【2025年9月発表:最新版】首都圏中古マンション、在庫件数と新規登録件数が減少。海外マネー流入で、成約単価はバブル期と同水準

2025年9月に東日本レインズが発表した「月例速報 Market Watch」によると、2025年8月度の首都圏中古マンションの在庫件数、新規登録件数は下落し成約㎡単価は63カ月連続で上昇しました。 首都圏のマンション価格の高騰の背景には、海外マネーの流入があると言われています。 金利上昇の影響を受け、住宅ローンの返済額が世帯月収の3割以上を占める人が増加しており、今後「買い控え」が起こる可能性があります。マンション売却をお考えの方は、早めの準備をおすすめします。

更新日:2025年09月19日

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この記事の要点
  • 首都圏中古マンション、新規登録件数、在庫件数が下落。成約㎡単価は64カ月連続上昇でバブル期と同水準に
  • 2025年1~6月の日本への不動産投資は初の3兆円超へ。低金利への期待などで東京が都市別で世界首位に
  • 海外マネーが流入する一方で千代田区は転売規制を要請、中野区も検討か。国土交通相は「投機的取引は好ましくない」と発言
  • 住宅ローンの返済額が世帯月収の3割以上を占める人の割合が21.7%に。住宅ローンを完済できるか不安な人が増える
  • 海外マネー流入で首都圏マンション価格はバブル期と同水準に。住宅ローンの負担が増し、購入を諦める世帯が増える可能性も

不動産会社ではない中立メディアのイエシルが、営業要素ゼロの価格を算出します。 ”成約の妥当価格”を知っておくと、不動産会社が出す査定額の「高すぎる」、「安すぎる」を見抜くことができます。

■2025年8、9月度のTOPICS

■TOPICS1 首都圏中古マンション、在庫件数と新規登録件数が下落へ。成約㎡単価は64カ月連続上昇でバブル期と同水準

2025年9月に東日本レインズが発表した「月例速報 Market Watch」によると、2025年8月度の首都圏中古マンションの在庫件数、新規登録件数は前年同月に比べ下落しました。

【2025年9月発表:最新版】首都圏中古マンション、在庫件数と新規登録件数が減少。海外マネー流入で、成約単価はバブル期と同水準の画像

出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「REINS TOWER」

一方で、成約件数は10カ月連続で増加、成約㎡単価は 64カ月連続で上昇しています。
成約㎡単価は1㎡あたり84.85万円で前年比プラス13.5%です。2020年5月から64カ月連続で上昇し、バブル期の1990年9月85.50万円(1㎡あたり)に近づいています。


【2025年9月発表:最新版】首都圏中古マンション、在庫件数と新規登録件数が減少。海外マネー流入で、成約単価はバブル期と同水準の画像

出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「REINS TOWER」
成約㎡単価の上昇の原因の1つとして、海外マネーの流入があります。
2025年1~6月の日本市場における不動産投資額は、3兆1932億円となり、世界の都市別でも東京が首位となりました。


■TOPICS2 海外から日本への不動産投資が初の3兆超!世界の都市別で東京が首位、価格高騰の原因か

アメリカの不動産サービス会社ジョーンズラングラサール(JLL)によると、日本市場における不動産投資額は前年同期比22%増の3兆1932億円に上りました。上半期で3兆円を超えるのは調査開始以来、初めての出来事です。世界の都市の中で東京が首位となりました。

日本はアメリカなどに比べ金利が低いことから、海外投資家の期待が高まり東京都心のオフィスへの投資額が増えています。

2020年にも新型コロナウイルスの影響で1~6月の首都圏への投資額が初めて世界で首位となりましたが、150億ドル(約1兆6000億円)と2025年のおよそ半分でした。

中国の不動産投資家が日本の不動産を購入しているという報道がありますが、アメリカでも外国人が購入した中古住宅の件数が前年同期比で4割増えています。不動産の価格が高騰しており現地での売買の動きは鈍っていますが、中国人を中心とした富裕層が購入しており法律による購入の規制案が出ています。

日本でも、外国人投資家などによる不動産「転売」を規制する動きがあります。
東京都千代田区は、先月千代田区内の投機目的でのマンション取引を抑制するために一般社団法人不動産協会に対して原則5年間マンションの転売を規制するなどの施策を要請しました。

2025年9月8日、東京都中野区の酒井直人区長は記者会見で「千代田区の政策の影響を見定めた上で、我々としても今後検討していく必要がある」と述べています。なお、中野洋昌国土交通相も9月2日の閣議後の記者会見で、不動産の価格高騰について「投機的取引は好ましくない」と語っています。

今後マンションの転売を規制することになれば、不動産価格が下落する恐れがあります。


■TOPICS3 住宅ローン返済額が「世帯月収の3割以上を占める」半年前から3.6ポイント上昇、購入検討者はローンを払いきれるか不安に

株式会社LIFULLが2025年7月に公表した「住宅ローンに関する意識調査」によると、世帯月収に占める住宅ローン返済額の割合を「3割以上」と回答したのは、21.7%と増加しています。

前回の調査では18.1%だったため3.6ポイント上昇しており、金利上昇の影響を受けている世帯が多いことが分かります。
借入額に対する意識の調査では、「前回調査と比べると住宅ローン返済額の割合が1割以上を占める方々の『もっと借入額を減らせばよかった』の割合が増加」しているそうで、厳しい実態が浮き彫りとなっています。

さらに「購入者・購入検討者双方に対し、住宅ローンを払いきれるかの不安があるかどうかについてたずねたところ、『大いに不安がある』と回答した購入者は24.7%(前回調査:18.7%)だったのに対し、購入検討者は57.4%(前回調査:50.2%)と過半数を占めました」と記されており、購入者・購入検討者の不安が大きくなる中で今後不動産市場の動きが鈍化する可能性があります。



■TOPICS4 マンション売却をお考えの方は早めの準備を

2025年8月は、首都圏の中古マンションの成約㎡単価が63カ月連続で上昇しバブル期に迫る勢いでした。

海外投資家の影響により価格が高騰していると言われていますが、転売を規制する動きが出てきています。実際に転売が規制されると、首都圏を中心に不動産価格が下落する可能性があります。

そして、金利上昇により住宅ローンの負担が増えた世帯が多くなったことも明らかになりました。購入者・購入検討者は「ローンを払いきれるか不安」という人が増えています。

マンション売却をお考えの方は、早めに専門家への相談や査定などを行うことをおすすめします。イエシルアドバイザーは、不動産仲介経験10年以上、宅地建物取引士などの有資格者といった資格と経験を持つ人のみで中立な立場でご相談に応じます。

不動産会社ではない中立メディアのイエシルが、営業要素ゼロの価格を算出します。 ”成約の妥当価格”を知っておくと、不動産会社が出す査定額の「高すぎる」、「安すぎる」を見抜くことができます。

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