【2025年8月発表:最新版】首都圏中古マンション、新規登録件数が再び減少。千代田区が転売の5年制限を要請、価格への影響は?

2025年8月に東日本レインズが発表した「月例速報 Market Watch」によると、2025年7月度の首都圏中古マンションの新規登録件数は再び下落に転じ成約㎡単価は63カ月連続で上昇しました。 首都圏のマンション価格の高騰の原因の1つとして、海外投資家が投機目的で取引をしていることが考えられます。千代田区では不動産協会に5年間の転売規制などの要請をしました。マンション売却をお考えの方は、早めの準備をおすすめします。

更新日:2025年08月21日

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この記事の要点
  • 首都圏中古マンション、新規登録件数が再び下落、在庫件数は15カ月ぶりにプラス。成約㎡単価は63カ月連続で上昇
  • 千代田区は、区内のマンション転売を5年間不可とする特約を付けるなど、投機目的の取引に関する取組実施の要請を不動産協会に行った
  • 既に「短期の転売規制禁止の特約をつけている不動産会社がある」という報道も
  • 日銀4会合連続で政策金利を0.5%で据え置く一方で、大手銀行5行は固定型住宅ローン金利を引き上げる
  • 首都圏マンション価格の高騰とローンの金利引き上げで、購入を諦める世帯が増える恐れも。不動産売却をお考えの方は早めの準備を

不動産会社ではない中立メディアのイエシルが、営業要素ゼロの価格を算出します。 ”成約の妥当価格”を知っておくと、不動産会社が出す査定額の「高すぎる」、「安すぎる」を見抜くことができます。

■2025年7、8月度のTOPICS

■TOPICS1 首都圏中古マンション、新規登録件数が再び下落へ。在庫件数は15カ月ぶりにプラス

2025年8月に東日本レインズが発表した「月例速報 Market Watch」によると、2025年7月度の首都圏中古マンションの新規登録件数は再び下落に転じました。

在庫件数は14カ月連続で減少していたものの、15カ月ぶりにプラスとなっています。

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毎月若干の変動がありますが、長期的に在庫件数と新規登録件数は下落傾向にあります。一方で、成約件数は9カ月連続で増加、成約㎡単価は 63カ月連続で上昇しています。
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出典:公益財団法人東日本不動産流通機構「REINS TOWER

新規登録㎡単価も15カ月連続で上昇しており、今後もマンション価格の上昇が予測されますが東京都千代田区は2025年7月18日、一般社団法人不動産協会に投機を目的とするマンション取引の防止に協力するよう要請しました。

■TOPICS2 千代田区が不動産協会にマンションの転売規制を要請、投機目的の取引を抑制へ

2025年7月18日、千代田区役所ホームページに千代田区が一般社団法人不動産協会に対して、原則5年間転売を規制するなど千代田区内の投機目的でのマンション取引を抑制するための施策を要請したことを公表しました。

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出典:千代田区役所「千代田区内の投機目的でのマンション取引等に関する要請について(令和7年7月18日配信)」

要請文、プレスリリースには、国外からの投機を目的としたマンション取引が行われており住宅価格や賃料の上昇により区内に居住したい方々が住めないことの想定や、住環境整備への悪影響を懸念し、一般社団法人不動産協会に対して以下の要請を行いました。

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出典:千代田区役所「千代田区内の投機目的でのマンション取引等に関する要請について(令和7年7月18日配信)

さらに2025年7月30日、樋口高顕千代田区長は日本経済新聞のインタビューに応じ、「区は今回、マンションのデベロッパーにヒアリングし、登記情報も調査した。その結果、国内だけでなく海外からの投機目的と思われる取引が見受けられた。なぜ投機が起きるのか。1年で転売して諸経費と譲渡所得税を支払っても相当な利益が出るからだ。価格は今後も上がりそうだ。投機的な動きを抑えなければならない」と語りました。

さらに「今回は千代田区が一石を投じたが、効果が出れば他の地域にも波及するのではないか」「今後も新築マンションの販売や投機の動向を注視し、他の自治体の事例も参考にして、手を緩めることなく様々な角度から有効な手立てを考えていくつもりだ」と述べています。

千代田区には番町、四谷、麹町、飯田橋などに高級マンションが点在しています。

NHK NEWS WEBには、「一部の不動産会社では、短期の転売を防ぐための特約をすでにつけるなどの自主的な動きも出ています」という記述もあり今後マンションの転売規制が進むかもしれません。

■TOPICS3 日銀4会合連続で政策金利を0.5%で据え置き、一方で大手銀行5行は固定型住宅ローン金利を引き上げる

日本銀行は2025年7月31日に開いた金融政策決定会合で、アメリカの関税措置の影響を慎重に確認する必要があるとして、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.5%で据え置くことを決定しました。利上げの見送りは今回で4会合連続となります。 

一方で、同日に三菱UFJ銀行など5行が10年固定型の住宅ローン金利を引き上げることを発表しました。変動金利型の住宅ローンの基準金利は5行とも据え置きです。

住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者の実態調査(2025年4月調査)」によると、「変動型」を利用した人の割合は79.0%、「固定期間選択型」が12.2%、「全期間固定型」が8.8%となっています。ただし、同調査では借入金利の「年0.5%超~年1.0%以下」の割合が増加、「年0.5%以下」の割合が減少しており2024年の調査より金利が高めの傾向にあります。また、返済期間は「20年超~35年以内」の割合が60.9%と6.2ポイント減少、「35年超~50年以内」の割合が25.5%と4.6ポイント増加しており返済の長期化が進んでいることが分かっています。

■TOPICS4 マンション売却をお考えの方は早めの準備を

2025年7月は千代田区が全国で初めてマンション転売規制を不動産協会に要請するというニュースがありました。一部の不動産会社では、既に短期の転売を禁止する特約を付けている企業があるという報道もあります。転売規制が幅広く実施された場合、首都圏中古マンション価格に影響を及ぼす可能性があります。

マンション売却をお考えの方は、早めに専門家への相談や査定などを行うことをおすすめします。イエシルアドバイザーは、不動産仲介経験10年以上、宅地建物取引士などの有資格者といった資格と経験を持つ人のみで中立な立場でご相談に応じます。

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