2025年12月に東日本レインズが発表した「月例速報 Market Watch」によると、首都圏中古マンション市場は、在庫が4カ月連続で減少し、成約単価は67カ月連続で上昇するなど、引き続き売り手市場となっています。一方で、政策金利引き上げの決定や住宅ローン減税の拡充の決定が発表されました。価格高騰と政策変化が交差する今、知っておくべき、不動産の最新情報を解説します。
更新日:2026年01月23日
イエシルコラム編集部
株式会社リブセンス
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2025年12月に東日本レインズが発表した「月例速報 Market Watch」によると、2025年11月度の首都圏中古マンションの成約件数は前年同月比プラス38.3%、成約㎡単価は67カ月連続上昇し、在庫件数は前年同月に比べ4カ月連続で減少しました。
成約件数が増加した背景を分析していくと、東京都心の高額物件よりも、相対的に価格帯の低い埼玉などの取引が特に増加しているデータが確認できます。
| 中古マンション 2025年11月 | 成約件数 (前年比%) |
| 東京都 | 2,230件 (26.0%) |
| 埼玉県 | 554 件 (67.4%) |
| 千葉県 | 537件 (44.4%) |
| 神奈川県 | 1,114件 (51.8%) |
| 横浜・川崎市 | 782件 (48.4%) |
| 神奈川県他 | 332件 (60.4%) |
ここから推測されるのは、9月から11月にかけての、例年取引が活発になる秋の繁忙期に差し掛かっていることや、現行の住宅ローン減税が2025年12月31日までの入居を適用期限としており、期限内の入居を目指す駆け込み需要が加わった結果、相対的に価格帯の低い埼玉などの取引が特に増加したのではないかということです。
こうした層の厚みが、全体の平均単価の上昇を相殺し、単価の伸び率が鈍化した主要な理由と推測されます。
注目される今後の住宅ローン減税の動向については、TOPICS2にて解説します。
住宅ローン減税は、毎年のローン残高の0.7%を所得税から控除する制度です。2025年度末で期限切れとなる予定でしたが、政府・与党は中古住宅市場の活性化を目指し、住宅ローン減税制度を延長し、大幅に拡充することを決定しました。
主な変更点は以下の通りです。
変更点 |
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| 適用限度額の引き上げ | 子育て世帯が中古住宅を購入する場合、現行の最大3000万円から4500万円へ引き上げ。新築(最大5000万円)との差を縮小し、中古住宅の購入を促進。 |
| 減税期間の延長 | 減税期間を現行の10年間から新築住宅と同様の13年間に延長。 |
| 面積要件の緩和 | 一人暮らし世帯の増加に対応し、対象となる住宅の最低面積を50㎡以上から40㎡以上に緩和 |
日本銀行は2025年12月18・19日に金融政策決定会合を開催し、事前の予想通り政策金利を0.5%程度から0.75%程度へ引き上げることを決定しました。日銀の利上げは同年1月以来、約1年ぶり、1995年以来30年ぶりの高水準となります。
今回の利上げにより、多くの金融機関が変動金利の基準金利(店頭金利)をさらに引き上げることが予想され、日本経済新聞の報道によると、住宅ローン返済額は平均例で計月1万4000円増となる試算がされています。
返済中の方にとって月々の支払増も痛手ですが、これから借りる方にとってもより深刻な影響があります。それのは「借りられる金額(借入上限)」の減少です。銀行の審査金利(将来の金利上昇を見越した計算上の金利)が上がると、同じ年収でも希望の額が借りられなくなるケースが出てきます。
購入検討中の方は、変動金利で借りる場合、急激な返済額上昇を抑える仕組みである「5年ルール・125%ルール」があるか、金融機関に確認してください。
お一人お一人で状況は異なります。イエシルアドバイザーが売却検討者、購入検討者、それぞれの立場に立ったアドバイスいたします。
政府税制調査会は2025年11月13日の専門家会合で、一棟賃貸マンションや不動産小口化商品を利用した相続税対策の「過度な節税効果」を問題視しました。
出典:内閣府税制調査会「経済社会のデジタル化への対応と納税環境整備に関する専門家会合(2025年11月13日)国税庁説明資料(財産評価を巡る諸問題)」より
相続税は原則として財産を時価で評価しますが、不動産は建物が固定資産税評価額、土地は路線価方式(路線価が設定されていない地域では倍率方式)で評価します。
これらは実勢価格(市場価格)より低く評価される傾向があり、特に都心部では地価上昇を反映しにくいため、現金より不動産で相続する方が税負担を大幅に減らせます。よって、富裕層の節税手段として広く活用されてきました。
2024年には、相続・遺贈・贈与で取得した分譲マンションの評価方法が見直されました。従来の評価額に「区分所有補正率」を乗じることで市場価格を反映する方法が導入されましたが、専門家会合では「まだ不十分」との声が上がりました。
そして2025年12月19日に公表された令和8年度税制改正大綱では、下記の改正内容が盛り込まれました。
①不動産小口化商品の評価見直し
路線価や固定資産税評価額ではなく、通常の取引価額(市場価格)で評価する。
②貸付用不動産の評価期間制限
相続開始・贈与前5年以内に取得した貸付用不動産は、路線価ではなく実際の取得価額(市場価格)を基に計算した価格の80%相当で評価する。
※2027年1月1日以後に相続が発生した財産が対象。現時点ですでに購入している不動産でも、相続が5年以内に発生した場合は対象となる可能性があります。
これにより、市場価格と路線価のかい離を利用した大幅な税負担軽減スキームが封じられることになります。
そして、富裕層が相続税対策としてマンションを購入する需要が減少するため、マンションの市場価格が下がる恐れがあります。2025年11月25日の日本経済新聞では、国土交通省初の不動産転売の実態調査について報じられました。
同調査によると、東京23区の大規模新築マンションで2024年1〜6月に購入後1年以内に転売された割合が9.9%に達し、2023年の4.1%から2倍以上に急増しています。特に都心6区(千代田、中央、港、新宿、文京、渋谷)では12.2%と高く、投機的な売買が活発化しており、海外居住者による取得は3.5%です。
業界団体の不動産協会は、投機目的の売買抑制策を正式に発表しました。
一般公募物件で引き渡し前の売却活動を禁止し、申し込みから登記まで名義が同一であることを契約書に明記することとしています。三井不動産、三菱地所、住友不動産など大手8社もこの抑制策を導入しました。
不動産協会の野村専務理事は、規制について「住宅価格に対する投機的取引の影響は限定的なため、今回の対策でただちに価格が下がることはないと認識している」と語っています。今後の価格動向次第では、既存住宅の流通促進などさらなる政策が求められる可能性があります。
TOPICS2,3,4で述べた税制改正、TOPICS5の規制強化に伴う市場の変化がご自身の売却・購入プランにどう影響するのか、不安を感じる方は多いでしょう。
首都圏の中古マンション市場は、在庫件数の減少と成約単価の上昇が続いており、売主にとっては依然として有利な「売り手市場」が継続しています。しかし、TOPICS2や3で触れたように、今後は住宅ローン減税の拡充や相続税評価の見直しなど、税制面での大きな変化が予測されています。
「保有しているマンションの価値は今どうなっているのか?」「早めに売るべき?」などの判断については、市場動向と専門知識に基づいた精査が必要となります。
売却を検討する際は、早めに専門家への相談や査定を行うことをおすすめします。
しかし、不動産会社によっては自社の利益を優先するケースも少なくありません。
そこで活用いただきたいのが「イエシルアドバイザー」です。
イエシルアドバイザーは、不動産仲介経験10年以上のベテランや、宅地建物取引士などの有資格者のみで構成されたプロフェッショナル集団です。特定の不動産会社に偏ることなく、中立な立場でお客様一人ひとりの状況に合わせたアドバイスを行います。
「まずは適正価格を知りたい」「売却のタイミングを相談したい」という方は、ぜひイエシルの個別相談をご利用ください。経験豊富なアドバイザーが、あなたの不動産売却を成功へと導くサポートをいたします。
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