マンションの買い替えを検討し始めたばかりという方のために、マンション買い替えのメリット・デメリットに加えて、おおまかな流れや知っておくべき知識、住み替えるならマンションか戸建てかなどの注意点を解説します。
更新日:2023年12月19日
イエシルコラム編集部
株式会社リブセンス
IESHIL編集部東京・神奈川・千葉・埼玉の中古マンション価格査定サイトIESHIL(イエシル)が運営。 イエシルには宅建士、FPなど有資格者のイエシルアドバイザーが所属。ネットで調べてわからないことも質問できるイエシル査定サービスを展開しています。
「家族が増える、子供の成長などで今のマンションでは手狭」、「自身の転勤や子供の進学」など、マンションを買い替えるタイミングは意外に多いです。
「部屋数が増える」、「通勤・通学の利便性が上がる」といったメリットばかりに目を向けがちですが、デメリットを知ることも大切です。
この記事では、マンションの買い替えを検討し始めたばかりという方のために、マンション買い替えのメリット・デメリットに加えて、おおまかな流れや知っておくべき知識、住み替えるならマンションか戸建てかなどの注意点を解説します。
さらに、「今のマンションのローンが残っているけど、どうすればいいの?」という疑問にもお答えします。
この記事を参考にしてイメージをつかみ、マンションの買い替えに向けて動き出しましょう。
マンションを売却するには、まず査定を受けて、いま住んでいるマンションがどのくらいの金額で売れるかを把握します。査定額は不動産会社によって差があるので、複数の業者へ査定を依頼することが大切です。
仲介を依頼する不動産会社を決めて媒介契約を結んだら、いよいよマンションの売却活動を始めます。
売り出しを開始したら、内覧希望者の対応・案内が必要になります。内覧可能な日時などを不動産会社を通して、希望者に連絡します。どうしても当日の案内が難しい場合は、内覧の対応を不動産会社にお任せすることも可能です。
買い手が見つかったら、売買契約を結びます。その後、住み替える物件へ引っ越しを済ませ(物件購入の流れについては次項で説明します)、これまで住んでいたマンションを引き渡します。
マンションの売却を先にするか、物件の購入を先にするかについては後ほど説明しますので、ここではおおまかな流れをつかみましょう。
住み替え物件を購入するには、まずは物件探しから始めます。希望する物件が見つかったら、手付金を払って購入申し込みをし、同時に住宅ローンの事前審査を受けます。売買契約は住宅ローンの事前審査が通ってからです。
売買契約が成立したら、住宅ローンの本審査を受けましょう。住み替える物件の引き渡し日には、売買代金から手付金を差し引いた残金を支払って鍵を受け取り、晴れて新居へ引っ越します。
マンションの買い替えを検討するにあたり、必ずおさえておきたいのが「売り先行」と「買い先行」です。
それぞれのメリット・デメリットや、どんな人に向いているのかを解説します。また、「業者買取」についても説明します。
<メリット>
<デメリット>
売り先行は資金繰りが楽になるため、いま住んでいるマンションの住宅ローンがまだ残っている人に向いています。売却した代金を住み替え物件の購入資金に充てることができるので、経済的な負担が軽くなるためです。
売り先行は、住みながら売却活動をするので、内覧希望などへの対応が必要となります。週末や休日は内覧希望者へ対応するために外出が難しくなりますし、常に室内をきれいな状態に保っておかなければなりません。
売り先行は、売却と購入を並行して行います。理想は、住んでいるマンションから住み替え物件への引っ越しが同日であることです。
タイミングがずれると仮住まいが必要となり、その間の家賃などが発生するだけでなく、引っ越し費用も2回分発生するからです。
売り先行では、スケジュールの調整が最大のポイントになります。
買い先行とは、住み替える物件を購入して引っ越してから、住んでいたマンションを売却する買い替え方法です。仮住まいをする必要がないので、仮住まいへの引っ越し費用や賃借料など、余分な費用がかかりません。
<メリット>
<デメリット>
買い先行は、住んでいたマンションの住宅ローンが完済している人や、売却資金に頼らなくてもいいような、経済的に余裕のある人に向いています。売却するマンションのローンが残っていると、住宅ローンが二重に発生するからです。
買い先行は、売却と購入を切り分けて活動するので、今のマンションに住みながら、じっくりと理想の物件探しができます。
売却活動を始めるのは、住み替え物件に引っ越してからなので、内覧に立ち会う必要はありません。
ただし、住んでいたマンションが売れるまでは自分の資産のため、売却が長引けばそれだけ維持費や固定資産税がかかります。
買い先行でも、いま住んでいるマンションを早めに売却することが大切です。
業者買取とは、個人にマンションを売るのではなく、不動産会社にマンションを買い取ってもらう方法です。短い期間で、手間や費用をかけることなく、確実にマンションを売却したい人に向いています。
<メリット>
<デメリット>
業者買取は、不動産会社がマンションの査定をして、売り主が価格に納得すればすぐに売却することができます。引き渡し日など、売り主の希望に沿って進められるのも魅力です。
時間的に余裕がない、まとまった資金を早めにほしい、売却したいマンションがなかなか売れないといった人は、業者買取も視野に入れましょう。
ただし、マンションの売却価格は市場より大幅に低くなります。不動産会社は、購入したマンションに手を加えて転売する目的があるからです。
不動産会社によっては、不用品の処分費用などが発生します。想定していなかった費用を請求されて驚くことがないよう、事前に確認が必要です。
マンション買い替えを検討するときに、次に住むのは「マンション」か「戸建て」で悩む方も多いでしょう。共通しているのは、「ライフスタイルに合わせて、より良い環境で生活したい」という願望です。
それぞれのメリット・デメリットについて解説します。
<メリット>
<デメリット>
ほとんどのマンションは、駅や病院、学校などの公共施設の近くにあります。立地条件の良いところに住みたい方や、これまでの生活のようなマンションライフが気に入っている人は、マンションへの住み替えがおすすめです。
ただし、リバースモーゲージを利用することはできません。
リバースモーゲージとは、自宅を担保にして、住み続けながら融資を得るものです。金融機関にもよりますが、一般的には55歳~80歳までが利用可能となります。
老後を考え、自分がシニア層になったときに利用するかどうかも考える必要があります。
<メリット>
<デメリット>
戸建ては、管理費や修繕積立金が不要で、マンションに比べて固定資産税も安くなるので、維持費を抑えることができます。
ほとんどが土地とともに購入するので、庭にしたり趣味のものを置いたりと、趣味や暮らしを充実させることができます。リバースモーゲージを利用することも可能です。
一方で、セキュリティー面が弱くなります。戸建ては、マンションには当然のようにあった防犯カメラやオートロックなどがありません。
また、マンションのように管理人さんはいないので、家の中も外も自分で管理・清掃し、劣化すれば業者の選定から依頼、支払いまですべて自分で行うようになります。
マンションの買い替えを考える上で、大きく立ちはだかるのが住宅ローン問題です。「いま住んでいるマンションの住宅ローンがまだ残っている」という方がほとんどでしょう。
基本的に、いま住んでいるマンションを売却するには、残りのローンを完済しなければなりません。しかし、次のように住宅ローンが残っている状態でも買い替えられるローンの仕組みがあります。
住宅ローンが残っているからといって、マンションの買い替えをあきらめなくていいのです。それぞれにメリット・デメリットがあるので、ひとつずつ解説していきましょう。
つなぎ融資とは、いま住んでいるマンションの売却代金が入る前に、住み替える物件の支払いが先になった場合、一時的な資金不足を補うためのものです。
借り入れる期間は1か月~1年以内と短い期間です。売却した代金が入金になれば一括で返済するので、「つなぎ」的な役割をします。
<メリット>
<デメリット>
つなぎ融資を利用すれば、マンションを売却する前に住み替え物件を購入できるので、引っ越しが一度で済みます。買い先行のメリットを活かせる融資といえるでしょう。
ただし、つなぎ融資は通常の住宅ローンよりも金利が高くなります。
さらに注意が必要なのが、つなぎ融資は不動産会社のサービスの1つであり、すべての金融機関で取り扱っているわけではありません。
利用する可能性のある人は、つなぎ融資サービスのある不動産会社を選ぶようにしましょう。
ダブルローンとは、いま住んでいるマンションのローンを支払いながら、住み替える物件のローンを借り入れることです。
<メリット>
<デメリット>
ダブルローンは二重にローンが発生しますが、理想としていた物件を見つけたときにすぐに購入することができます。仮住まいの心配がなく、住み替え物件へすみやかに引っ越せるのが強みです。
さらに、住んでいたマンションは空き家になるので売却しやすくなります。買い先行の人に向いているローンといえるでしょう。
一方で、ダブルローンは利用者にとって月々の負担が大きくなると同時に、金融機関にとっても「確実に返済してもらえるのか」というリスクがあります。そのため、ダブルローンの審査は通常よりも厳しくなります。
買い替えローンとは、いま住んでいるマンションを売却しても住宅ローンが残ってしまう場合、購入する物件のローンに残ってしまったローンを合わせて借り入れることができるものです。
たとえば、いま住んでいるマンションの残っているローンが2,000万円で、売却額が1,800万円だった場合、一括で返済するには200万円不足します。住み替える物件の購入価格が2,500万円なら、残ったローンの200万円を足して、合計2,700万円の住宅ローンを借り入れるというものです。
金融機関によっては「住み替えローン」ともいいますが、どちらも同じものです。
<メリット>
<デメリット>
買い替えローンは、残ったローンの完済を待つことなく、資金不足でもマンションを買い替えることが可能です。
ローンを一本化するため、ダブルローンに比べて返済の管理がしやすくなります。
一方で、買い替えローンは金利の引き下げ幅を低く設定するため、最終的に金利が高くなります。
金融機関にとっては、購入する物件の価値以上の金額を貸し付けることになるため、ローンの審査は厳しくなると想定しておきましょう。
マンションの買い替えには大きな金額がかかるので、費用を少しでも減らしたいのが正直なところです。
ここでは、マンション買い替えの手間や費用をおさえる3つのコツをご紹介します。
いま住んでいるマンションを売却できても、住み替え物件を購入するタイミングがずれてしまうと、仮住まいが必要になります。
そうなると、仮住まいでの生活費がかかるだけでなく、いま住んでいるマンションから仮住まいへの引っ越し、仮住まいから住み替え物件への引っ越しと、引っ越し費用も2回分発生してしまいます。
そのような手間や費用を減らすには、「同時決済(同日決済)」が有効です。同時決済とは、マンションの売却と住み替え物件の購入を同じ日に行うことです。
いま住んでいるマンションに残っている住宅ローンを完済する日と、購入物件のローンを借り入れる日が同じになるので、ダブルローンが発生しません。
同時決済なら、いま住んでいるマンションから購入した物件へ引っ越すことができるので、仮住まいをする必要もありません。
このように、同時決済は手間や費用が削減できますが、最大のポイントは売却と購入が同じタイミングであることです。売り主・買い主・不動産会社・金融機関との連携やスケジュール調整が大きな”カギ”となります。
しかし、売却と購入を同じ不動産会社へ依頼することで、売り主・買い主・金融機関とのスケジュール調整がしやすくなります。
同時決済を目指すなら、マンションの買い替えを同じ不動産会社へ依頼することで可能性がグンと高まります。
マンション買い替えの資金計画を立てるには、いま住んでいるマンションがいくらくらいで売れるのか、まずは妥当な価格を知ることが重要です。
イエシル査定なら、不動産のプロであるイエシルアドバイザーがデータをもとに価格を算出して、売れるであろう妥当な価格をお伝えします。
また、年間約1,000組の売買相談に乗っているアドバイザーたちが、マンション買い替えにあたっての注意点なども状況に合わせて個別で解説します。
マンションの買い替えには大きな金額がかかることですが、だからこそ、より良い暮らしを叶える充実感があります。
それぞれのメリット・デメリットを理解してイメージできたら、マンションの買い替えに向けて動き出しましょう。
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