【第2回】弁護士からのアドバイス!不動産売却で「囲い込み」被害に遭わない方法

不動産業界に詳しいみずほ中央法律事務所の代表弁護士・三平聡史氏に「囲い込み」被害に遭わない方法を伺った。

更新日:2015年12月25日

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弁護士・三平聡史氏に「囲い込み」被害に遭わない方法を伺った(第2回)

今年5月、自民党の中古住宅市場活性化小委員会が中古市場住宅の活性化に向けた提言をまとめた。早ければ来年の通常国会で宅地建物取引業法(以下、宅建法)の改正を目指すとされる提言の内容を踏まえ、今後の不動産業界の動向について、みずほ中央法律事務所の代表弁護士・三平聡史氏に伺った。同事務所は得意分野の不動産を中心に相続、離婚問題など幅広い案件を扱い、年間1,500もの案件を受け付けている。

自民党小委員会がまとめた「8つの提言」

ㅡㅡ不動産業界での違法な商慣習であった“囲い込み”問題について、2015年の5月に自民党の中古住宅市場活性化小委員会がまとめた8つの提言(※)などがあり、対策が進んでいきそうです。この提言は、宅建法の改正も視野に入れているとされています。宅建法が改正されるとしたら、どのような規制を盛り込めば“囲い込み”の根絶につながると思われますか。

三平氏:まず、レインズに売却物件の全ての情報を掲載し公表することが前提で、登録物件に対して正当な理由もなく紹介を拒否する行為にはペナルティを設けるべきです。もともと不動産各社はレインズを通して売却情報を公平に入手できるようになっているのですが、仲介手数料を不正に受け取ろうとする(売主・買主の双方の仲介手数料を獲得する=両手)不動産会社が、買主への物件紹介を拒否するなど、情報が公開されていない部分もあるのです。今後は紹介の履歴や断った理由なども全て記録として残し、依頼主に対して透明化を図るのが良いでしょう。

(※)自民党の中古住宅市場活性化小委員会がまとめた8つの提言
[8つの提言]

  1. “囲い込み”の解消に向けたレインズルールの抜本的改善
  2. インスペクション等の活用促進による情報の非対称性解消に向けた新たな取引ルールの構築
  3. 長期優良住宅の普及、一般住宅のリフォーム履歴等の保存・活用
  4. 担保評価を含む「20年で一律価値ゼロ」とみなす市場慣行の抜本的改善
  5. 中古マンションの管理情報の開示
  6. 不動産総合データベースの構築
  7. 新たなビジネスモデルとその環境整備
  8. 増大する空き家の市場での流通・活用の促進


<補足>
○“囲い込み”についてはレインズ(=国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しているネットワーク)の物件情報を、売主に一定の条件のもと営業情報などを開示する「ステータス管理」をレインズシステムに導入する。また、違法者への処分・罰則も検討する。

○インスペクションのさらなる普及を図る。またリフォーム履歴の開示や買主がインスペクションを入れて確認できるよう標準契約書を作成するなど、インスペクションを中古取引の一環として位置付ける。

○新築だけでなく中古住宅についても長期優良住宅認定制度を創設し、中古住宅の評価においては、建物性能やリフォームの状況を耐用年数に適切に反映するなど査定の見直しを行う。

レインズは誰のために存在するのか

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