不動産売却に際して、どのタイミングで税金を支払えば良いのか分からないという人も多いのではないでしょうか。不動産売却に関する税金は多岐に及ぶので、それぞれの税金で納めるべきタイミングが異なるので注意しましょう。例えば印紙税は不動産売買契約書の発行に際して必要になるため、不動産の売却手続き時に納めます。
一方、所得税と復興特別所得税は確定申告期間中に納税しなければならないので留意しておきましょう。具体的には不動産を売却して譲渡所得が発生した年の「翌年2月16日~3月15日」の間に納税する事になります。
不動産売却の税金について特に気をつけておきたいのは「住民税」の納税についてです。
住民税の納付方法には勤め先の給与から毎月源泉徴収して支払う「特別徴収」と、送られて来た納付書を用いて3ヶ月分ずつをコンビニや銀行などで支払う「普通徴収」の2パターンがあります。所得税を確定申告する際に、どちらの徴収方法で住民税を納付するかを選択する事が可能です。なお、普通徴収を選択した場合は納付書に記載された期限までに納めれば問題ないので、3ヶ月分ずつ支払うか1年分を一括で支払うかを選ぶ事も出来ます。自身の収入状況や都合に合わせて納付方法を選択しましょう。
前述の通り、譲渡所得を求める計算式は「譲渡所得=譲渡価格-(取得費用+売却費用)」となっています。
譲渡所得税はこの「譲渡所得」に税率を掛ける事で算出する事が可能ですが、場合によっては税率を掛ける前に行うべき計算がある事に注意しましょう。
建物の場合は「取得費用」から「減価償却費」を差し引かなければなりません。減価償却費の具体的な計算式は「建物の取得費×0.9×償却率×経過年数」となっています。償却率は建物の構造によって異なり、「木造=0.031」「軽量鉄骨=0.025」「鉄筋コンクリート=0.015」です。さらに、売却する不動産が特別控除に当てはまっている場合は、ここまでの計算を行った後に譲渡所得から特別控除分を差し引きしましょう。
こうして割り出した譲渡所得額に所定の税率を掛ける事で、始めて正確な「譲渡所得税」が明らかになります。
不動産売却をしたら売却した年の翌年2月16日~3月15日の期間に税務署で確定申告を行い、発生した税金を納付しなければなりません。申告先の税務署は売却した不動産のある地域を管轄しているところになるので注意してください。
しかし、申告期間が1ヶ月しかないため仕事が忙しい人などは税務署へ足を運ぶ時間を作るだけでも一苦労でしょう。そんな場合は書類を郵送したり、e-tax(国税電子申告・納税システム)でインターネットから確定申告するという方法もあります。
なお、e-taxの利用にはマイナンバ―カード(電子証明書内蔵)と市販されているカードリーダーが必要になるので留意しておきましょう。
確定申告が終わってもまだ安心は出来ません。不動産売却で発生した税金の納付も、確定申告の期間中に行う必要があるのです。納付方法は納付書を利用して税務署や銀行で現金にて納付するというベーシックなものから、指定した口座からの口座振替、e-taxを利用した場合はダイレクト納付・インターネットバンキングによる電子納税などが利用可能となっています。
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