マンションの売却には、不動産会社へ支払う仲介手数料の他にも様々な費用がかかります。
マンションの売却にかかる費用を以下の表にまとめてみました。
費用 | 金額の目安 |
仲介手数料 |
(売却価格(税抜)×3%+6万円)+消費税 |
住宅ローンの一括返済手数料 |
1万~3万円程度(金融機関によって異なる) |
登記費用 |
5000~4万円(司法書士への手数料含) |
印紙税 |
5000~3万円程度(売却価格によって異なる) |
所得税 |
保有期間が5年以下:譲渡所得の30% 保有期間が5年超:譲渡所得の15% |
住民税 |
保有期間が5年以下:譲渡所得の9% 保有期間が5年超 :譲渡所得の5% |
復興特別所得税 |
保有期間が5年以下:譲渡所得の0.63% 保有期間が5年超 :譲渡所得の0.315% |
その他費用(引っ越し、ハウスクリーニング等) |
数万円~数十万円程度(内容によって異なる) |
一般的には売却額の5〜7%の費用がかかるとされています。
マンション売却の資金計画を立てる際には、諸費用がかかることを念頭に置いておくことが大切です。
仲介手数料とは売買契約が成立した際に不動産会社へ支払う「成功報酬」です。
成功報酬なので、売買契約が成立しなかった場合や売却を途中でやめた場合、不動産会社に直接買い取ってもらう場合は支払う必要がありません。
媒介契約の種類によっては複数の不動産会社へ依頼することもありますが、その場合でも仲介手数料は売買契約を成立させてくれた一社にのみ支払います。
売買の仲介における不動産会社の利益は仲介手数料のみです。
仲介手数料には不動産会社が行う「通常の仲介業務」に関わる費用が含まれます。
具体的には、チラシの作成や不動産情報サイトへの掲載、売却に関するアドバイス、売却条件の交渉や手続きなどです。
遠方の購入希望者のところへ交渉へ行ってもらいたい場合や特別な広告宣伝をしてもらいたい場合など、プラスαの業務をお願いする場合には別途費用が追加されます。
前もってどこまでが仲介手数料の範疇なのか不動産会社に確認しておくと安心です。
仲介手数料は売買契約が成立したタイミングで発生し、金額は売却価格から算出されます。
支払いのタイミングは売買契約時と物件の引き渡し時の2回に分けて半額ずつ支払うことが一般的です。
中には引き渡し時に全額支払うなどの例外もあるので、不動産会社と媒介契約を結ぶ際には仲介手数料の支払いのタイミングを確認し、支払い時期までに資金を準備しておきましょう。
マンションを売却するための資金計画を立てるにあたって、仲介手数料はだいたいいくらくらいかかるのか知りたい方も多いでしょう。
ここでは法律で決められた仲介手数料の上限額の計算方法を紹介します。
仲介手数料は宅地建物取引業法により請求できる料金の上限額が決められています。
法律で決められているのはあくまで上限額ですが、実際は「上限額=仲介手数料」となるケースがほとんどです。そのため仲介手数料の上限額の計算方法を知ることで相場の目安をつけることができます。
中には仲介手数料が無料や半額の不動産会社もあるので、仲介手数料を節約したい方はそういった不動産会社を選ぶこともできます。
仲介手数料が安くなる仕組みや注意しておきたい点については後述します。
仲介手数料上限額は「200万円以下の部分」「200万円超400万円以下の部分」「400万円超の部分」と金額部分ごとに割合が変わります。
計算式を以下の表にまとめました。
売却価格 | 仲介手数料の上限額 |
200万円以下の部分 | 売却価格×5%(+消費税) |
200万円超400万円以下の部分 |
売却価格×4%(+消費税) |
400万円超の部分 |
売却価格×3%(+消費税) |
上記の計算式では売却価格が200万円を超えると金額部分ごとに計算して合算しないといけないので面倒ですが、以下の速算式を使えばすぐに求めることができます。
売却価格200万円超400万円以下の仲介手数料=売却価格×4%+2万円(+消費税)
売却価格400万円超の仲介手数料=売却価格×3%+6万円(+消費税)
例えば売却価格が3000万円の場合の仲介手数料は以下の金額になります。
売却価格 | 仲介手数料(税込) |
200万円 | 11万円 |
300万円 |
15万4000円 |
400万円 |
19万8000円 |
500万円 |
23万1000円 |
1000万円 |
39万6000円 |
1500万円 |
56万1000円 |
2000万円 |
72万6000円 |
3000万円 |
105万6000円 |
4000万円 |
138万6000円 |
5000万円 |
171万6000円 |
資産価値が低く不便な場所にある物件を売却する際には、一定の要件を満たすと「低廉な空き家等の売買取引における媒介報酬額の特例」が適用されます。
低廉な空き家とは売却価格が400万円以下の不動産のことです。
この特例が適用されると売却価格に関わらず現地調調査費等を含む18万円(+消費税)が仲介手数料の上限となります。
これは不便な場所にある物件の場合は調査のための出張費などかかる費用が多く、仲介手数料が安すぎると不動産会社の利益が出ないためです。
この特例が適用される場合、不動産会社は必ず事前に売主に説明して合意を得る必要があります。
多くの不動産会社では仲介手数料=上限額なので、おおよその売却価格を知ることで仲介手数料の目安をつけることができます。
売却の事前準備としてマンションの相場価格を調べ、仲介手数料の概算を出しておくことで資金計画も立てやすくなるでしょう。
現在お住いのマンションの価格相場を調べるにはイエシルがおすすめです。イエシルなら、サイト上でマンション名や学区などから検索し、現在お住まいのマンションの参考相場価格※をすぐに確認することができます。
※ビッグデータをもとに独自に算出した理論価格のこと。実際に売買できる価格とは異なります。
仲介手数料は法律で上限額は決められていますが、下限額は決められていません。
不動産会社の中には仲介手数料を無料や半額にしているところもあります。
決して安くはない額の仲介手数料をどうして無料や半額にできるのか気になる方もいるでしょう。
ここではマンション売却の仲介手数料が無料や半額になる仕組みを解説します。
仲介手数料が安い不動産会社は、売主と買い手の発見を一社で行う「両手仲介」をしているケースがほとんどです。
売買仲介をする際、不動産会社は売主と買主の両方から仲介手数料を請求できます。
そのため両手仲介をすれば、一方から仲介手数料を受け取ってもう一方の仲介手数料は無料や半額にすることが可能なのです。
つまり、売主の仲介手数料が安い理由は買主からのみ仲介手数料を受け取っているから、という仕組みになっていることが多いと考えられます。
売主と買い手の発見を一社で行う両手仲介をすること自体には問題はありませんが、中には悪質な「囲い込み」が行われるリスクがあります。
囲い込みとは自社で両手仲介をしたいがために、売却依頼を受けた物件の情報を他社に正しく伝えない行為のことです。
囲い込みをされてしまうと、買い手がなかなか見つからず売却に時間がかかったり値下げを余儀なくされたりする可能性があります。
悪質な囲い込みを受けないためには信頼できる不動産会社を探すことが大切です。
安心して仲介を任せられる不動産会社を見つけるためには、イエシル査定サービスのご利用がおすすめです。
イエシル査定は、不動産のプロであるイエシルアドバイザーが、個別にあなたのマンションの価格を算出します。また、査定価格をお伝えする際に、アドバイザーがご状況をヒアリングし、あなたに合った不動産会社のご紹介が可能です。
アドバイザーは元不動産営業経験者。業界経験のあるアドバイザーの存在が紹介先企業の抑止力になり、業界構造上起こりやすいと言われている悪しき慣習「囲い込み」等からお客さまを守ることができます。
上述した通り仲介手数料は上限額が決められているだけなので、交渉次第では値引きしてもらうことが可能です。ただ、不動産会社も利益を出さないといけないため、値引き交渉のタイミングや方法は大切です。
ここでは仲介手数料の値引き交渉をする際に押さえておきたい適切なタイミングと注意点について紹介します。
値引き交渉を受け入れてもらいやすいタイミングは媒介契約を結ぶ前です。
特に不動産会社1社のみとしか契約できない専任媒介契約の場合は、確実に仲介手数料を請求できるので交渉に応じてもらいやすいでしょう。
複数の不動産会社から査定を受けておき、他社の査定報告書を提示して交渉しても良いでしょう。
他社と契約を迷っていることを伝えることで、査定額の見直しや仲介手数料の値引きをしてくれる可能性が高まります。
他にも仲介手数料の値下げや割引キャンペーンを行っている不動産会社を利用することも1つも方法です。
仲介手数料の値引きは可能ですが、安い手数料や大幅な値引きをすることで集客にコストがかけられなくなるかもしれないといったデメリットもあります。
値下げした仲介手数料では契約を成立させても得られる利益は少なくなるため、販売の優先順位を下げられてしまう可能性も否定できません。
無理な仲介手数料の値引きは販売が長期化し、結果不要に値下げせざるを得なくなるリスクもあるということを理解しておきましょう。
マンションの売却における仲介手数料について紹介してきました。
マンションの売却を考えている方は仲介手数料の仕組みや相場を押さえた上で資金計画を立てていきましょう。
仲介手数料は値引き交渉をすることも可能ですが、安い仲介手数料にはメリットだけでなくデメリットがあることも把握しておく必要があります。
不動産会社を選ぶ際には仲介手数料が安さだけでなく、実績や担当者との相性など信頼できるかどうかを基準にしましょう。
イエシルでは不動産業界のプロが中立的な立場から不動産売買のアドバイスを行っています。
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