マンションのリフォーム時の騒音が原因で、隣人や上下の階の人から苦情を言われたり、関係性が悪化したりしてしまうことがあるのをご存知ですか?
あなたにとっては些細なことでも、ご近所からすると大きなストレスになってしまう可能性があります。トラブルをできるだけ起こさないようにするために意識しておきたいポイントについてまとめました。
リフォーム前準備の1つとして参考にしてください。
そもそもなぜマンションをリフォームするときの音が苦情につながるのでしょうか。
さまざまな原因が考えられますが、以下のようなものが代表的です。
ご近所との生活時間帯や家族構成の違いなど、やむを得ない事情で騒音やにおいが大きなストレスとなりトラブルに発展してしまう可能性があります。
たとえば夜勤の仕事で、毎日昼間に寝ている人が近隣に住んでいるような場合、毎日大きな音が部屋に響いてきたら非常に迷惑と感じるでしょう。
他にも赤ちゃんを育てている家庭では、騒音、ホコリ、塗料の匂いなどが、赤ちゃんへの健康被害の原因にならないかと考え、工事に対して過敏な反応をするといった理由も考えられます。
騒音トラブルにおいては、「受忍限度」が問題となります。
「受忍限度」とは「社会生活を送る上で、許容できるギリギリの範囲」のことです。
感覚値で規制できるものではなく、数値として決まっています。例えば横浜市の条例においては、一般的な第1種住居地域で日中では55デシベルまで、午後11時から午前6時までは45デシベルまでというようにそれぞれ基準が異なります。
一般的に40~45デシベルが図書館内や深夜の市内の騒音値と言われています。
つまりこの基準値を超えてしまうと、騒音であると判断されトラブルとなる可能性が高くなってしまうのです。
生活パターンや騒音の受け止め方は人それぞれ違いますので、自分が予想もしていなかった理由で他の人に迷惑をかけていて、それがトラブルにつながることもあるということです。
以下の事例のように、工事業者の工事の進め方によってご近所に迷惑をかけてしまうこともあります。
リフォーム前に周辺のお宅へ挨拶しないのは、ご近所の心象を悪化させてしまう原因になります。
一言事前に断りを入れておけば問題は無かったのに、何も連絡せず突然工事をはじめたために、大きなトラブルに発展すると言ったケースも多いものです。
朝早くから大きな騒音がしたり、ホコリがたったりすると誰でもいい気分はしないはずです。
「ちょっとしたリフォームだから挨拶はいらないかな」と考え、挨拶をしなかったためにほんの些細なことでトラブルになるケースもあります。
このようなことにならないためにも、マンションでリフォーム工事を行う場合は、最低限のマナーとして必ず挨拶まわりを行なう必要があります。
リフォーム業者側から近隣の方へご説明にまわることもありますが、業者任せにせず必ず自分でもまわるようにしましょう。
先に自分が挨拶をして、「あとから業者がより詳細な説明に伺いますが、何かあったら気兼ねなくお伝えください」という一言を添えるのがオススメです。もしくは、業者の人に同行してもらって一緒に挨拶に行くのも良い方法です。
何かトラブルがあった場合、近所付き合いの手前住人には言いにくいものです。
そんな際、リフォーム業者側から挨拶があると近所の方から業者さんに声を掛けやすくなるというメリットもあります。
トラブルを防止するためにも業者さんからも挨拶まわりをしてもらいましょう。
両方から挨拶をしておくことが大切です。
工事開始のギリギリになってから挨拶するのではなく、工事工程が決定したらできるだけ早く挨拶にまわりましょう。
最低でも1週間くらい前には完了しておくとご近所の方も安心できます。
できれば直接会って伝えたほうが良いのですが、何度か訪問しても相手が不在で会えなかったときは、挨拶の手紙をポストに入れておきます。
挨拶文には、事情を説明する文面とあわせて、自分と業者の連絡先や工事の開始と終了の日程や時間帯などを含めます。
対面での挨拶でも手紙でも、直前になって焦ることのないように早めに準備しましょう。
まず、誰に挨拶をするべきなのかですが、基本的には両隣と上下3軒の部屋に挨拶に行きます。つまり、合計8軒に挨拶にまわるということです。壁、床、換気扇などを伝って騒音が遠くまで響くことがありますので、自分の部屋の上下の部屋だけでなく、斜め上と下の部屋にも挨拶に行ったほうがよいでしょう。
挨拶をするのは、工事を行う日中に最も家にいる可能性が高い、普段家にいる主婦の方が多いと思いますが、昼間不在がちなお宅に関しては、夕方以降の在宅タイミングを見計らって訪問します。何度も通うことになってしまいますが、全ての方にご挨拶が済むまでは何度でも回る覚悟でいてください。
また、自治会やマンションの管理人にも挨拶しておくことが大切です。
ご近所への挨拶だけでなく、管理会社や管理組合に届け出を出す必要がある場合が多いです。この点も必ず業者に確認しておきましょう。
ご近所への挨拶には以下の点を伝えるようにしましょう。
いつ終わるのかがわからない工事は、周囲の人のイライラを増長させてしまいます。
工事がいつから始まり、いつ終わるのかは必ず伝えておきましょう。
また、特に大きな音が出る日や工事がお休みの日がわかっているようなら、その日程を伝えます。
迷惑をかけることへのお詫びを伝え、何か気になることがあれば施工業者か自分に相談や質問をしてもらうようにお願いしておきましょう。
あまり負担にならない日用雑貨や菓子折りなどが一般的です。
雑貨を贈るときは、タオル、ハンカチ、石鹸、洗剤などの誰でも使えるものを選びましょう。金額は1,000円程度のもので十分です。
数日間で終わるような工事の場合は、手土産を持参せずに挨拶だけで済ませる方もいます。ただ、1~2ヶ月かかるような大掛かりな工事の場合には、何かを持参するほうがよいでしょう。
また、リフォーム業者によっては粗品を用意してくれているところもありますので相談してみましょう。
わざわざリフォームの前に挨拶に行くのは面倒と感じる方もいらっしゃると思いますが、挨拶をしなかったためにあとで大きなトラブルになり、最悪工事が途中で止まるということにもなりかねません。
リフォーム工事では少なからず騒音や匂い、人の出入りなどで迷惑をかけるわけですから、必ず挨拶をしておくのが礼儀です。
しっかりと挨拶をしておくことで、ご近所の方が受ける印象も大きく違ってきます。
工事が終わったあとにもご近所付き合いは続くので、リフォームがきっかけで人間関係がギクシャクしないよう、当記事を参考にご近所へ挨拶してみてください。
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