離婚時、家に住宅ローンが残っている場合の財産分与方法を解説

離婚時、家に住宅ローンが残っていたら、まずはオーバーローンかアンダーローンか調べて夫婦のうちどちらかが住むのか売るのかを決めましょう。トラブル防止のため、できるだけ居住者と登記名義、住宅ローン名義をそろえましょう。

更新日:2023年08月15日

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福谷陽子

 ライター 元弁護士

プレミアムライター

弁護士時代から離婚や破産管財など数多くの不動産取引に関わってきた。売買、相続、離婚、任意売却、賃貸借、契約トラブルだけでなく、相続税などの税金関係についても造詣が深い。今はその経験を活かし不動産関係の執筆を行っている。

住宅ローンの残った家に対する3種類の対応

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離婚時、オーバーローン状態になっていたら家は財産分与対象から外れます。
そうはいっても家は存在し続けるわけですし、ローン返済義務も残るので、何らかの方法で分け合わねばなりません。離婚の際、家に住宅ローンが残っていたら、オーバーローンでもアンダーローンであっても、関係なく以下の3種類の対応方法から選択します。 
住宅ローン名義人が家に住む
一般的に、住宅ローンの名義人は家の所有名義人と同じになっています。
家の所有名義人でない人には、金融機関はローン貸付をしないからです。
たとえば夫が住宅ローン名義人であれば家の所有名義は夫になっているはずです。離婚時に住宅ローンの残った家がある場合、住宅ローン名義人かつ家の所有名義人が離婚後も家に住み続ける方法が簡便です。この方法であれば、家の名義や住宅ローン名義の変更をしなくても良いからです。たとえば夫が家の名義人かつ住宅ローン名義人となっていれば、離婚後も夫が住み続けてローンを支払い続けます。妻は家を出て行き、別の家を自分で用意します。

住宅ローン名義人でない方が家に住む
2つ目は、住宅ローンの名義人でない側が家に住み続ける方法です。たとえば夫が家の名義人かつ住宅ローンの名義人になっている場合、離婚後は妻が家に住み続けて夫は家から出て行きます。ただこの方法をとると、家の所有名義人やローン名義人が居住者と異なる状態になってしまいます。そのままではいろいろと不都合があるので、できる限り名義人を居住者と揃えるべきです。その方法については、以下の項目で詳しくご説明します。

売却する
住宅ローンの残った家を離婚後も維持し続けようとすると、ローン返済の負担や「誰が家に住むか」などの問題が発生してやっかいです。そこで3つ目の対策として、家を売却して清算する方法があります。アンダーローンであれば特に問題なくすんなりと売却できますし、オーバーローンであっても金融機関の許可をとって任意売却をすれば、家を売ることが可能です。家を売った場合、アンダーローンなら残ったお金を夫婦で清算しますし、オーバーローンなら住宅ローン名義人が残ったローンを返済していくことになります。

以下では、上記の3種類の方法を利用する場合に具体的にどのように手続きを進めていったら良いのか、アンダーローンの場合とオーバーローンの場合に分けてご説明します。
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