不動産の匿名査定ってどうなの?メリット・デメリットを知って賢く査定を!

不動産の売却を考えている方は、自分の家がいくらで売れるか気になりますよね。 でも不動産会社に相談したら、営業の連絡がしつこいかも…とお悩みではありませんか?実は最近では、匿名で不動産査定できるサービスもあるんです。本記事では匿名査定のメリット・デメリットを解説します。

更新日:2019年09月25日

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イエシルコラム編集部

株式会社リブセンス

IESHIL編集部

東京・神奈川・千葉・埼玉の中古マンション価格査定サイトIESHIL(イエシル)が運営。 イエシルには宅建士、FPなど有資格者のイエシルアドバイザーが所属。ネットで調べてわからないことも質問できるイエシル査定サービスを展開しています。

不動産の売却を考えている方は、自分の家がいくらで売れるのか気になりますよね。でも不動産会社に相談した場合、「営業の連絡とかしつこかったら嫌だし…」とお悩みではありませんか?「いくらで売れるか」は、不動産会社に査定してもらうことで知ることができます。
一般的な査定は、連絡先や物件概要を不動産会社に知らせる必要があります。
でも実は、近年では匿名で査定できるサービスもあるんです。ただ不動産の匿名査定は便利な反面、いくつかデメリットがあることも事実。本記事では、匿名査定のメリット・デメリットを解説します。


不動産の査定方法は大きく分けて3つ

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1.匿名査定

今回の議題でもある「匿名査定」は、その名の通り匿名で依頼できる不動産査定です。依頼主の氏名や住所、電話番号などの個人情報を伝えることなく、物件の簡単な概要を伝えるだけで査定してもらうことができます。査定結果を送ってもらう都合上、メールアドレスは伝える必要はありますが、多くの場合、不動産会社にまでメールアドレスが伝わることはありません。査定終了後、匿名査定サイトの運営者が査定結果を送付してくれます。

2.机上査定

依頼主の個人情報を開示して依頼する査定方法は、2つあります。その1つが、「机上査定」です。こちらもその名の通り、机上でおこなう査定。不動産会社が実際に物件を見ることはないので、後述する訪問査定より簡易的な査定となります。ただ物件情報については詳細を伝えるため、匿名査定より圧倒的に精度は高いといえるでしょう。

3.訪問査定

3つ目は、「訪問査定」です。不動産会社が実際に物件を訪問し、隅から隅まで見て査定するので、3つの中で精度が一番高い査定方法となります。ただし不動産会社や担当者によって査定基準や見解は異なりますので、精度は高いとはいえ、適正価格を知るには複数社に査定してもらうことが大切です。実際に不動産を売却することになれば、訪問査定は必須です。

「一括査定」は査定の方法ではない

「一括査定サイト」の存在を知っている方もいらっしゃると思いますが、「一括査定」は査定の方法ではありません。不動産会社を選定して、机上査定もしくは訪問査定を複数社に一括で依頼できるというのが一括査定というもの。査定依頼のためのサービスの1つという位置付けですね。


匿名査定のメリット

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匿名査定のメリットは、次の2つです。
  • 個人情報がさらされない
  • 簡単に概算相場を把握できる
ここから、具体的に見ていきましょう。

個人情報がさらされない

不動産の査定方法は3つありますが、不動産会社に個人情報が伝わらないのは匿名査定のみです。今の時代、個人情報の保護についてはシビアになっていますが、自己防衛のためにも少しでも個人情報を外部には漏らしたくないもの。さらに不動産会社に連絡先が伝わらないことで、しつこい営業がかけられることも皆無だといえます。

簡単に概算相場を把握できる

机上査定や訪問査定は、査定結果が出るまでに時間がかかります。机上査定は数日間で結果は出るでしょうが、訪問査定の場合は不動産会社に訪問してもらう日程を調整してから、そこからさらに数日間かかりますので、早くても1~2週間ほど。匿名査定はというと、早ければ瞬時に査定結果が出ることもあります。


匿名査定のデメリット

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一方、匿名査定には次のようなデメリットがあります。
  • 「概算」の域を出ない
  • 専門家とやり取りできない
こちらも詳しく見ていきましょう。

「概算」の域を出ない

匿名査定は、物件の詳細まで伝えることはないので査定の精度は低いと考えておきましょう。また不動産会社は、「名乗って連絡先も教えてくれる依頼主」と「匿名の依頼主」、どちらの査定に力が入ると思いますか?当然ながら、前者でしょう。匿名査定の結果は、多くの場合「3500万円~4000万円くらい」などと幅があるものです。やはり物件詳細がわからず、依頼主も特定できない中での査定では、「概算」の域を出ることはありません。売却には訪問査定が必要になりますから、匿名査定する場合、二度手間になってしまうともいえます。

専門家とやり取りできない

匿名査定は、実際に不動産会社とやり取りすることはありません。
「やりとりが面倒ではない」といえばメリットになるかもしれませんが、不動産や売却に関する様々な疑問や悩みを不動産会社の担当者に相談できない点はデメリットになるといえるでしょう。不動産を売ろうと考えるに至るまでには、買い替えや相続、離婚などの理由があるはずです。状況によっては、税金や法律等の問題を解消しなければ売却できないこともあります。査定時に問題点を解消する、もしくは解消する方法を聞くことができれば、売却に1歩でも2歩でも近づくことができますが、匿名査定の場合は単に売却価格の概算を聞くだけ。
結果として、売却するまでの道のりにおいて前進したとはいえないのです。
とはいえ「いくらくらいになるのか概算でも知りたい!」という人にとって、匿名サイトの利便性や手軽さはメリットなのは確かであると言えるでしょう。


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査定の目的は適正価格を知ることと不動産会社の見極め

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ここまで、匿名査定のメリットやデメリット、机上査定や訪問査定のことなど見てきました。
ここで初心に帰り、「なぜ査定するのか」ということを考えてみましょう。その答えは、今すぐにではないにしても「家を売るため」ですよね。残念ながら、家を売るためには匿名査定は大きな意味を持ちません。必要なのは、査定によって適正価格と不動産会社の見極めをすることなのです。

家を売るには訪問査定が必須

再三申し上げていますが、不動産は不動産会社に訪問査定してもらわなければ売ることはできません。実際に訪問されたり、連絡先を伝えたりするのは面倒だと感じるお気持ちはわかりますが、この過程が無ければ家が売れない以上、匿名査定や机上査定をする方が面倒だと言い換えることもできます。

なにより査定の目的は、適正価格を知るため。
「査定額=売れる金額」ではないので、査定額に幅があったり、高額査定であったりしてもなんの意味もありません。
適正価格を把握した上での価格設定は、早期売却、高額売却のために重要なことです。

査定は不動産会社を見極める場でもある

査定の目的は、適正価格を知るためだけではありません。
不動産会社の信頼性や担当者の人間性などを見極める場でもあるのです。

「このエリアを得意としています!」「お客様に寄り添って仲介いたします!」
こんなことを宣伝文句にしている不動産会社でも、実際に会って話したり、成約事例を見せてもらったりしたら、全然イメージと違ったということはよくあるもの。不動産会社を見極めるには、実際に会って話すことが大切なんですね。

訪問査定は、不動産会社の担当者と物件の話をしたり、こちらの疑問や悩みを打ち明けたりもできる大事な場です。
匿名査定だと、この大事な機会を持つことができません。

売却を本格的に考えるなら不動産会社の選定から始めるべき

査定は、どの不動産会社に依頼してもいいものではありません。
手あたり次第に査定依頼していれば、それこそ時間の無駄です。まずは査定依頼する不動産会社を見極め、さらに査定の場で売却を依頼する不動産会社を見極める。これが売却までの適切な過程です。

匿名査定サイトや一括査定サイトは、自動的に不動産会社を提案してくれる機能があるので大変便利ではあります。
しかし選定基準は、そのサイトに参画していて、エリア的に対応可能だというだけ。
まずは、自分の不動産にはどんな不動産会社が適しているのか、不動産会社ごとの特徴にはどんなものがあるのかなどをご自身で認識することが大切なんですね。

IESHILでは個別相談会を実施しており、弊社の業界経験豊富な専門アドバイザーに悩みや疑問をご相談いただくことが可能です。中立的な立場で不動産会社の紹介や売却のコツをアドバイスさせていただきますので、こちらもぜひご活用ください。
個別相談は無料でご利用いただけます。


まとめ

不動産の匿名査定は、決して悪いサービスではありません。
ただし物件価格の概算のみしか知ることができないことは、あらかじめ認識しておきましょう。いざ売却を考えたときには改めて訪問査定を依頼しなければならないので、二度手間になってしまったり、実際の査定額と違って当惑してしまったりする恐れもあります。匿名査定には「個人情報がさらされない」「簡単」というメリットはあるものの、査定の真の目的を考え、賢く査定サービスを利用してください。

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