マンション売却にかかる諸費用とは?手数料や税金、安く抑える方法を紹介

マンションを売却する際には手数料や税金など様々な費用が必要になります。 本格的な売却活動に入ってから予想外の出費に慌てることのないよう、予めどんな費用がいくらくらいかかるのか把握しておくと安心です。 この記事では、マンション売却にかかる費用や金額を詳しく解説し、節約する方法も紹介します。 マンション売却を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

更新日:2022年12月23日

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東京・神奈川・千葉・埼玉の中古マンション価格査定サイトIESHIL(イエシル)が運営。 イエシルには宅建士、FPなど有資格者のイエシルアドバイザーが所属。ネットで調べてわからないことも質問できるイエシル査定サービスを展開しています。

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マンション売却にかかる費用と税金の目安一覧

マンションの売却には不動産会社への仲介手数料や税金など様々な費用がかかります。
具体的にどんな費用がかかるのか、以下の表にまとめてみました。

費用項目 金額の目安
仲介手数料 (売却価格(税抜)×3%+6万円)
+消費税
印紙税 5000~3万円程度
(売却価格によって異なる)
登録免許税(抵当権抹消) 5000~4万円
(司法書士への手数料含)
住宅ローンの一括返済手数料 1万~3万円程度
(金融機関によって異なる)
譲渡所得税 保有期間が5年以下:
譲渡所得の39.63%

保有期間が5年超:

譲渡所得の20.315%

その他費用
(住所変更登記、引っ越し、ハウスクリーニング、リフォーム等)
数万円~数十万程度
(内容によって異なる)

一般的には売却額の5 〜 7%の費用がかかるとされています。
それぞれの費用について詳しく紹介します。


不動産会社へ支払う仲介手数料

売却にかかる費用の中で最も大きな割合を占めるものが、不動産会社へ支払う仲介手数料です。

仲介手数料には、不動産会社が行うチラシの作成や情報サイトへの掲載、売却条件の交渉や手続き等、仲介業務に関する費用が含まれています。
仲介手数料は売買契約が成立した際に支払う手数料なので、売却を途中でやめた場合や不動産会社に直接買い取ってもらう場合には支払う必要がありません。


仲介手数料はいつ払う?

仲介手数料は売買契約が成立したタイミングで発生し、金額は売却価格から算出されます。

支払いのタイミングは不動産会社によって異なりますが、売買契約時と物件の引き渡し時の2回に分けて半額ずつ支払うことが多いでしょう。
不動産会社と媒介契約を結ぶ際に仲介手数料の支払いのタイミングを確認し、支払い時期までに資金を準備しておきましょう。


仲介手数料の計算方法

仲介手数料は宅地建物取引業法により請求できる料金の上限額が決められています。

各不動産会社は上限額までの範囲内で仲介手数料を決めますが、実際は「上限額=仲介手数料」のケースがほとんどです。
仲介手数料を求める速算式は、売却価格ごとに異なります。

売却価格 速算式
200万円以下 売却価格×5%
200万円超400万円以下

売却価格×4%+2万円+消費税

400万円超

売却価格×3%+6万円+消費税

売却の資金計画を立てるにあたって仲介手数料の目安を把握しておきたい方は、現在お住まいのマンションの相場価格を知っておく必要があります。

イエシルではビッグデータをもとに算出した、マンションの各部屋ごとの参考相場価格が確認できます。
また、より精度の高い”確実に売れる価格”を知りたい場合は、個別査定(無料)をご依頼ください。イエシルでは、不動産アドバイザーによる査定・中古マンションの売買のノウハウをお伝えする「イエシル査定」サービスを提供しています。

マンションが今いくらなのか、イエシルの不動産アドバイザーが無料査定。あなたに合った売却の進め方をお伝えします。
 

売買契約書に課される印紙税

印紙税とは、売主と買主の間で交わす売買契約書に課される税金です。
税額は売却価格に応じて変わり、令和6年3月31日までは軽減税率が適用されます。
軽減後の税額を以下の表にまとめました。

売却価格 税額
10万円超~50万円以下 200円
50万円超~100万円以下 
500円
100万円超~500万円以下 
1,000円
500万円超~1,000万円以下 
5,000円
1,000万円超~5,000万円以下 1万円
5,000万円超~1億円以下 
3万円

抵当権抹消にかかる登録免許税

ローンを返済中で抵当権が残っているマンションは勝手に売却できないので、売却前にローンを完済し、抵当権を抹消する必要があります。

抵当権とは、金融機関が住宅ローンの返済が滞った場合の担保として土地や建物に設定している権利のことです。
抵当権抹消の登記手続きは司法書士に依頼することが一般的なので、登録免許税と司法書士の手数料がかかります。
抵当権抹消登記にかかる登録免許税は不動産の数1個につき1,000円なので、マンションの場合は、部屋(1つ)1,000円+敷地(1筆の場合)1,000円=2,000円のケースが一般的です。
登記を依頼する司法書士への報酬の目安は1万円〜3万円程度と考えておくと良いでしょう。


住宅ローンの一括返済にかかる手数料

住宅ローンが残っていて売却前に一括返済する場合には、金融機関に一括返済の手数料を支払う必要があります。
具体的な金額は金融機関によって異なりますが、5,000円〜3万円程度かかることが多いようです。
手続きの方法も金融機関によって異なるので、まずは住宅ローンを契約している金融機関に連絡をとって確認してみましょう。


売却益に課される譲渡所得税

マンションを売却して利益が出た場合、その利益に対して譲渡所得税と呼ばれる税金がかかります。
譲渡所得税とは住民税と所得税と復興特別所得税を合わせた総称です。
譲渡所得税はマンションの所有期間によって税率が変わります。

所有期間  項目 譲渡所得税率
5年以下 短期譲渡所得 39.63%
5年超 長期譲渡所得 20.32%

売却益が大きくなると譲渡所得税も高額になってしまいますが、節税できる特例も用意されています。
節税できる特例については後述します。


売却益が出たら確定申告を忘れずに

売却益が出た場合は忘れずに確定申告をしましょう。
期間はマンションを売却した翌年の2月16日〜3月15日までの間です。
税務署へ直接足を運ぶ以外にインターネットで行う方法もあります。
売却益が出たのに確定申告をしていないと、延滞税や無申告税などのペナルティが課されてしまうので注意が必要です。


マンション売却にかかるその他の諸費用

ここからはマンション売却の際にかかるその他の諸費用について紹介します。


住所変更登記費用

売却前に引っ越した場合など登記簿謄本に記載されている住所と住民票の住所が異なる場合、所有権移転登記の手続きの前に住所変更登記を行う必要があります。

所有権移転登記とは、売却に当たって物件の所有権を売主から買主に変更する登記のことです。

住所変更登記は司法書士へ依頼して行ってもらうことが多いため、司法書士への報酬を含めて5,000円〜2万円程かかると考えておきましょう。


引っ越し費用

マンションを売却して別の住居に引っ越す場合には引っ越し費用がかかります。
引っ越し費用は時期や曜日、サービス内容によって異なるので、節約したい方は事前に見積りサイトなどを利用して調べておきましょう。
買い替えにあたり仮住まいを検討している方は、引っ越し費用が2回分と仮住まいの家賃がかかることを念頭に置いておきましょう。


ハウスクリーニング費用

売却前に、プロに部屋の掃除を依頼するハウスクリーニングの利用を考えている方もいるでしょう。
ハウスクリーニング費用は部屋の広さや居住中か空室かなどで金額は変わりますが、だいたい5万円〜10万円程度かかります。
ハウスクリーニングを行うことが直接高額な売却に繋がることはありませんが、購入希望者が内覧に訪れた際に良い印象を持ってもらいやすくなるでしょう。


リフォーム費用

売却前に物件のリフォームを考えている方もいるかもしれません。
リフォーム費用をそのまま売却価格に上乗せすることはできないため大がかりなリフォームは基本的に不要ですが、目立つ汚れや傷がある場合は部分的にリフォームしておくと物件の印象アップに繋がります。
リフォームを迷っている方はどこをどれくらいリフォームをすれば売却に効果的なのか、不動産会社の担当者に相談してから決めると良いでしょう。


マンション売却にかかる費用のシミュレーション

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マンション売却にかかる費用を詳しく見てきましたが、具体的にいくらくらいかかるのでしょう。
3,000万円で購入したマンションを2,000万円で売却した際にかかる費用のシミュレーションを紹介します。
費用項目 金額
仲介手数料 72.6万円(2,000万円×3%+6万円+消費税)
印紙税

1万円

登録免許税 2,000円(部屋1,000円+敷地権1,000円)
司法書士への依頼報酬 2万円
住宅ローン一括返済手数料 3万円
譲渡所得税 0円(売却益がマイナスのため)
合計 78.8万円
別途、状況に応じて引っ越し費用やハウスクリーニング費用がかかります。



マンション売却にかかる費用を抑える4つの方法

マンションの売却には様々な費用がかかりますが、なるべく節約したいと考えている方も多いでしょう。
ここでは、マンション売却にかかる費用を抑える方法を4つ紹介します。



司法書士費用を節約する

司法書士へ支払う報酬は司法書士事務所によって異なるので、なるべく安く代行してくれるところを見つけると費用を節約することができます。

不動産会社から紹介される司法書士にそのまま依頼するのではなく、インターネットを使って他の司法書士を探してみると良いでしょう。
また抵当権抹消登記や住所変更登記などの登記手続きを司法書士へ依頼せず自力で行えば、司法書士費用を丸々節約することが可能です。

ただし必要書類を揃えたり法務局へ行ったりと手間がかかるため、平日に仕事をしている方は難しいかもしれません。


仲介手数料の値引き交渉をする

仲介手数料は法律で上限額が決められているだけなので、不動産会社との交渉次第では値引きしてもらうことも可能です。
専任媒介契約を結ぶことを条件に値引きをお願いしたり、他社と迷っていることを伝えて交渉してみると良いでしょう。
ただし無理な仲介手数料の値引きは、集客にコストをかけられず販売の優先順位を下げられてしまうなど、販売活動が長期化してしまうリスクもあるので注意が必要です。



仲介手数料が無料や半額の不動産会社を探す

不動産会社の中には初めから仲介手数料を無料や半額にしている会社もあります。
しかし仲介手数料の安さだけで選んでしまうと、広報活動をしっかり行ってもらえなかったり囲い込みに合ったりするリスクがあります。
仲介手数料が安い不動産会社を選ぶ場合には、口コミなどをしっかりと調べて信頼できる不動産会社に任せることが大切です。
不動産会社が仲介手数料を安くできる仕組みや安い業者を選ぶ注意点について、こちらの記事で詳しく解説しているのでぜひご覧ください。

イエシルコラム:マンション売却の仲介手数料とは?計算式や早見表、値引きの注意点を紹介



節税できる特例を使う

売却益が出ると譲渡所得税が課されますが、特例を利用すれば節税することが可能です。
具体的には以下の特例が設けられています。

  • 売却益を3000万円まで控除できる特別控除
  • 所有期間が10年超の場合に適用される軽減税率
  • 次回の買い替えまで税金を繰り延べられる買い替え特例


自身の状況や条件に合ったものを利用することで大幅な節税ができるでしょう。
詳しい内容や利用条件、注意点についてはこちらの記事で解説しているのでぜひご覧ください。

イエシルコラム:マンション買い替え時の税金と利用できる特例をわかりやすく解説!


費用を抑えるより高く売却できる不動産会社を選ぶことが大切

マンションの売却にかかる諸費用について紹介してきました。


司法書士費用や仲介手数料を抑えるなど費用を節約できる方法はありますが、リスクもあるのが現実です。
最終的に手元に残るお金を多くするには、無理にリスクを取って節約するよりも、なるべくマンションを高く売ることを考える方が効率的でしょう。

マンションを高く売るためには安心して仲介を任せられる不動産会社を見つけることが大切です。
イエシルでは不動産業界のプロが中立的な立場でマンション売却に関するアドバイスを行っています。
信頼できる不動産会社を探したい方、売却するにあたって不安や悩みがある方はぜひお気軽にご相談ください。

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