。

買主が見つかったら売買契約を結び、決済と引き渡しを同日に行います。
マンション売却を行った翌年は確定申告をすることを忘れないよう注意しましょう。


いつから始める?売却にかかる期間

マンションの売却には4ヵ月〜半年ほどかかることが一般的です。
売却前の準備や不動産会社との契約に1ヵ月、売却活動に2〜3か月、売却後の引き渡しまでに1ヵ月かかるイメージです。

確定申告は売却した翌年の2〜3月に行いますが、書類の準備などで1ヵ月見ておけば安心でしょう。
もちろん物件を売り出す時期や価格設定など、マンションによって諸条件は異なるので、目安期間から大きな差が出ることもあります。

初めての売却で不安な方は、売却したいと考えている時期の最低でも半年前から準備をスタートすると良いでしょう。


売却に必要な8つのステップ

冒頭で紹介したマンション売却の流れをステップごとに詳しく解説します。
マンション売却を成功させるため、手順ごとのポイントを押さえておきましょう。


ステップ1:事前準備

まずはマンション売却前に行う事前準備です。
スムーズな売却には事前準備を丁寧に行うことが大切です。
ここでは「ローン残債の確認」「価格の相場を調べる」「手続きに必要な書類を確認」の3つの項目について紹介します。


ローン残債の確認

まずは融資元の金融機関に連絡を取り、ローンの残債がいくらか確認しましょう。
ローンが残っているとマンションに設定されている抵当権が抹消できず売却ができないので、売却前に残債を完済しないといけません。
売却代金がローン残債を上回る場合は売却代金で返済することができますが、売却代金がローン残債を下回る場合は自己資金で補わないといけません。
売却準備の段階で今のマンションがいくらで売れそうか相場を調べ、資金計画を立てておくことが大切です。住み替えをする予定で残債がある場合では、住み替えローンを利用することも可能です。とはいえ、住み替えローンは、金利が比較的高めに設定されていたり審査が厳しかったりする場合があるので注意が必要です。

相場価格を調べる

事前準備の段階でマンションの価格相場を調べておきましょう。
相場を知ることで、資金計画を立てたり最低売却価格を考える基準になるので、売却をスムーズに進めることができるでしょう。また査定価格は不動産会社ごとに異なるので、事前に自分で調べておくことで依頼する不動産会社を見極める手がかりにもなります。

まずは簡易的に現在お住いのマンションの価格相場を調べたい場合は、イエシルでマンション名で検索をしていただくことがおすすめです。
イエシルではビッグデータをもとに算出した、マンションの各部屋ごとの参考相場価格がサイト上ですぐ確認できるので、より詳細な情報を知ることができます。

イエシルで参考相場価格を今すぐチェック。マンション名やエリアから検索できます。


手続きに必要な書類を確認

スムーズな売却を行うため、必要な書類の確認をしておきましょう。
マンション売却には、以下の書類が必要となります。

種類 用意する人 取得方法 必要となる場面
身分証明書 売主
市役所等 媒介契約時・売買契約時・引き渡し時
登記済権利証、
または登記識別情報
売主
または仲介業者
売主が保有

媒介契約時・売買契約時・引き渡し時

印鑑証明書および実印 売主 市役所

売買契約時・引き渡し時

固定資産税納税通知書
および固定資産税評価証明書
売主
市役所

売買契約時・引き渡し時

マンションの管理規約 売主または仲介業者
管理会社 売買契約時
マンションの重要事項調査報告書

売主または仲介業者

管理会社

売買契約時

銀行口座書類 売主
金融機関 引き渡し時

必要書類を確認し、揃えられるものから早めに準備を進めていきましょう。 上記の表で用意する人が「売主または仲介業者」になっているものは、依頼する不動産会社に確認しましょう


ステップ2:価格査定

事前準備が終われば不動産会社に価格査定を依頼します。
査定価格は不動産会社によって異なるので必ず複数の会社に依頼するようにしましょう。
1社だけで決めてしまうと、売り出し価格を高くしすぎて売れなかったり安くしすぎて損をしてしまったりするリスクがあります。いくつかの査定を取り、売り出し価格や資金計画を一緒に考えていける相性の良い不動産会社を探しましょう。
価格査定はインターネットの不動産一括査定サービスを利用して複数の業者に査定を依頼をする方法があります。しかし、各社から営業電話が来て、対応に追われてしまうというデメリットもあります。
イエシルでは、不動産仲介営業経験10年以上のプロ(イエシルアドバイザー)が、価格を個別で査定するサービスも提供しています。価格の算出根拠をご説明する際に、ご希望の方には不動産会社を最大4社までご紹介しています。
各社への査定依頼や相談日程の調整などもアドバイザーが代行するため、複数業者とのやりとりの手間が省けることも特徴のひとつです。
価格査定の方法には、ほかに不動産会社に直接依頼する方法もありますが、どちらにしても後述の「適正価格の見極め」が重要です。
不動産の専門家であるイエシルアドバイザーが中立的な立場で、相場価格をお伝えします。
 

ステップ3:不動産会社選び

査定価格や担当者との相性を考慮しながら媒介契約を結ぶ不動産会社を選びます。
選ぶ際は査定価格にはっきりとした根拠があるか、相場から離れすぎていないかをチェックしましょう。根拠の確認方法は、イエシルアドバイザーがご相談時に丁寧にお伝えいたします。 
担当者については、経験や対応の仕方など今後マンション売却を一緒に進めていくに当たって信頼できるかどうかがポイントです。


ステップ4:不動産会社と媒介契約を結ぶ依頼する

不動産会社を決めたら媒介契約を結びます。売買契約の種類と特徴を以下の表にまとめました。

 
種類 複数業者と契約 自己発見取引 現状の報告義務
専任媒介契約 × 2週間に1回
専属専任媒介契約 × ×

1週間に1回

一般媒介契約 任意

専属専任媒介契約が最も手厚くサポートしてもらえますが、自由度が低くなるデメリットがあります。
一方で一般媒介契約は最も自由度が高く、サポートは他の種類に比べると手薄になるでしょう。
専任媒介契約はちょうど間のイメージです。
媒介契約はそれぞれの特徴を踏まえ、自分に合ったものを選びましょう。


ステップ5:売却活動開始

不動産会社と媒介契約を結んだ後は、本格的にマンションの売り出し開始です。
不動産会社と連携を取りながら、インターネットやチラシなどの広告を駆使し、購入希望者を探します。 興味を持った方から問い合わせがあれば、日程を調整して内覧を行います。
内覧の印象は購入の決め手になるほど大きな影響があるので、当日の対応や室内の掃除など気持ちよく見学してもらえるよう気を配りましょう。
内覧対応については「スムーズに売却するコツ」の項目で詳しく紹介します。



ステップ6:買主と売買契約を結ぶ

購入希望者と売買の同意を得ることができれば、売主と買主で売買契約を結びます。
契約のキャンセルには費用がかかるので、押印する前に契約書を隅々まで確認しておきましょう。
売却後のトラブルを避けるため、雨漏りやシロアリ被害など建物に瑕疵がある場合は必ず申告しておくことが必要です。
売買契約を結ぶ際には買主から手付金(10%程度)を受領することが一般的です。
またこのタイミングで不動産会社に仲介手数料の半額を支払うので、資金の準備もしておきましょう。


ステップ7:引き渡し&決済

売買契約が完了すると、概ね1ヶ月程度で物件の引き渡しと決済を行います。
引き渡しは売主と買主、不動産会社、司法書士、売主と買主の銀行担当者が一堂に会して行うことが一般的です。
売主から買主へは鍵の受け渡し、買主から売主へは代金の支払いを行います。
住宅ローンが残っている場合は銀行担当者を通じてローン残債の清算を行い、その場ですぐに司法書士に登記手続きを行ってもらいます。
売主は不動産会社へ仲介手数料の残額を支払い、マンションの売却は完了です。


ステップ8:売却後は確定申告

マンションの売却で利益が出た場合は、必ず確定申告をしましょう。
不動産の売却で生じる利益は譲渡所得と呼ばれ、以下の式で算出できます。

譲渡所得 = 譲渡価格 - 取得費 - 譲渡費用

譲渡費用がプラスの場合は税金が発生し、確定申告をしないと控除や特例が使えなくなります。
売却した翌年の2月16日〜3月15日までの一か月の間に確定申告書を作成し、税務署に提出しましょう。


マンョン売却にかかる費用

マンションの売却では不動産会社への仲介手数料など様々な費用がかかります。

一般的には売却額の5 〜 7%の費用がかかるとされています。
具体的には以下のような費用が必要です。

費用

 金額の目安

仲介手数料

(売却価格(税抜)×3%+6万円)+消費税

住宅ローンの一括返済手数料

 1万~3万円程度(金融機関によって異なる)

登記費用

 5000~4万円(司法書士への手数料含)

印紙税

 5000~3万円程度(売却価格によって異なる)

所得税

保有期間が5年以下:譲渡所得の30%

保有期間が5年超:譲渡所得の15%

住民税

保有期間が5年以下:譲渡所得の9%

保有期間が5年超 :譲渡所得の5%

復興特別所得税

保有期間が5年以下:譲渡所得の0.63% 

保有期間が5年超 :譲渡所得の0.315%

その他費用(引っ越し、ハウスクリーニング等)
 数万円~数十万円程度(内容によって異なる)


マンションの売却には諸費用がかかることを念頭に置き、資金計画を立てましょう。


スムーズに売却するコツ

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ここまで、マンション売却の流れや費用について詳しく紹介してきました。 マンションの売却では下調べを丁寧に行い、資金計画を立て、不動産会社と二人三脚で進めていくことが大切です。 売却を考えている方の中には「本当に売れるのか」不安を感じている方もいるかもしれません。 ここでは少しでもマンションの売却をスムーズに進めるためのコツを紹介します。

適正価格を見極める

マンションの売り出し価格の設定は、スムーズな売却を行うためには非常に重要なポイントです。
売り出し価格が高すぎると、売却が長引いたり、最終的に不本意な値引きをせざるを得なかったりなど納得のいく売却ができない原因になる場合があります。
反対に安すぎる場合では、売却後に後悔することもあるでしょう。そのため不動産会社が出す査定価格が適正かどうかを見極め、丁度よい売り出し価格を設定することが大切です。

適正価格を見極めるために、イエシル査定サービスを利用しましょう。
イエシルでは、サイト上で確認できる部屋別参考価格だけでなく、不動産のプロであるイエシルアドバイザーに査定を依頼することが可能です。
AIで算出したサイト上の参考相場価格とは違い、リフォームやリノベーションの有無や部屋の状況なども加味してプロが個別に売却価格を査定します。またイエシルは不動産仲介業を行っていないため、物件を預かりたいという営業要素がなく、第三者の中立的な立場で価格を提示できることも大きな特徴です。

イエシル査定で適正価格を知る


室内の清潔感&ニオイに注意

内覧時の室内の様子や対応は、購入希望者の決断に大きく影響します。 内覧当日は室内をすっきりと片付け、清潔感のある印象を持ってもらえるよう意識しましょう。
水回りなどは、ハウスクリーニングを依頼してプロに任せるのも良いかもしれません。
掃除をする際にはペットやたばこなどのニオイにも注意しましょう。 
自分では気づかない部屋のニオイもあるので、除菌消臭スプレーをしたり換気を十分に行っておくことも大切です。内覧当日は家中の照明をつけ、カーテンを空けておくことで明るい雰囲気の部屋になるので好印象に繋がります。


土日・祝日の予定を空けておく

売却活動中はなるべく土日・祝日の予定は空けておくようにしましょう。
内覧は土日・祝日を希望される方が多いため、予定を入れてしまうとスケジュールがなかなか合わずせっかくのタイミングを逃してしまう可能性があります。
内覧希望者が現れたらすぐに対応できる状態にしておくことがスムーズな売却に繋がります。
内覧対応では笑顔を忘れず、丁寧な対応を心掛けましょう。
実際に生活しているからこそわかる物件の住み心地や周辺環境、治安などを伝えるとより具体的なイメージを抱いてもらいやすくおすすめです。


売れない場合はどうする?

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スムーズに売却するコツを紹介しましたが、そもそも内覧希望者が現れなかったり売れる気配がない場合はどうすればい良いのでしょうか。
ここではマンションの売却活動を始めたけれどなかなか売れない場合の対応について紹介します。


価格を再検討する

マンションが売れない場合、売り出し価格が適正ではない可能性があります。
売り出して3ヵ月経っても問い合わせがなければ、売り出し価格が相場より高いのかもしれません。
購入希望者は周辺の同じようなマンションの相場を調べた上で物件を探しているため、相場よりあまりにも高すぎると候補に入れてもらえなくなります。

なかなか売れずに価格を再検討する際は、不動産会社の担当者に効果的な値下げのタイミングや値下げ額を相談しましょう。



広報活動の見直し

価格が適正であるにも関わらず問い合わせや内覧の申し込みがない場合は、広報活動を見直してみましょう。一般的に物件の宣伝はインターネットやチラシを通して行いますが、物件の魅力をうまく伝えられていないと購入希望者の目に止まらない可能性があります。
不動産会社の担当者にどのような宣伝を行っているかを確認し、マンションの魅力をよりアピールできるよう工夫してみましょう。
自然光を取り入れた明るい雰囲気の写真を多く掲載したり、周辺環境を詳しく紹介したりすると効果的です。



不動産会社に買い取ってもらう

なかなかマンションが売れず、どうしても早く売ってしまわないといけない事情がある場合は不動産会社に買い取ってもらう方法もあります。
ただし、この方法は売却価格が仲介での売却に比べ75~85%程度の金額になるというデメリットがあるので注意が必要です。
買主を探す手間が省けてすぐに売却ができるというメリットもあるので、築年数が古すぎて売却が難しそうな物件やすぐに手放したい理由がある方は、不動産会社に買い取りを依頼してみても良いかもしれません。


マンション売却の流れを把握して計画を固めよう

マンション売却の流れや費用、売却のコツなどを詳しく紹介してきました。 マンションの売却は全体の流れを把握し、事前準備をしっかりと行うことが大切です。 納得のいくスムーズな売却を行うためには不動産会社選びが非常に重要です。
イエシルでは不動産業界のプロが中立的な立場から不動産売買のアドバイスを行っています。 マンション売却に纏わることや不動産会社選びで不安なことがあれば、ぜひイエシルの専任アドバイザーとの無料相談をご利用ください。


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