今後は不動産価格が下落?マンションの資産価値を守るコツとは

2019年現在、ここ数年間において中古マンションなどの不動産価格は高騰傾向です。しかし、高騰しているのには理由があり、2020年を境に現在の高騰傾向にある不動産価格が一気に下落するといわれています。この記事では、中古マンションの売買を検討している人であれば知っておくべき、2020年問題やマンションの資産価値を守るコツについて解説しましょう。

更新日:2019年09月10日

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イエシルコラム編集部

株式会社リブセンス

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東京・神奈川・千葉・埼玉の中古マンション価格査定サイトIESHIL(イエシル)が運営。 イエシルには宅建士、FPなど有資格者のイエシルアドバイザーが所属。ネットで調べてわからないことも質問できるイエシル査定サービスを展開しています。

1)今が不動産バブルと言われている理由とは

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東日本大震災やリーマンショックの影響で、不動産市場は停滞していました。
しかし、ここ数年において、かつてないほど高値でマンションが売買されることが続いています。ここでは、不動産が高騰している理由について説明しましょう。

東京オリンピック開催による建築費の高騰

2020年には東京オリンピックが開催されるため、スタジアムや競技施設、選手村やそれらに伴う付帯設備の建設、それ以外にもマンションなどのさまざまな建築工事や道路設備などの都市整備が行われています。
そのため、全国的な職人不足などによって、建築費や人件費の高騰を抑えることができない状況です。全国的に建設工事や設備工事は日々行われていますが、深刻な人手不足といわれている東京オリンピック関連の工事で、各地から職人や技能者が集められています。それにより、労務単価の上昇や出張宿泊費などの費用も大きくなっているのです。
その結果、新築マンションの建設コストが大幅に上昇し、販売価格もそれに伴い上昇しています。
そして、新築マンションの購入を検討していたが高くて買えないという人が、中古マンションの購入へシフトすることもあり、中古マンション市場の相場も高騰しているのです。

日銀による金融緩和

住宅ローンの金利が引き下げられると、マンションの価格は上昇する傾向があります。
2013年1月に、日本銀行が金融緩和(個人・企業がお金を借りやすくするため金利を引き下げるなどすること)を発表しました。その結果、住宅ローンの金利は大きく下がり、ローンの審査も緩和されたため、購入できるマンションなどの不動産価格が大きく上昇したのです。
例えば、低金利で銀行などからお金を借りることができたら、月々の返済負担額を抑えることができます。そのため、マンションに対しての需要が押し上げられるという結果になったのです。

海外投資家の参入

2013年、2020年のオリンピックに東京が選ばれたことにより、日本の不動産は中国人などの海外投資家から注目されるようになりました。多くの外国人が売却益を目的とし、東京都心部を中心に日本の不動産へ投資した結果、マンションなどの不動産価格が高騰したのです。
ただし、東京オリンピック開催の前年あたりからピークアウトし、売却が進む可能性が高くなっています。
売り時・買い時判断やあなたに合った物件の見つけ方、業界の仕組みまで、中古マンションの購入・売却のノウハウを徹底紹介。不動産会社ではなく、あなたのためのアドバイザーとして、中立的な立場からマンション売買のポイントをアドバイスします。

2)2020年以降に不動産価格が下落するとされる要因

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東京オリンピックが開催される2020年以降は、マンション価格が下落するとされています。ここでは、その主な要因について説明しましょう。

消費税増税

2019年10月に、消費税が8%から10%に増税されることが決定していて、増税前までに駆け込み需要が発生することが予想されています。そのため、駆け込み需要がひと段落したあとには、需要の冷え込みが続くと予測されているのです。
需要が低下することによって、おのずとマンションの販売価格も下がるとみられています。この駆け込み需要あとの需要の冷え込みは、2014年に消費税が5%から8%になったときにも起きた現象です。
例えば、総額5000万円だった場合、消費税8%なら税込5400万円で購入できます。消費税が10%なら税込5500万円となり、差額が100万円となるのです。
それに伴い、住宅ローンで借りる元本が高くなることで金利の金額も大きくなり、支払い総額では100万円以上の差がでてしまいます(借入期間によって差額は変わる)。このような、消費税の増税における需要の冷え込みによって引き起こされるマンション販売価格の低下は、必然的なことだといえるでしょう。

世帯数の減少

日本では深刻な少子高齢化のため人口減少が進んでおり、世帯数の減少は避けられません。
2020年以降には、都心部ですら人口が減少へと転じると予想されています。世帯数が減ると起こることが不動産への需要縮小です。世帯数が減り空き家が増えたところに、新築マンションの建築ラッシュが重なることで供給過多となり不動産の価格が下がるのです。特に、新築マンションの多くが売れ残ってしまうと、競争力に欠ける中古マンションでは不利な状況になる可能性が高くなります。
2020年の東京オリンピックに向けて、日本の景気は上昇傾向です。前回(1964年)の東京オリンピックでも同じように景気の上昇は見られましが、オリンピック終了後の景気は低下傾向へ転じています。
しかし、前回の東京オリンピックが開催された時期は、人口が増え続け高度経済成長期とも重なっている時期だったため、すぐに景気は回復しました。オリンピックによる景気の高低などが、大きく影響を受ける時代ではなかったということです。2019年現在では、今後日本の人口はしばらく減り続けることが予想されています(厚生労働省「日本の人口の推移」より)。そのため、2020年の東京オリンピック終了後に、景気が低下傾向になった場合、上昇に転じさせるのは簡単ではないといえるのではないでしょうか。

高齢化

日本では、前でも触れたように少子高齢化の影響で、人口減少に加えて高齢化も深刻な問題です。
高齢者が多くなると管理組合が機能せずに、管理不全のマンションが増えてしまう可能性があります。マンションには、共用部分の管理や修繕などが必要不可欠です。
例えば、外壁タイルの交換や外壁塗装、付帯設備の修繕や防水工事など年々必要な修繕工事が多くなります。これらの修繕工事が適切に行われなければ、マンションがどんどん老朽化し、衛生面の問題や景観の悪さなどによりマンションの価値をどんどん下げてしまうことになるでしょう。
人口が減り世帯数自体が減少したところへ、東京オリンピックの影響で新築マンションの建築ラッシュが重なり、供給過多といわれています。新築マンションが売れ残るといわれている状況で、管理不全の中古マンションを売るのは簡単なことではありません。立地に強みがあることや景観・設備が良いこと、金額が相場よりも低く設定されていることや空き部屋が少ないことなどの条件をクリアしていないと、売却は難しいといえるでしょう。


3)不動産価値が下がりにくいマンションの特徴

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前章までで説明したように、マンションの価値は景気やオリンピックなどの大きなイベントに影響される傾向があります。
その中でも、不動産価値が下落しにくいマンション物件の特徴について解説しましょう。

利便性が良い

交通面や生活面での利便性が良いマンションは、価格が下落しにくい傾向にあります。
例えば、交通利便性に優れているマンションです。最寄り駅まで徒歩10分以内で、乗り換えも容易であるなどの条件が揃っているなら資産価値は低下しにくいでしょう。
また、生活利便性に優れた物件は、ファミリー層を中心に人気が高く、価値が維持されやすい傾向があります。近くに大型スーパーや金融機関、病院や学校などがあるとファミリー層にとっては長く生活していける環境といえるのです。
しかし、生活のためには会社への通いやすさも併せもった環境が必要なので、一点特化型ではなく交通と生活、双方の利便性が網羅されているマンションが理想的でしょう。

人気のエリアにある安心して快適に生活を送るためには、治安が良い・閑静な住宅街・高級感があるなどのさまざまな条件があります。
このようなブランド力があるエリアに建つマンションは、資産価値が下がりにくい傾向があります。
また、再開発など今後の発展が見込まれているエリアも、資産価値が維持されたり上昇したりする可能性が高いといえるでしょう。例えば、数年以内に、徒歩圏内に新駅や新線の建設が決定していることや、既存駅の周辺が大きくリニューアルされる予定などがあれば、資産価値が上昇する傾向にあります。

間取りが使いやすい

マンション周囲の環境以外にも、部屋の間取りが使いやすいかどうかということも重要です。
使いやすい間取りであれば誰にでも好まれやすく、値下げ無しでも売れるケースもあります。オプションを加えている場合は、デフォルトよりも収納が増えている、二重窓になっているなど、より便利になるようなオプションであれば受け入れられやすいでしょう。
しかし、自分の好みや都合で部屋の間取りなどを極端に変更してしまっていると、売れにくい傾向があります。
例えば、3LDKから1LDKにしたり脱衣所のドアを取り外したりなどのリノベーションをしていると、立地などが良くても購入を見送ってしまう買い手もいるのです。


4)できるだけ高い値段でマンションを売るコツ

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最後に、できるだけ高い値段でマンションを売るコツについて説明しましょう。

複数の業者から査定を受ける

マンションの査定を行う際には、ひとつの業者だけに依頼するのではなく、複数の業者に依頼して見積もりを取るべきです。その結果、もっとも高い査定をしてくれた業者に依頼すると良いでしょう。業者によって、数百万円の違いがあることは珍しくありません。
また、売れる場所であっても「売れない可能性があるから我が社で買い取ります」などいって、相場よりも大幅に安い金額で交渉してくる業者もあります。多くの業者から見積もりを取っているなら、このようなケースで悩まずに断ることができるでしょう。多くの業者が取り扱いたいと思うような物件であれば競争が生まれ、より高い値段をつけてくれる可能性も高まります。

築年数が浅いうちに売る

一般的に売れやすいマンションの特徴として、外観もまだきれいな築浅の物件であることが挙げられます。
マンションの設備は、日々最新のものへとアップグレードされているため、5年以上経っているマンションの設備は最新のものという認識はされません。そのため、買い手は古いとされる設備のマンションより、新しい設備のマンションを少しくらい価格が高くても買いたいと考えるのです。特に、築10年以上になると、マンションの修繕積立金や管理費が急に上がることが多く、売却においては不利になる場合もあります。


マンションの売却を検討している場合は早めに動こう

記事内で述べたように、マンションの不動産価値は交通利便性や生活利便性、景観や管理面などのさまざまな外部環境にも大きく影響を受けるものです。東京オリンピックが開催される2020年以降は、不動産の価値が下落するとみられています。
マンションの売却を考えている場合は、自分だけで悩まず早めにプロへ相談してみてはどうでしょうか。
初心者歓迎!不動産会社ではなく、あなたのためのアドバイザーとして、中立的な立場からマンション売買のポイントをアドバイスします。

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