快適な通勤を実現するために選ぶべき沿線とは?

「快適な通勤」をキーワードに、中古マンションを探す際に考慮するべき点をまとめました。

更新日:2016年04月12日

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イエシルコラム編集部

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IESHIL編集部

東京・神奈川・千葉・埼玉の中古マンション価格査定サイトIESHIL(イエシル)が運営。 イエシルには宅建士、FPなど有資格者のイエシルアドバイザーが所属。ネットで調べてわからないことも質問できるイエシル査定サービスを展開しています。

この記事の要点
  • 通勤の快適さのために所要時間だけでなく混雑率のリサーチを
  • JR東日本の路線と私鉄の人気路線は混雑率が高止まり
  • 快適さを求めるなら京王線沿線が狙い目?
  • 地下鉄は意外と混雑しない?
  • 通信環境の整備は目安にならない?

通勤の快適さは所要時間だけでなく混雑率のリサーチを

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中古マンションの購入は、新築よりも価格は下がるため、「通勤の快適さ」を主な条件として物件を選択することが可能になります。

都心に通勤する場合は、できる限り通勤時間の短いエリアから選びたいところですが、電車の混雑率も加味して、より快適な通勤を目指したいものです。

ラッシュ時の電車を思い浮かべてください。1度電車の中に入ったら、ほとんど身体を動かすことができず、目的地まですし詰め状態。所要時間が短くても、これでは到底快適とは言えません。所要時間とともに混雑率も考慮し、どの沿線の中古マンションを購入すれば快適な通勤ができるか、考えてみましょう。

JR東日本の路線と私の人気路線は混雑率高止まり

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まずは東京のJR沿線別の混雑率を見てみましょう。

山手線以外で、いまだに混雑率が高止まりしているのが京浜東北線です。埼玉の大宮から上野、東京を経由して浜松町方面へ向かう路線ですが、通勤客が特に多い区間なので、これまで電車の増発をしてもほとんど意味がありませんでした。

2015年3月に上野・東京ラインが開通し、京浜東北線の混雑率が下がることが期待されましたが、開通前のラッシュ時の混雑率の予測数値で170%から180%の混雑率で、この数値では、乗客の身体同士が触れ合って嫌な圧迫感を感じるレベルでしょう。

京浜東北線に限らず、JR東日本の路線は、一部の例外を除きどこでも同じような傾向にあり、混雑率が高めのまま推移しています。調査した各線のうち、混雑率が高い路線上位のほとんどがJR東日本の路線で、快適さとは程遠いことになっているようです。

JR東日本の2014年のラッシュ時のデータを見てみると

山手線(外回り)199%
京浜東北線197%
横須賀線192%
中央線(快速)191%
東海道線182%
総武線(快速)178%
 という結果です。

この中で、中央線は以前、混雑率200%を超えていた時期があり、それに比べると最近は混雑が緩和してきていますが、それでもまだ190%台で、快適な通勤とはとても言えません。

また、東海道線や横須賀線については、東京以外の方だと神奈川県内の路線というイメージが強いかもしれませんが、両線とも横浜や川崎など神奈川県内の都市から東京に通勤するサラリーマンの足になっていて、混雑率も高いままです。

ちなみに、JR東日本は路線の総延長距離が断トツに長く、その分、途中乗車してくる乗客も多いので、混雑率を下げるのはなかなか難しいのかもしれません。

次に私鉄各線の混雑率を見てみます。

私鉄はJR東日本に比べると混雑率は低いですが、人気路線ではやはり混雑率の高止まり傾向が続いています。

例えば、東急田園都市線の場合、2009年に二子玉川と溝の口の間が複々線化され、また東急大井町線との相互乗り入れ化のおかげで幾分混雑率が下がり、2014年のデータでラッシュ時の混雑率が185%になっています。180%台だと、まだまだかなりの混雑と言えますが、2006年の混雑率が190%台後半だったことを考えれば、ピークは過ぎたという感があります。

その一方、現在私鉄の中で混雑率ナンバー1の小田急電鉄の小田原線は、世田谷代田と東北沢の間で複々線化工事が進められていて、予定通り2017年に完成して使用が開始されれば、混雑率は180%台中盤から160%台まで急低下すると予測されています。

みなとみらい線が乗り入れた東急東横線は、混雑率が急上昇し、一時は混雑率180%に迫る勢いでしたが、東横線に相互乗り入れしている東急目黒線の多摩川と日吉の間が複々線化したため、2008年を境に混雑率が低下に転じました。ただし、2013年から東京メトロ副都心線との相互直通運転が開始され、今後の混雑率がどうなるか、予断を許しません。

快適さを求めるなら京王線沿線が狙い目?

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小田急や東急の場合、横浜や川崎のような大都市を通過するため、混雑が常態化していますが、同じ東京の東京南西部と都心を結ぶ京王線は、そこまで混雑率は高くありません。おそらく京王線沿線の人口がそれほど多くないことがそのまま影響していると考えられます。

京王線は低めの混雑率以外にもメリットがあります。1つは車内快適指標の良さです。

車内快適指標とは、高機能なエアコンシステムを完備している車両が全体のどれくらいを占めているかを表します。少し古いデータですが、2010年の時点で京王線は車内快適指標100%、全ての車両に高機能なエアコンシステムが完備されていることが分かります。同時期で比べると小田急線が89.4%、東急東横線が81.8%で、京王線の数字が際立っています。

もちろん高機能なエアコンがそのまま通勤の快適さにつながるわけではありませんが、夏場に混雑していなくても、車内が暑ければやはり快適とは言えないでしょう。この車内快適指標は意外と大切なポイントになってくるかもしれません。

京王線に関しては、もう1つメリットが存在します。それが深夜バスです。京王電鉄は終電と深夜バスをリンクさせており、終電で各駅に到着した乗客が深夜バスを利用できるようにダイヤを調整しています。深夜バスは昼間の料金と比べると割高ですが、タクシーに比べればかなり安くつきます。通勤の快適さとは少し異なりますが、一応頭に入れておいて損はないでしょう。

地下鉄は意外と混雑しない?

混雑率だけで比べれば、地下鉄は総じて混雑率が低い傾向にあるようです。2014年のデータによれば、都営浅草線がラッシュ時で118%と断トツの低さを誇っています。混雑率118%は乗客同士の肩も触れず、新聞も余裕を持って読めるぐらいですので、快適な通勤を期待できます。

また、東京都営地下鉄三田線と新宿線は、それぞれ混雑率150%と151%。150%超なのに低いというのは違和感があるかもしれませんが、首都圏ではこれでも低い方に入ります。

通信環境の整備は目安にならない?

電車の中で情報端末を使うなんてマナー違反だ、と言われていたのは遠い昔。現在、電車に乗ってスマホを使っていない人はいません。そのため通信環境も通勤の快適さに影響すると主張する人もいます。

しかし、現在は地上の路線でも地下の路線でも通信環境整備が進んでおり、一部の例外を除いてほとんど違いはありません。東京メトロや都営地下鉄でさえ、無料Wi-Fiが利用できるようになっているほどです。そのため通信環境を考慮する必要はそれほどありませんが、念のために情報端末が使用できるかどうか、鉄道会社のサイトなどでチェックすることをお勧めします。

終わりに

今回は、混雑率を主な指標として、快適に通勤できる路線沿線がどこかを考えてみました。 東京が大都会と言っても、一律に混雑しているわけではありません。ご自身の勤め先に快適に通勤できる路線を見つけて、その沿線エリアで理想の中古マンションを探してみるのもよいのではないでしょうか。

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