【実録】実家の売却で多額の税金が!タイムリミット1年でどこまで減らせる?

【売却インタビュー第8回】東京都内のマンションを売却したIESHIL会員林田様(仮名)に体験談を伺いました。 ご検討からのマンション売却のエピソードをご紹介いたします。

更新日:2017年10月30日

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イエシルコラム編集部

株式会社リブセンス

IESHIL編集部

東京・神奈川・千葉・埼玉の中古マンション価格査定サイトIESHIL(イエシル)が運営。 イエシルには宅建士、FPなど有資格者のイエシルアドバイザーが所属。ネットで調べてわからないことも質問できるイエシル査定サービスを展開しています。

「定年退職をきっかけに、数十年来、気になっていた実家を処分しました。
しかし、売却益が出たおかげで新たな問題が。
膨大な税金が発生することが分かったのです」
と話すのは、林田健吾さん。

売却益を相殺して税金を抑えるためには、バブル時代に購入した赤字物件をどんどん処分していかなくてはなりません。 タイムリミットは1年。
林さんの物件売却のあわただしい日々が始まりました。

今回は、そんな林田さんの売却ストーリーです。

林田健吾さん 戸建て&マンション売却ストーリー

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【林田健吾さん プロフィール】
東京都出身・在住。70代前半。
2年前に定年退職し、現在は妻と2人暮らし。
これまでに、都内や地方都市に区分マンションを複数購入。

定年退職を機に所有物件の整理を開始。
・物件A:数十年前に親が購入した神奈川県の戸建て。昨年3月に3100万円で売却。
・物件B:1992年に世田谷区で購入した新築マンション。昨年9月に4100万円で売却
・物件C:1987年に中野区で購入した新築マンション。今年3月に710万円で売却
・物件D:今年7月に京都市内で購入した区分マンション

神奈川の実家を売却。2㎡の差が明暗を分ける

――昨年から今年にかけ、立て続けに不動産を売却しています。経緯を教えてください。

林田:私は東京都出身で、公務員として長年勤めていました。
一時は転勤で地方都市に暮らしたこともあります。
そんな生活も2年前の定年退職で終わりをつげ、時間にゆとりができました。

そこで最初に取り組んだのが、神奈川県にある親の家(物件A)の処分です。
これは、土地面積が252㎡とかなり広い物件で、賃貸に回した時期もありましたが、 ここ数十年は空き家の状態です。 人が住まないと老朽化が激しくなり、近所からもクレームが届くほど…。 
以前から「何とかしないと」と思っていて、ようやく時間ができたので本腰を入れたわけです。 


それにしても、こういう情報って不動産会社もチェックしているんですね。
家の名義を私に移し替えた時点で、 いくつかの業者から「売却を手伝わせてください!」って連絡が来るんですよ(苦笑)。
どうしたものかと思案したのですが、 金融機関との付き合いの関係や、測量の料金を大幅にまけてくれるということで、 大手の不動産会社にお願いすることに。

顧客をたくさん持っていて、すぐに話をまとめてくれるだろうという期待もありました。
ただし、私にとっては初めての不動産売却だったので不安もあり、この時は専任媒介を選びました。
当初の査定は2800万円くらいでした。

都内とは違って、神奈川県内は地価が上がっていないエリアが多いんですよ。
銀座の鳩居堂はバブル越えの価格になりましたが、 この辺りはリーマンショック以前の価格にも届いていません。
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まあ、それは仕方ないとして…もうひとつ問題がありました。 
それは、土地が広すぎて個人では買い手がつかないということでした。 
これは担当者にも言われたことで、 
「個人相手だと難しいでしょうね。買い取り業者をメインに探します」とのことでした。 

一方で、ラッキーなこともありました。 
実家の周辺の土地は250㎡以下だと分筆(登記簿でひとつの土地とされているものをいくつかに分割すること) 
できないのですが、実家の場合は252㎡で、ぎりぎり可能でした。 
それならば、購入後に分筆して再販できるので、買い取り業者が見つかる可能性が高いというのです。 
親が実家を買った契約時点では土地の広さは250㎡以下でした。 

しかし、引渡までの途中で親が土地を買い足したので、結果として基準を満たしたことになりました。 
購入時点ではこのような規制はなかったのですが。 
こればかりは親に感謝です(笑)。 

買い取り業者は無事見つかり、実家は3100万円で売れました。 
行動を起こしたのは2015年の12月頃で、売却の契約を交わしたのが翌年3月。 
はじめての売却としては、そこそこうまくいったと思います。 


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黒字相殺のためバブル期に買った世田谷のマンションを売却

――その後は、都内にあった区分マンションを2戸売却していますね。

林田:これは、親の家を売った際に売却益が出たことが関係しています。
そのままでは高い税金がかかりますから、 バブル期前後に購入したマンションを赤字で売却して、損益を相殺するという狙いがありました。

私自身、若いころから収益物件に興味があり、都内や地方都市で物件を買ってきました。
しかし、いずれも築古になり、そろそろ整理したかったという理由もあります。

まず売却候補として選んだのは、物件B。 世田谷区の幹線道路沿いにある66㎡、2LDKのマンションでした。
買ったのは1992年、バブルのピーク後で、 マンションがそろそろ売れなくなってきたころでした。

ゼネコンに勤めている知人から、「9800万円の物件を7000万円でどうか」と持ち掛けられたのです。
当時の周辺相場に比べるとかなり安く、賃貸保証もつけるということで購入にいたりました。
とはいえ、その後バブルは崩壊し、資産価値はずっと値下がりを続けるわけですが…。

最寄駅から徒歩8分と立地は良く、道路沿いでしたが騒音もそれほどではありません。
入居者は、購入してからたった1回変わっただけ。 収益物件として問題はなかったように思います。

ただし、昨年春ころ、その人の退去が決まりました。
こんな築古物件で、今後、入居者が見つかるかどうかは分かりません。 それならばいっそのこと売ってしまおうと決めたのです。


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この時は一般媒介を選びました。
大手不動産会社を中心に複数にお願いしたところ、 出てくる査定額は3000万円台後半~4500万円というところでした。

まず選んだのは、実家の売却で実績があり、 かつここでもスピーディな提案をしてくれた大手。
査定額は中程度でしたが、そもそもの目的は黒字相殺でしたし、 「ちゃんと買い手を見つけてくれる」という組織力や顧客を持っていることも決め手でした。

最終的には4100万円で買いたいという業者を見つけてもらい、 昨年9月に契約を結び、10月には引き渡しを終えました。その業者はリノベーションをして再販するということだったので、 私がリフォーム工事をする必要もなく、手間がかからなかったことも売却の後押しになりました。 
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続いて中野のマンションも売却。1年のタイムリミットまでギリギリの攻防

――世田谷の物件はうまく話がまとまったようですね。次に売却したのは?

林田:1987年に中野区に買った物件C。新築16㎡、1Rマンションです。
バブル崩壊前ということで、この狭さなのに購入価格は1800万円!  こちらも、その後に資産価値は下がるばかりでした(苦笑)。

さらに、この物件は販売・管理会社がバブル崩壊後に倒産したので、 いろいろな管理会社をたらい回し。
最終的には大手不動産会社が請け負うことになりました。
家賃保証はあったのですが、 ある時「いまは月4.8万ですが、老朽化が激しく1万円値下げします」と一方的に言われました。
高い買い物だったので、ただでさえ利回りが低いのに、 月3.8万円に下げるなんて、私にとってはとんでもない話です。
「ふざけるな!」という気持ちでいっぱいでした。

一方で築31年という古い物件であることも確か。
外観はキレイですが、安く建てられた家なので、今後どうなるかわからないという心配もあった。 それなら売ってしまえと、売却に踏み切りました。


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ここでも一般媒介を選び、中堅~大手不動産会社に売却を依頼したところ、 650万円~770万円という幅がありました。
とはいえ、ほとんどの会社が「700万円で売れれば御の字」といっていました。

とりあえず売却価格を720万円と強気に設定したところ、 ちょこちょこと問い合わせはありました。
しかし、面積は16㎡の1Rだったので銀行の融資がつかず、話はとん挫するばかり。

じつは、リミットは今年3月。
それまでに売却が決まると、実家の売却益と相殺できますが、それを超えるとできなくなるので、困り果てていました。

幸い、世田谷の物件とは異なる大手不動産会社の担当者が 「700万円で買いたい」という買い取り業者を見つけてくれました。 価格は間を取って710万円。それで売却が決まりました。
契約したのがそれこそ3月でしたから、ギリギリ間に合ったわけです。
この物件はそれまでに賃料で十分稼いでくれましたから、 不満はないし、赤字売却するという当初の目的も叶いました。 
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売却はひと段落。次は新規物件の購入へ

――一連の売却は一段落したようですね。 ちなみに、他にも収益物件をお持ちでしょうか?

林田:1980年頃に港区で買った区分マンションがあります。
築年数は40年弱で相当の築古ですが、初の収益物件ということで思い入れがあります。
ここは、今売ったところで数百万円の価値にしかならないでしょう。 それならば家賃収入でつないでおいた方がいいでしょう。
売って現金化したところで、低金利の現状では銀行に預けても意味はありませんからね。

その他、東北にも区分マンションを持っています。
ここは東日本大震災の影響から人口が増えているエリアで、地価や家賃も上昇傾向。 当面は持ち続ける方針です。

――取捨選択ができ、かなり整理した印象を受けます。今後の予定は?

林田:新たに物件を購入しようということで、 じつはIESHILのアドバイザー面談を今年3月に受けたんです。
日経新聞でIESHILの記事を読み、 「日経の情報なら信用できる」と思ったのが申し込んだ理由です。
当初は、投資物件の購入が目的でしたが、 加えて、今後売却を検討する際、何らかのコネクションがあれば良いとも考えました。

アドバイザーの方は親身に私の話を聞き、 後日、中堅の不動産会社を紹介してくださいました。
私は、JRの新駅ができる田町、あるいは麻布近辺の物件を狙っていたので、 いくつか提案をしてくれました。


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――では、新たに物件を購入したのでしょうか?

林田:それが…この7月に京都市内で区分マンションを買ってしまいました(物件D)。
私は京都が大好きで、年に何度も遊びに行くほどです。
だから、随分と昔から、できれば京都に物件が欲しいと考えていました。 指値を入れた物件もあります。

でも、ここのところは値上がり傾向で、なかなか良い巡り合わせがなかったんです。
ところが、ついに良縁に巡り合い、購入に至ったのです。
この年齢ですから融資を受けられるわけはなく、キャッシュでの購入です。
その結果、都内で物件を買ってしまうと身動きできない状況になりかねないので、 とりあえず様子をみようと思っています。

しかし、IESHILから紹介いただいたところも含め、良い提案をしてくれる会社はありますから、 タイミングと懐具合を見ながら増やしていければと考えています。

――なるほどです。林田さんの次なる一手に、IESHILもご協力できればと思います。
本日はありがとうございました。 

取材を終えて

実家をきっかけに、とんとん拍子で進んだ、林田さんの売却ストーリー。

マンションに関しては築古ということで苦労した面はありますが、
一般媒介にすることで情報を幅広く拡散しつつ、納得できる条件を引き出しました。

不動産購入&売却に際して、IESHILのアドバイザー面談もご活用いただいたようです。
今後も新たな物件取得も視野に入れられているようなので、
こういったサービスがお役に立てれば幸いです。 


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