2024年2月発表:中古マンション価格・件数推移|成約件数・㎡単価が上昇する一方で、生じる「かい離」とは?

<毎月更新>東京・神奈川・千葉・埼玉(首都圏)のレインズ発表不動産市況データについて解説します。今後、中古マンションの売却・購入・住み替えを検討されている方はぜひご確認ください。

更新日:2024年03月25日

イエシルコラム編集部さんのプロフィール画像

イエシルコラム編集部

株式会社リブセンス

IESHIL編集部

東京・神奈川・千葉・埼玉の中古マンション価格査定サイトIESHIL(イエシル)が運営。 イエシルには宅建士、FPなど有資格者のイエシルアドバイザーが所属。ネットで調べてわからないことも質問できるイエシル査定サービスを展開しています。

この記事の要点
  • 販売中の物件は引き続き増加しているが、伸び率が鈍化傾向に
  • 成約件数は 2,711件と前年比で 5.0%増加、8カ月連続で前年同月を上回る。成約㎡単価は 45カ月連続で上昇
  • 一方で販売中物件㎡単価は 6カ月連続で下落し、新規㎡登録単価より低く成約㎡単価との「かい離」が見られる
  • 一部の高価格マンションが、中古マンションの単価や価格を押し上げている可能性がある
  • 中古マンションは、より価格・需要にバラつきが生じている状況か

■TOPICS3 成約㎡単価45カ月連続上昇、販売中㎡単価は 6カ月連続で下落。高価格マンションの成約が増えている?

㎡単価推移
2024年1月 

前年同月比(%)

前月比(%)

成約㎡単価 (万円)

75.98

11.2

1.5

新規登録㎡単価 (万円) 

73.93

-0.5

-0.4

販売中物件㎡単価 (万円)

72.50

-1.9

0.3

※首都圏全域

出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「REINS TOWER」

首都圏の中古マンションの成約㎡単価は 45カ月連続で上昇しています。1月はついに75.98万円/㎡と過去最高値をさらに更新しました。

ただし、販売中物件㎡単価は 6カ月連続で下落し成約㎡単価との「かい離」が見られます。

一般的に、マンションの単価は「成約㎡単価>在庫㎡単価>新規登録㎡単価」で推移するといわれています。

2024年2月現在、在庫㎡単価が新規登録㎡単価より低く、成約㎡単価と差が生じる背景には港区・江東区のタワーマンションなど高価格マンションの取引が増えていることが考えられます。実際に成約㎡単価が首都圏の中で一番高い東京都区部の成約件数が前年同月比10.9%とほかの地域と比較しても大きく伸びています。

そのため、一部の高価格マンションが成約㎡単価を押し上げていると推測されます。中古マンションはただでさえ築年数により価格に差が生じやすいですが、最近は「かい離」が大きい状況といえるでしょう。

公益社団法人 全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)の「不動産市況DI調査 中古マンションの取引価格の動向」で、3カ月前と比較しどのように感じるかを尋ねた調査では、関東は「横ばいである」「やや上昇している」「大きく上昇している」が80%以上を占めていました。引き続き中古マンションの取引価格が上昇傾向にあると感じている人が多いようです。

国土交通省の建築着工統計調査によると、住宅着工件数は2020年新型コロナ感染症の影響で9.9%下落しました。

着工件数が減少した分、住宅の供給が減り、新築だけでなく中古マンションの価格も上昇が続いてきました。

1月は成約㎡単価が最高値更新したものの、販売中物件数の頭打ちの気配が見られました。売り時や購入のタイミングの参考に、今後の動きも注視していきましょう。


この先は会員限定コンテンツです。
会員登録(無料)をすると続きをお読みいただけます。
ログインして読む

ご意見、ご要望はこちら

IESHIL編集部オススメ記事

IESHILコラムとは、不動産物件情報に関連してコラム等の関連情報も提供する付随サービスです。
ご利用により、IESHIL利用規約が適用されますので、規約のご確認をお願い致します。