住宅購入に必要な諸費用とは?購入時に用意すべき現金について

中古マンションは新築物件に比べて価格が安いため、購入を考える人も多いでしょう。 しかし、マイホームを購入する際に必要となる費用は物件価格だけではありません。税金や不動産業者への仲介手数料など、さまざまな費用も必要になるのです。今回は、マンションを購入する際にかかる諸費用をふまえ、準備しておくべき現金の額などについて解説していきます。

更新日:2019年08月28日

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イエシルコラム編集部

株式会社リブセンス

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東京・神奈川・千葉・埼玉の中古マンション価格査定サイトIESHIL(イエシル)が運営。 イエシルには宅建士、FPなど有資格者のイエシルアドバイザーが所属。ネットで調べてわからないことも質問できるイエシル査定サービスを展開しています。

1)住宅購入に関わる諸費用について

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マンションに限らず、住宅を購入する場合は物件価格以外にもさまざまな諸費用がかかります。
物件価格だけを見て購入を決めると、支払いの段階になって資金不足に陥り、困った事態になりかねません。まずは、住宅購入時にかかる諸費用とは何なのか、基本的な知識を身につけておきましょう。

諸費用とは

諸費用とは、住宅購入代金とは別に支払わなければならない税金や手数料などのことです。
マンションはもちろん、戸建て住宅やビル、土地など不動産の売買において、こういった諸費用はほぼ必ず必要になるので準備しておかなければなりません。実際に諸費用がいくらかかるのかは、物件や個々のケースによって異なります。
たとえば、住宅ローンを利用せず現金一括払いで購入する場合、当然ですがローン借入費用はかかりません。
また、友人や知人などから直接住宅を購入する場合、不動産業者に仲介を依頼せずに済むため仲介手数料も不要です。
一概には言えませんが、中古マンションの場合は物件価格の6~8%前後が諸費用として必要になると覚えておきましょう。
物件価格が1000万円の中古マンションだったとすると、諸費用が60~80万円ほどかかる計算です。決して安くない金額なので、あらかじめ計画的に準備しておかなければなりません。

諸費用の支払い方法

諸費用は、基本的に現金で支払うことになります。
住宅ローンを除き、分割支払いや後払いなどはあまり認められないので注意しましょう。
諸費用がいついくら必要になるのか、契約前にしっかり確認して現金を準備できるかどうか考えなければなりません。万が一、期日までに諸費用を支払えなければマンションの購入自体が白紙に戻ってしまう可能性もあるので、慎重に判断しましょう。


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2)中古マンション購入時にかかる諸費用の内訳

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諸費用がどういうものかわかったところで、次はいよいよ中古マンション購入時に必要となる諸費用の内訳について解説していきます。ここで挙げる諸経費はほとんどの中古マンション取引で必要になるものばかりなので、しっかり覚えておきましょう。

印紙税

中古マンションの購入において、まず必要となるのが「印紙税」です。
印紙税とはさまざまな取引において作成される文書にかかる税金で、基本的には所定の印紙を購入し、文書に貼り付けて消印すると納税したことになります。期日までに印紙税を納付しなかったり、文書に貼り付けた印紙に消印がなかったりするとペナルティとして本来の印紙代の3倍となる「過怠税」が課されるので注意しなければなりません。
中古マンションの取引では、住宅ローンの契約書や売買契約書を締結させる際に必要です。
物件価格など契約書に書かれた金額によって税額が異なり、500万円超〜1000万円以下の取引の場合は1万円の印紙税がかかります。1000万円超〜5000万円以下の取引なら2万円、5000万円超〜1億円以下の取引では6万円と、物件価格に応じて高くなるのが特徴です。

登録免許税

中古マンションを購入すると、その所有者は売り主から買い主へと移ります。このように土地や建物の取引によって所有者が変更した場合、新たな所有者を明確にしておくためにも、所有権保存登記や移転登記の手続きを行わなければなりません。「登録免許税」とは、この手続きの際に必要となる税金です。
登録免許税は、基本的に「課税標準×税率」で算出され、中古マンションであれば税率は「1000分の20」、つまり2%となります。
ただし、建物に対して一定の要件を満たせば、税率を「1000分の3」、つまり0.3%まで引き下げる軽減税率の適用を受けることができます。
中古マンションの場合、主な要件は4つです。1つ目は自己居住用であること、2つ目は床面積が50平方メートル以上あること、3つ目はマンション等耐火建築物なら25年以内に新築されたこと、4つ目は取得後1年以内に登記することです。
少しでも諸費用を節約したい場合は、これらの要件に該当する物件を探すと良いでしょう。

住宅ローン借入費用

中古マンションを現金一括ではなく住宅ローンを組んで購入する場合、その借入費用も諸費用のひとつになります。
住宅ローンの借入に関わる費用には、融資手数料や団体信用生命保険料、ローン保証料や住宅ローン契約書にかかる印紙税、抵当権設定登記における登記費用などが含まれます。
融資手数料は、住宅ローンを申し込む金融機関に対して支払う手数料のことです。具体的な金額は、融資額の2%としているケースや金額を固定しているケースなど、金融機関によって異なります。団体信用生命保険料は、契約者が死亡した場合にローンを完済するために加入する保険の保険料のことで、あらかじめ金利に含まれているケースが多いです。
ローン保証料は、契約者が返済できなかった場合に備え、保証会社に支払う保証料です。金額は保証会社ごとに異なり、中には保証料が一切かからないケースもあります。

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不動産取得税

中古マンションを購入する際には、「不動産取得税」も必要です。

不動産取得税とは、売買や贈与などによって土地や建物などを取得した場合にかかる税金であり、中古マンションでは「固定資産評価基準×3%」で算出されます。登録免許税と同じくこちらにも軽減措置があり、中古住宅においては新築した日によって100〜1200万円が固定資産評価基準から控除されます。中古マンションの物件価格や新築された日によっては、控除額が固定資産評価基準を上回り、実質的に不動産取得税がかからないというケースも少なくありません。
なお、軽減措置の適用を受けるには、住宅の床面積が50平方メートル以上240平方メートル以下であること、現行の新耐震基準を満たすことなどの要件があるので注意しましょう。

固定資産税精算金

諸費用のひとつである「固定資産税精算金」は、中古マンションの買い主から売り主へと支払われる固定資産税のことです。固定資産税は1年分がまとめて所有者に課税されるため、1年の途中で売買すると、売り主は自分のものではない期間も税金だけ負担することになってしまいます。

これでは不公平であるため、1年の途中で売買した場合は所有期間を日割り計算し、それに応じた固定資産税を精算金として売り主に支払わなければなりません。精算金は固定資産税に関するものではありますが、あくまでも納税義務を負う売り主に対して支払うものです。このため購入代金の一部としてみなされるケースが多く、代金に加算する場合は別途消費税が発生する可能性もあります。
また、その年における固定資産税の納税義務は売り主にあるため、売り主が精算金を受け取ったにもかかわらず納税しなかったとしても、買い主に納税義務が発生する心配はありません。

仲介手数料

中古マンションを購入する際、不動産業者を通じて手続きなどをした場合は「仲介手数料」もかかります。
仲介手数料は、その名の通り不動産業者が仲介してくれたことに対して支払う手数料のことです。物件価格に対して一定割合の手数料が設定されるケースが多いですが、具体的な金額は各不動産業者によって異なります。
なお、仲介手数料には法律によって「(物件価格✕3%+6万)+消費税」という上限が設けられています。
たとえば、1000万円の中古マンションの場合、不動産業者は1000万円×3%+6万円=36万円に消費税を加えた金額までしか手数料を設定できません。


3)用意しておくべき諸費用の目安

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これまで紹介した諸費用の内訳を参考に、いくら現金を準備しておけば良いのか考えてみましょう。
たとえば、土地評価額が1500万円で建物評価額が2500万円、購入価格が4000万円の中古マンションがあるとします。
この場合、印紙税は売買契約書やローン契約書など合わせて3万円、所有権移転や抵当権設定における登録免許税を含む登記費用はおよそ33万円、住宅ローン借入費用は融資手数料含めて73万ほど必要です。
このほか、固定資産税精算金として15万円、仲介手数料として136万円ほどかかったとします。
これらを合計すると、この中古マンションを購入する際の諸費用は約260万円必要です。購入価格が4000万円なので、諸費用の割合は6.5%という計算になります。
正確な金額は各ケースによって変わりますが、いずれにしても安い金額ではありません。事前に不動産会社などにきちんと確認し、それぞれの内訳を正しく計算して準備しておきましょう。


4)諸費用を支払うタイミング

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諸費用は、それぞれ支払うタイミングが異なります。
たとえば、印紙税は売買契約やローン契約を締結したときに収入印紙を貼り付けることで支払いますし、登録免許税の支払いは実際に登記を行うときです。住宅ローン借入費用はローンを実行するとき、不動産取得税は入居してから支払います。固定資産税精算金は購入代金の決済時にまとめて支払うケースが多く、仲介手数料は物件の引き渡し時に支払うのが一般的です。ただし、不動産業者などによっては支払いのタイミングが一般的なケースとは異なることもあるので、事前に詳しく確認しておきましょう。


5)諸費用に当てる現金が用意できない場合の対処法

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諸費用は住宅購入に際してほぼ必ず必要になるものであり、支払えなければ物件を購入できない恐れもあるため注意しなければなりません。
万が一、現金が準備できない場合は、現金以外の支払い方法も検討してみましょう。
諸費用は基本的に現金支払いですが、金融機関によって支払い方法が異なります。諸費用は高額になることも多いため、住宅ローンのように融資を受けて分割払いできる「諸費用ローン」を取り扱っている金融機関も多いのです。
また、金融機関によっては住宅ローンの中に諸費用を組み込むこともできるので、不安な場合は問い合わせてみると良いでしょう。


6)中古マンションの購入に関する費用を抑えるポイント

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中古とはいえ、住宅は人生で一番と言われることもある高い買い物です。
少しでも費用を抑えてお得に購入するために、中古マンションの購入にかかる費用を抑えるポイントを紹介します。

住宅ローン減税を利用する

住宅購入に際して、住宅ローンを申し込む人も多いでしょう。
この場合、「住宅ローン減税」を利用して諸費用を抑えられる可能性もあります。
住宅ローン減税とは、住宅を購入してから所定の期間にわたり、住宅ローンの残高のうち一定割合を所得税額から差し引くという制度です。
中古マンションでも一定の要件を満たせば住宅ローン減税の対象となり、課税額を抑えることができます。
要件は「築25年以内の耐火建築物あるいは築20年以内の耐火建築物以外の物件である」「耐震基準を満たしている」「贈与された家ではない」「生計を一にする親族から購入していない」の4つです。
どれか1つでも要件を満たしていなければ、減税の対象とはなりません。

複数の不動産業者に問い合わせる

中古マンションを探す際、できるだけ多くの不動産業者に問い合わせることも大切です。
異なる特徴を持つ不動産業者に相談することで諸費用を抑える方法について多くの意見を得られますし、仲介手数料やサービス、接客態度などの比較検討もできます。選択肢を多く持っていれば、諸費用を抑えながらより良い物件に出会える可能性も高まるでしょう。
IESHILでは無料のアドバイスサービスを行っており、物件を実際に購入する前から経験豊富なアドバイザーに相談できます。家探しにおいてプロのアドバイスほど役立つものはありません。積極的に利用してみると良いでしょう。


諸費用は事前の準備が大切!無料相談を活用しよう

諸費用は、ある程度まとまった金額が必要になるため、何にいくらかかるのか事前に把握しておくことが大切です。
計画的に現金を準備しなければ、目当ての物件を逃してしまう恐れもあるでしょう。
諸費用について不安がある場合は、マンション購入における無料アドバイスサービスを行っている「不動産アドバイザー」への相談がおすすめです。不動産業界のプロにアドバイスをもらい、安心して購入へと進みましょう。
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