マンションは管理を買え!の真相に迫る。

マンションを購入したら、自動的にマンション管理組合に所属する事になります。そんなマンション管理組合とはどんなお仕事をする組織なのか?そしてマンション管理会社を見極めるためのポイントについてを紹介していきます。そして資産価値にも繋がるマンション管理状態の確認事項などについてを紹介していきます。

更新日:2019年08月05日

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イエシルコラム編集部

株式会社リブセンス

IESHIL編集部

東京・神奈川・千葉・埼玉の中古マンション価格査定サイトIESHIL(イエシル)が運営。 イエシルには宅建士、FPなど有資格者のイエシルアドバイザーが所属。ネットで調べてわからないことも質問できるイエシル査定サービスを展開しています。

この記事の要点
  • マンションは管理を買え!とはどういう事なのか?
  • マンション購入前に注意したいマンション管理状態のポイント
  • マンション管理組合とは?
  • マンション管理会社を見極めるいくつかのポイント

マンション、特に中古マンションを購入する際に大きな関心事として挙がるのが、「マンション管理」です。マンション管理はマンションの寿命を左右する非常に重要な事です。

マンション購入をお考えの方の中には「マンションは管理を買え!」という言葉を聞いた事があるのではないでしょうか?

今回の記事ではそんなマンション管理を買え!という言葉の意味と真相に迫ると共に、注意しておきたいマンション管理状況のポイント、管理会社の良し悪しを見極めるポイントなどについてを紹介していきます。今後中古マンションを購入することを検討している人にはおススメの記事です。


“マンションは管理を買え!”の意味と背景とは?

マンションは管理を買え!という言葉はマンション購入の際にしばしば聞く事があるフレーズでしょう。人気が高い中古マンションというのは、管理が行き届いたマンションです。そして管理が行き届いたマンションの資産価値は当然、管理ができていないものよりも高いです。

マンションを購入する際に、購入基準となるものは"駅からの距離、築年数、治安、防災、間取り"など様々な項目から判断します。ですが、管理状況というのは中々見えてこない情報です。

マンションは管理を買え!という言葉は、表に出てこない管理状況をしっかりと確認しておく事を説くような言葉なのです。この記事では、注意しておきたいマンション管理の状況や、契約しているマンション管理会社で注意しておきたいいくつかの項目についてを紹介していきます。


注意しておきたいマンション管理状況4選

マンション管理がずさんだと、資産価値が減少してしまいますが、そうなってしまわないようにいくつか確認しておきたい項目を4つ紹介します。


注意点①設備管理状況

マンションの中には給排水設備が備わっています。給排水設備は貯水タンク、排水槽など給排水を行うための設備です。そんな給排水設備の寿命は一般的に20年とされています。

定期的に管理を行わないと、劣化によって水漏れが発生し、「爆裂現象」を生じてしまう可能性があるのです。爆裂現象とは水漏れが膨張した鉄筋がコンクリートの中の鉄筋を腐食させ、膨張した鉄筋がコンクリートを押し出す現象です。

もし爆裂現象が起こると、給排水が断絶する可能性があります。マンション管理組合が積み立てた修繕費用で追加の防水工事をしなければならないので十分に注意が必要です。

爆裂現象を起こさないためには定期的な給排水設備の管理・メンテナンスを管理会社に委託しておかないといけません。大まかな目安は年間4回とされています。


注意点②共用部分の清掃状況

エントランスやエレベーターなどの共用部分があります。共用部分が汚い場合、ごみ置きなどのルールがない状態は資産価値を間接的に下げる原因となります。

細かいところでは、植栽の手入れがされていないことも同様です。こうした状態があると、空室率が上がる傾向にあるようですし、資産価値を下げてしまう要因にもなります。

このような衛生上の問題が起きないようにマンション管理組合で管理規約を確認したり、維持修繕計画を作成し実行する事が求められます。


注意点③”内部紛争”状況

マンション管理組合の中にマンション運営に対する意欲の高い人がいる事があります。ただ、全員が意識が高いかというとそうではありません。「管理会社と癒着しているのでは」と勘ぐられることもあります。

マンション管理に関する相談を受付ている公益財団法人マンション管理センターによると、相談内容のうち7%が内部紛争に関するものとのことです。具体的な紛争としては理事と理事長の紛争などが起きているようです。

内部紛争が恒常的に発生していると、マンション管理がずさんになってしまい、最悪資産価値を減少させてしまう可能性さえあります。

内部紛争を防ぐためには、第三者の視点を入れる事が中立性の観点から重要です。中立的な立場からアドバイスをするコンサルタントを入れることは対策しているマンション管理組合もあります。とは言っても、海外では主流ですが日本ではまだまだです。

そのような管理体制を構築しているマンションであれば内部紛争はおきにくくなっていると評価することも可能です。

注意点④修繕積立金の集金状況

マンションの設備や共用部分は定期的にメンテナンスをする必要性があります。しかし、メンテナンスには専門的な技術が要求されるので、外部の管理会社に委託します。中古マンション購入時には管理会社を選択する事はありませんが、契約している管理会社が優良かどうかを見極めることも重要です。

そして外部の管理会社に委託する際にはお金が必要になりますが、費用をあらかじめ準備するために、区分所有者などから集金し修繕積立金を準備します。例えば5000万円の修繕費用が必要なのに、集金が4000万年しか集金できていないと管理状況は安定しているとは言えません。

修繕積立金の集金状況は要確認の事項となっています。

マンション購入の際に気をつけておくべき項目について触れましたが、では、マンション管理は"誰が?"、"どのように"行うかについてを紹介していきます。


マンション管理を担うのは誰?マンション管理組合の役割

マンション管理は共同でマンション運営について議論をするマンション管理組合を中心に行われます。マンション管理組合のお仕事や役割についてを次に紹介していきます。


マンション管理組合のお仕事・役割

マンション管理組合のお仕事は大まかに、「専有部」「ハード面」と「ソフト面」で構成されています。マンション管理組合のお仕事のそれぞれは以下のようになります。

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マンション管理組合のお仕事内容

■ハード面

マンション建物の維持管理給排水設備・電気設備などの設備管理、清掃を行います。専門技術が求められるので、マンション管理組合で議論し、専門業者(管理会社)に委託する事が一般的です。


■ソフト面

マンション内のトラブル未然防止と解決マンションのルールとなるマンション管理規約違反、騒音被害、組合内部紛争、隣人トラブルを未然に防ぐための管理業務を行います。トラブルが発生した場合、早急に解決します。


■お金の管理

マンション管理の資金区分所有者(マンション1部屋所有など)から管理費、修繕積立金を集金します。長期修繕計画を管理組合で計画し、見積もりをするためのお金の管理をします。


マンション管理会社が良いか悪いか見抜くポイント3選

先ほどみたように、マンション管理組合が中心となり、ハード面とソフト面でマンション管理を計画し、行います。仮に中古マンションを購入した場合、自動的に管理組合に所属しマンションという財産を共同で管理していきます。

ただ、往往にしてマンション管理組合が給排水設備や電気設備の点検を行うほどの知識と技術があるわけではありません。そこでマンション管理をマンション管理会社に委託することがあります。簡単にマンション管理組合とマンション管理会社の関係を示すと下の図のようになります。

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マンション管理組合とマンション管理会社の関係

実際に中古マンションを購入した場合、マンション管理会社はどうやって選ぶのかが気になる方はいらっしゃるでしょう。そこで、マンション管理会社を選ぶポイントをいくつか紹介します。


ポイント①マンション管理会社が”大手”か”地元中小”か

マンション管理会社にも大手企業と地域に根差した中小企業があります。それぞれ選択するメリット・デメリットがあります。それぞれのメリットとデメリットをまとめたものが以下の表になります。

会社規模 メリット デメリット
大手 実績が豊富・迅速な対応 客付けは仲介会社に委託
地元中小 地域に合わせた入居付け 管理方法が古い可能性

選択する管理会社が大手か地元中小かどうかによってそれぞれメリットとデメリットが異なることがわかります。大手マンション管理会社の場合、管理戸数が多く実績が豊富ですが、客付けを仲介会社に委託することが多いので入居者の情報が書面でしかわかりません。管理方法に関しては、最新技術を活用した管理方法を取ることがあります。

一方の地元中小企業では地域に根差した入居付けを行ってくれますし、距離感が近いの中小マンション管理会社の特徴です。そうはいっても予算の都合上、最新のマンション管理技術が行われなかったり、業務効率が悪いことがデメリットとして挙がります。


ポイント②マンション管理会社の担当者が信頼できるか

マンション管理会社に委託する際には、マンション管理会社の担当者が話を聴いてくれます。その担当者が”信頼できるかどうか”もマンション管理会社を選ぶポイントの一つです。

担当者が信頼できるかどうかを判断する基準としては、”担当者の担当戸数が適切な範囲か”、”顧客志向で提案してくれるか”、”宅地建物取引士資格を保有・勉強しているか”、”不動産経営管理士資格を保有・勉強しているか”といったことに注意するとよいでしょう。


ポイント③リスクマネジメントを提案してくれるか

マンションにおいて規制変更、災害、犯罪、訴訟などといった”リスク”とされる要素は多分に存在しています。マンション購入者がマンション管理会社を選ぶ際のポイントの一つとして、これらのようなリスクをあらかじめ対策しており、リスク発生時に対応してくれる会社かどうかについても重要なポイントです。

具体的には、”訴訟問題発生時に相談できる弁護士がいるかどうか”、”入居者の高齢化に対する対応策を提案してくれるか”、”節税プランを提案してくれるか”、”相続争いに強い弁護士がいるかどうか”、”入居者加入保険の更新率が高いかどうか”等といった点が挙げられます。


おわりに

以上のように、マンションの資産価値に関係してくるマンションの管理状況についてを紹介してきました。

マンションの管理状況で注意すべきポイント、契約しているマンション管理会社の評価基準などは知っておくと良いでしょう。

マンション購入時にはマンション管理状況を知る事は難しい場合があるでしょう。そうした時にプロのアドバイザーに相談してみると、不明点などが解決されるはずです。

IESHILでもアドバイザーによるマンション購入アドバイスを行なっていますので、ぜひご利用くださいませ。

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