マンション売却の流れを徹底解説!よくある疑問にも答えます

転勤や転職、あるいは家族の事情などで、マンションを手放すことを検討している方も多いでしょう。 しかし、マンションを売却すると一言にいっても、どのようなプロセスで手続きをしていけばいいのかわからないことは多いです。そこで、今回の記事ではマンションを売却する際の基本的の流れを解説し、その疑問点などについて、初歩的な点も含めて答えていきます。

更新日:2019年09月06日

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IESHIL編集部

1)マンション売却の流れは7ステップ!

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それでは早速、マンションの売却の大まかな流れについて説明しましょう。
大きく分けて7つのステップに分けることができます。売却の意思を持つところから売却後の引っ越しまで、それぞれのステップごとに基本的なところを押さえておくことが大切です。

マンション売却ステップ1:売却の意思の確認
マンションの売却は、家族にとって大きな決断を迫られるものです。
そのため、売却を決断する前に家族の意思をしっかり確認しておく必要があります。
ここでの「家族」とは同居する家族全員のことです。たとえば、家主である夫が、今住んでいるマンションの価格相場が上がったことを知って、「今のうちに買い換えた方が得だ」と考えたとしましょう。しかし、ここで夫の一存で勝手にマンションを売却する、というわけにはいきません。必ず同居する妻なり、そして子どもなりの意思を確認する必要があります。
売却した方が経済的に得をすることになったとしても、妻や子ども側は生活環境を変えることを嫌がって猛反対する、といったケースもよくある話です。住居はそこに住む家族にとって生活、ライフスタイルに直結する問題なので、売却を検討する場合は同居家族とよく話し合って決めなければなりません。

さらに、同居していない家族や親族の意思を確認しなければならないケースもあります。
たとえば、マンションが「共有名義」となっている場合です。「共有名義」のマンションとは法律上、複数の共有者が1つの不動産を「持分」という割合で所有している状態です。持分は「所有権の3分の1」「所有権の10分の1」といった形で分配されますが、これは不動産の「どこの部分だけ所有する」といった形ではありません。
この「共有名義」のマンションの売却では、共有名義人すべての同意がなければ、法律上売却できないということになっています。ただ、同居する家族だけが共有者となっている場合は、お互いの意思をよく確認すればいいだけです。
ところが、難しいケースなのは「遺産共有」となっているマンションの場合です。たとえば、夫が亡くなって妻と子ども3人がマンションを相続し、マンションがこの4人の共有名義になっていたとしましょう。現状、このマンションに住んでいるのは妻と子ども2人です。もう一人の子どもは独立後、家族と疎遠になっています。
こういったケースであっても、マンションが4人の共有名義になっている以上は、売却の際に同居していない子どもの同意も必要になるのです。
このように、マンションの売却では家族1人の意思では決められないことが多いので、法的な状態などをふまえて、しっかり家族全員で売却の意思を確認しておきましょう。
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マンション売却ステップ2:価格査定・不動産会社決定
家族全員で売却する意思が固まったあとは、売却するマンションの価格査定を依頼し、その結果を参考にして売却を依頼する不動産会社を決定していく、というステップに入ります。いよいよ、売却に向けた手続きの始まりです。

ステップ2-1:ローン残債額の確認
まず、マンションを売却する前に確認すべきことが「住宅ローンの残債」がどれくらいあるか、ということです。
住宅ローンの残債が実際の売却金額よりも多かった場合、その差額分を自分で現金で準備しなければなりません。
なぜかというと、ローンの残っている住宅は「抵当権(ローンが支払えなくなった場合に、保証会社や銀行がマンションを差し押さえる権利のこと)」が外れないため、そのままでは売却交渉が進まないからです。
この「抵当権」の存在は、売却交渉をある程度進めてから発覚するケースがかなりあるので要注意です。売却依頼を受ける不動産会社側の営業マンも、売却交渉に必死なあまり、意外と住宅ローンの残債の有無を見落とすことがあります。

ただ、この抵当権を外すことに関しては、いくつか方法があります。
まず、売却金額でも足りない分を現金で用意できれば、これで抵当権を外すことが可能です。さらによくある一般的なケースとしては、買い替えローンを使うことで抵当権を設定し直す、という方法があります。
マンションの売却の多くは買い替えなので、新たに購入するマンションに前のマンションで残ったローン残債分の「抵当権」を、あらためて設定し直すことができるのです。いわば、抵当権を付け替える、という手続きになります。
このように、マンション売却ではマンションの売却価格を調べる前に、今のマンションに残っているローンの残債を確認しておくことが大切。その際には、「マンションの売却価格>住宅ローンの残債額+売却にかかる諸費用」となるように、しっかりと売却計画を立てておきましょう。


ステップ2-2:相場の確認
次に、マンションがだいたいどのくらいで売れるものなのか、という相場を確認していきます。
インターネットで簡単に調べることができるので、一括査定サイトや不動産のポータルサイトなどで、同じような物件の価格を調べておくといいでしょう。
その際に、いくつか押さえておくべきポイントがあります。
まず1つめは、築年数です。不動産は一般的に、築20年から30年までは価格が下がり続け、それ以降に下げ止まる、という傾向があります。そのため、築年数がある程度古くても、立地や状態のよさなどの条件が揃えば、売却価格が相場より高くなることがあるのです。ただし、基本的に不動産は築10年以内の物件が最も人気があるので、このあたりの見極めはそれぞれの物件によって違ってきます。
2つめのポイントは自分でいろいろな方向から情報を集める、ということです。
不動産会社によって同じ物件でも売却査定にかなり差が出ることがあります。よくあるのが、相場より大幅に高い値段で売り出してしまうと買い手がつかない可能性があるのを恐れて、不動産会社側があえて査定額を低めに出してしまう、というケースです。もしそのまま査定額をうのみにして予想よりも低い金額でしか売れなかった場合には、住宅ローンの残債を返せなくなってしまい、売却そのものを中止せざるを得なくなるケースも考えられます。
こうした事態を防ぐためにも、売却予定のマンションの適正価格はどれくらいかを、自分で把握しておくことは重要です。
多角的な角度から情報を集め、ある程度の価格相場をしっかり把握しておきましょう。
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ステップ2-3:必要書類の確認
マンションの売却への準備が整いだした段階で、売却手続きに必要な必要書類を用意しておきましょう。
マンションの売却に必要な書類は主に次の8つです。

1:登記済権利証または登記識別情報
2:登記簿謄本
3:身分証明書
4:実印・印鑑証明(共有者全員分)
5:固定資産税評価証明書もしくは納税通知書
6:マンションの管理規約・使用細則
7:マンションの管理費、積立金等がわかる書類
8:マンション購入時の売買契約書

このなかで、注意すべきなのは「登記済権利証(または登記識別情報)」。
昔は「権利(済)証」といわれていた書類で、マンション引き渡し後に司法書士から届いているはずです。
この書類はマンション売却時に必須のものなので、紛失してしまった場合は別途手続きが必要になります。もし見つからない場合は早めに不動産会社に相談しましょう。
この他には住民票(登記上の住所と現住所が違う場合のみ)、住宅ローンの残高証明書(返済が終了していない場合のみ)、マンション購入時の売買契約書や重要事項説明書、購入時のパンフレットなども用意しておくと、不動産会社との相談、売却手続きがスムーズに進みやすいです。

ステップ2-4:価格査定の依頼
ここまでの準備ができたら、いよいよ不動産会社にマンション価格の査定を依頼するという流れになります。
価格査定自体は近所の不動産会社に行ったり、不動産会社のWEBページから問い合わせたりして、簡単に依頼することが可能です。売却相場を把握するところで説明した「一括査定サイト」などで、複数見積もりを出してもらったうえで、より細かな査定を依頼することもできます。
ただ、注意すべきポイントは、不動産会社の伝えてくる査定額をそのままうのみにはしないということです。先ほども説明した通り、不動産会社ごとに売却戦略や事情が異なっています。媒介契約を結ぼうとして、査定額を相場より高めに提示してくる不動産会社もあるのですが、本当にその金額で売れるとは限りません。
また、あまりに低い見積もりを出す場合には、その会社が売却交渉に積極的でない、というケースも考えられます。
したがって、価格査定の依頼の段階で、しっかりと自分で価格相場や売却に伴う費用などを把握しておく必要があります。

ステップ2-5:不動産会社の決定
マンションの売却では、相談や価格査定の段階で複数の不動産会社と交渉することになるでしょう。
ただ、売却を具体的に進めるには、どこかの会社に決めなくてはなりません。どの不動産会社にするべきかの見極めとなるポイントは、査定額の根拠を担当者がしっかり説明してくれるのかどうか、という点です。特にこの段階で確認すべきなのは、担当者がこちらの疑問点に対してきちんと誠実に答えてくれるか、というところ。不動産売却においては、この担当者は非常に重要な役割を果たします。売却交渉なども担当者が窓口となって行うことになるので、担当者となる人が信頼のおける人物かどうか、という点はかなり重要なポイントです。
マンションの売却は大きなお金が動くだけでなく、家族の生活に直結する大きな活動ですから、不動産会社にとって不利な質問なども遠慮なく聞いておきましょう。重要な情報を知るだけでなく、どんな質問にも誠実に対応してくれるかどうかを見極めるうえでも重要です。
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マンション売却ステップ3:媒介契約を締結
売買を仲介してほしい不動産会社を選んだら、いよいよ契約を結ぶ段階です。
不動産売却を依頼する不動産会社と結ぶ契約を「媒介契約」と呼びますが、この媒介契約には3種類の契約があります。どの契約にするかは売主の意向で決めることが可能ですが、その際にはそれぞれの契約のメリット・デメリットを知っておく必要があるでしょう。

専属専任媒介契約
3つの媒介契約のうち、最も不動産会社と売主との間で生じる制限が強い契約が「専属専任媒介契約」です。
売主と仲介業者の結びつきが最も強い契約で、契約を結んだ不動産会社にしか仲介できない、という拘束力が生じます。
要するに、「私たちのマンションの売却交渉を、あなただけにお任せします」というかたちの契約と思ってもらっていいでしょう。
この契約のメリットの1つめは、不動産会社側には、1週間に1度以上の頻度で売主に販売活動を報告する義務がある、ということ。売主が販売状況を把握しやすい契約といえます。
メリットの2つめは、任せた不動産会社しかマンションを仲介できないため、その会社が積極的に広告費用をかけて活動してくれる、という点です。わかりやすくいえば、不動産会社も当事者として売却のために動いてくれるということになります。そして、この契約の場合には、不動産会社は全国の不動産会社が閲覧できる「レインズ」という指定流通機構へ、対象物件を登録する義務が生じる、という点も大きなメリットです。「レインズ」に登録された物件は全国レベルでの公開情報となるので、買い手を広く全国から集めることができるようになります。
反対に、専属専任媒介契約のデメリットとして考えられるのは、1社のみとしか媒介契約を結べないことによって、その会社の力量次第でマンション売却の時期やタイミングがかなり左右される、ということです。

さらに、売却に関する活動は契約を結んだ会社がその一切を担当することになるので、たとえ自分で買い手を見つけてきたとしても、その会社を介さずに契約締結することはできない、という点があげられるでしょう。

専任媒介契約
「専任媒介契約」は不動産会社と売主との間で生じる制限の強さが中間程度に設定されている契約です。
3種類の契約のうち、売主と不動産会社の結びつきが2つめに強い、とイメージしてください。この専任媒介契約のメリットとしては、次のような点があげられます。
まず1つめのメリットは、専属専任売買契約とは違って、売主が自ら買主を見つけて契約することも可能である、という点です。不動産会社に丸投げ、というかたちではなく、売主自らも積極的に買い手を見つける活動ができるのが大きな違いです。そしてメリットの2つめは、不動産会社に2週間に1度以上の頻度で売主に販売活動を報告する義務がある、ということ。
専属専任媒介契約よりは制限が緩いですが、それでも売主としては販売状況を把握しやすいという点にあまり差はありません。この専任媒介契約でも、不動産会社は「レインズ」に対象物件を登録する義務があるので、売却物件は全国レベルでの公開情報となります。
したがって、ある程度自分でも積極的に買い手を探したい、という場合は「専任媒介契約」を結んだ方がいいでしょう。
専任媒介契約のデメリット面は、専属専任媒介契約と同じく、1社のみとしか媒介契約を結べない、という点です。契約を結んだ不動産会社の力量に左右されるところが大きいうえに、専属専任媒介契約よりも不動産会社が積極的に動いてくれない、ということもあります。


一般媒介契約
「一般媒介契約」は不動産会社と売主との間で生じる制限の強さが最も弱い契約です。
3つのうち、両者の関係性が最も薄い契約といえるでしょう。一般媒介契約のメリットとしては、次のような点があります。まずメリットの1つめは売主が自ら買主を見つけて契約することが可能である、という点。
そしてもう1つが重要で、複数の会社と媒介契約を結ぶことが可能である、という点です。
ここが他の2つの契約と大きく違うところです。この契約を結ぶ場合は、どちらかというと売主主導で売却活動を行うことになります。
デメリットとしては、不動産会社に定期的に売主に販売活動を報告する義務がない、ということです。あくまでも売主主導での売却なので、不動産会社はその補助に回る、というかたちになります。
そしてもう1つのデメリットとして挙げられるのが、不動産会社に「レインズ」への登録義務がない、ということ。売却物件に関する情報の届く範囲が限られるということです。こうした点からも、「一般媒介契約」は、売主自らが買い手を見つけたいという場合に限定された契約だ、ということが理解できるでしょう。
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マンション売却ステップ4:販売活動
マンションの売却のステップも段々と進んできました。ここまでの準備が整ったら、いよいよ本格的な販売活動に入っていく、という流れになります。

ステップ4-1:販売価格の決定
不動産会社と媒介契約を結んだら、このタイミングでマンションの販売価格を決めることになります。
価格設定は非常に重要な局面です。価格相場については把握しているでしょうが、不動産会社ともよく相談して慎重に決める必要があります。そのポイントとなるのは、以下の3つの価格を考えておくということです。

1:希望価格(これで売れたらいいな、という価格)
2:相場価格(これなら売れると予想できる価格)
3:最低価格(これ以上安くはできない価格)

大まかな手順は、まずは希望価格で売り出し、なかなか売れない場合には、相場価格から最低価格へと、少しずつ値下げをする、という流れです。ポイントは3つの価格を想定しておくということ。

希望価格だけしか決めていない場合、なかなか売れない状態だとあせってしまい、いきなり最低価格まで値下げしてしまうというケースがかなりあります。しかし、これは大損につながる恐れがあるので、可能な限り避けた方がいいでしょう。
相場価格と比較して値下げの時期をよく見極め、段階的に価格を下げて様子を見る、という方法がマンション売却をうまく進めるためのコツです。

ステップ4-2:内覧のための準備・内覧対応
いよいよ販売が始まったら、内覧者を迎えるための準備を行います。
内覧希望の問い合わせがあればすぐに対応できるように、しっかり準備しておきましょう。内覧準備として必須となるのが、部屋の清掃です。特に、玄関、リビング、水回り、バルコニーは念入りに清掃する必要があります。
空き家状態のマンションであれば、専門のハウスクリーニング業者を入れておくことがおすすめです。費用は少しかかりますが(だいたい2~3LDKで10万円ほど)、売却のための必要経費と割り切った方がいいでしょう。まだ住んでいる状態のマンションであっても内覧を希望されることはありますから、 普段から部屋をきれいにしておくよう心がけてください。
清掃の他には、「余計な物を置かない」「部屋を明るくして広く見せる」「におい対策を行う」の3点に気をつけておくと、内覧者に良い印象を持ってもらえる可能性が高まります。
そして、実際に内覧者がマンションに訪れた際には案内を不動産会社任せにはせず、周辺の環境、住み心地など、内覧者が本当に知りたい情報を積極的に説明しましょう。こうすることでお互いの信頼度が高まり、交渉がスムーズに進んでいくきっかけとなります。

ステップ4-3:価格交渉・買主の決定
内覧者がマンションを気に入った場合、購入希望者の方から「買付証明書(購入申込書)」が提出されます。
この買付証明書に書かれている「購入希望価格」や「引渡し希望日」、「支払い方法」などの情報は、あくまでも買主側が希望する数字なので、売主側からの交渉の余地はあります。とくに「購入希望価格」は売主側の希望額とかなり差があることもあるので要注意です。売主側が納得できないときは、担当窓口となっている不動産会社を通じて交渉を行っていきましょう。こういった値引き交渉そのものに苦手意識を持つ人が多いですが、しっかり対応しておかないと大損をする可能性がある重要な局面なので、売主としては踏ん張りどころといえるでしょう。
そして、条件面で売主と買主の双方が納得したら、この段階で買主を決定します。マンションを買いたいという人が同時に複数名いた場合は、買付証明書が提出された順番にかかわらず、売却する相手を売主が自由に選ぶことが可能です。
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マンション売却ステップ5:売買契約締結
買い手が決まったら、いよいよ買主との間で売買契約を交わします。仲介する不動産会社ともよく打ち合わせをして、万全の準備をして契約に臨みましょう。

ステップ5-1:売買契約の締結
売買契約は買付証明書(購入申込書)を受け取ってから1週間後が契約をするタイミングの目安です。
だいたい1週間空く理由は、売主側に契約前の段階でいくつか確認しておくべきことがあるからです。必ず目を通しておきたいのが、買主の住宅ローン事前審査が通っているか、という点です。ここをきちんとクリアしていないと、お金の受取がうまくいかない可能性があります。
また、売買契約日の前日〜3日前に不動産会社から送られてくる売買契約書には、事前に目を通して内容をよく確認しておきましょう。この書面には細かなところまで重要事項が記載されています。
契約日当日には、先ほどのステップ2-3で説明した必要書類が必要になります。契約の最後には手付金を受け取ることになりますが、もし売買契約が白紙となった場合はこの手付金を全額返す必要があるため、引渡しが済むまでは手付金を絶対に使わないようにしましょう。

ステップ5-2:引渡日の調整
売買契約後に買主は住宅ローンの本審査申込みをするので、契約後1ヶ月以内には本審査通過の連絡が不動産会社を通じて来ます。ここで住宅ローンが出ることが確定すると、いよいよ物件の引渡しを行う日を調整する段階となります。
契約書に記載されている引渡日は「最大に延びた場合の引渡日」という意味なので、買主が契約書記載の日よりも早い引渡しを望んでいる場合もあることに注意しましょう。このあたりは、売主の引越しスケジュールなどとすり合わせて、最適な引渡日を決めていきます。
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マンション売却ステップ6:引越し・引渡し
マンションの売却も大詰めの段階になりました。引渡しの日が決まればその日までに引越しを完了させ、買主にマンションを引渡します。

ステップ6-1:引越し作業・ローン解約売買契約が完了したあとにマンションを引渡すまでに、通常は約1ヶ月程度の時間がかかります。
それまでの間に、引越しの手続きや準備、公共料金などの精算を完了させておきましょう。
また、ある程度の期間を過ごしたマンションであれば、壁紙や床、水回りなどが傷んでいることが多いです。このような場合では、畳の表替え、壁紙の張替え、それからハウスクリーニングなどを行うことになります。これに関しては買主側との交渉次第になりますが、売主が負担して行うことになるのが普通です。
そして、売主に住宅ローンが残っている場合には、住宅ローンの解約を金融機関に申し出て抵当権を抹消する、という手続きを行う必要があります。ローンを解約するためには、基本的に残債のすべてを返済しなければなりません。
ただし、買主から受け取った売買代金を充当することで、物件を引き渡すタイミングと同時に決済を行うことも可能です。同時決済は一般的によく使われる手段なので、不動産会社や銀行などと相談してしっかり決めておきましょう。

ステップ6-2:残金の決済・物件の引渡し
買主側の住宅ローン審査が終わった段階で、残金の決済を行い、登記手続きも同時に行います。
法務局や銀行は平日の日中でなければ手続きを行えないため、通常は平日の昼間に決済を済ませなくてはいけません。残金決済と同時に登記関連の手続きだけでなく、仲介手数料の支払い、規約書類やカギの引き渡しなども行っていきます。
この決済で必要となる書類は以下の通りです。

1:身分証明書
2:実印と印鑑証明
3:マンションの権利証
4:新居の住民票
5:マンション規約等の書類全般
6:マンションのカギ
7:(マンションの売却代金で住宅ローンが完済できない場合のみ)不足分の現金

これらの手続きが無事に完了すれば、その日のうちにマンションの引渡しも終わらせることが多いです。
マンションの売却代金でローンを完済できない場合は、不足分を現金で用意しておく必要があります。

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マンション売却ステップ7:税金納付・確定申告
マンションを売却した後にもまだやることは残っています。
税金の納付のために確定申告、転出届や住所変更の手続きなどです。特に注意すべきは確定申告。マンション売却では税金の支払い義務が生じますが、その費用を減らせる制度も用意されているので、簡単に紹介していきます。

売却益が出た場合の「特別控除」物件を売却すると「譲渡所得税」などの税金の支払い義務が生じます。
ただ、この譲渡所得税に関しては、その費用を抑えるための制度が用意されていて、それが自宅売却時に適用される「3000万特別控除」という制度です。購入価格よりも高くマンションが売れて売却益が出た場合、そのマンションが自宅であれば売却益(譲渡所得)から課税対象を3000万円まで控除されます。
要するに、マンションを売って利益が3000万円以下なら税金が発生しない、ということです。
この控除を受けるためには、そのマンションが居住用のマンションだったかどうか、転居後3年位経過する年の12月31日までに売却しているかどうか、といった細かな要件があります。控除を受けるには確定申告が必要になるので、申告時期ギリギリではなく、余裕を持って事前に税理士などに相談する必要があるでしょう。

売却損が出た場合の「損益通算」
マンションが購入価格よりも安い価格でしか売れずに売却損が出た場合にはどうでしょうか。
実はこういったケースでも、所得税や住民税を抑えて節税できる制度があります。「損益通算」という措置です。
この損益通算とは、簡単にいえば所得の黒字と赤字を相殺する計算のこと。
マンション売却の場合は、取引を行った年度に生じたその他の所得とマンションの売却損を合算し、損失を相殺します。
1つ注意すべき点は、売却するマンションは居住用財産の買替えでなければならないという点です。損益通算は譲渡損失を単年で補いきれないケースでも活用できます。売却損がかなりある場合には、売却した年も含めて最長4年間の利益と合算することが可能です。ただ、こういった損益通算の適用を受けるためには、確定申告と同時に計算して手続きする必要があるので、前もってしっかり準備しておきましょう。

確定申告の手順と必要書類
確定申告は、マンションを売却した年の翌年2月16日から3月15日までの間に行います。
課税譲渡所得がプラスになりそうな人は、基本的にこの時期に確定申告をしておかないと、3000万円の特別控除の適用が受けられなくなってしまうので注意が必要です。
確定申告の手順の流れを簡単に説明すると、まずは課税譲渡所得を算出し、必要書類を準備します。ここで確定申告書を作成して税務署にて手続きを行うのですが、課税譲渡所得は「課税譲渡所得=譲渡価格−取得費−譲渡費用−特別控除」という式で算出することが可能です。ただ、詳細については税理士や税務署と相談して進めた方がいいでしょう。
確定申告の必要書類は主に次の4つ。

1:除票住民票
2:譲渡所得計算明細書
3:譲渡資産の登記事項証明書
4:住宅借入金の残高証明書(損益通算の場合のみ)

これらを準備して、余裕を持ったスケジュールを組んで申告しましょう。確定申告の時期は税理士の繁忙期にもあたるので、駆け込みで相談すると手続きがスムーズにいかない恐れもあります。
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2)マンション売却に関するQ&A

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ここからはマンションの売却に関してよくある疑問点について、Q&A形式で解説していきます。
初歩的な疑問やよくわからない用語など、いずれもマンション売却時には知っておきたい知識ばかりです。

Q1:査定の前にリフォームを行ったほうがよい?
査定前にリフォームをすることはおすすめしません。
なぜなら、リフォームをしたからといって、その費用の分だけ高い査定を受けられたり、高く売れたりするという保証はないからです。セルフリノベーションを希望する買主も多いため、売主が勝手にリフォームなどを行ってしまうと、むしろ買い手を見つけづらくなる可能性もあります。
ハウスクリーニングに関しても基本的に不要です。内見のときは開放感や明るさなどを意識して印象をよくすれば十分で、ごく一般的な掃除を行っていれば問題ありません。多少散らかっていたとしても、そこは査定額に影響がない部分です。

Q2:「仲介」「買取」はどう違うの?
不動産を売却する際には、主に「買取」と「仲介」の2つの方法があります。
まず、「仲介」というのは、不動産会社を介して買い手に不動産を売却する方法です。そのメリット面は買取よりも高い金額で売れることが多いということ。不動産会社はたくさんの買い手の候補を探してくるので、高く買ってくれる人を見つけてくれる確率が高くなるのです。その反面、「仲介」のデメリットといえるのは、売却できるまで長い時間がかかる場合があるということ。買い手を探す時間がある程度はかかります。
もう1つの「買取」とは、個人ではなく不動産会社に不動産を買い取ってもらう方法です。とにかく早くマンションを売却したい、という場合には、安全かつ早期に手続きを完了することのできる方法になります。
ただし、「仲介」に比べて売却価格が低くなることが多いので、この点が「買取」のデメリットとなるでしょう。

Q3:認知症の親名義のマンションは売却できる?
マンションなどの不動産は、原則として名義人本人でないと売却することができません。
ただし、特殊なケースとして、名義人本人が認知症などの影響で適切な判断ができないと認められた場合には、代理で売却することができる制度があります。いわゆる「成年後見」という制度です。成年後見制度は家庭裁判所に申請し、家庭裁判所の審判を経てその許可を取る必要があります。本人の判断能力の差によって、成年被後見人、被補助人、被保佐人、という区分が設けられていますが、その後見人には親族や弁護士、司法書士などが任命されることが多いです。
マンションなどの資産売却のために許可申請をする場合は、親族が後見人になるように手続きを進めておくといいでしょう。なお、後見人の審判は3~6カ月かかるので、早めに専門家に相談して手続きの準備を進めておく必要があります。

Q4:マンションの売却にかかる時間はどれくらい?
マンションの売却には、平均で3~6カ月かかるといわれています。
ただし、マンション売却にどれくらいの時間がかかるかは、買い手が早く見つかるかどうかなどにも大きく左右されるので、あくまでもケースバイケースです。
例えば、売れるまでの平均期間だけを見ても、地域によってかなり異なってきます。不動産需要の高い首都圏では3カ月未満、地方都市で3〜4カ月、その他の郊外地域だと5〜6カ月ほどかかる、というのが一般的です。
さらに、マンションが売れるかどうかは、社会情勢の変化にも影響されますし、運やタイミングによる部分が大きいです。
したがって、売却を検討する場合には、スケジュールに余裕を持って手続きをスタートするといいでしょう。ただし、売却手続きをスタートさせてから6カ月を超えても売れないというときは、不動産会社を変更するなど、売出し方法そのものを再検討しなければなりません。



3)マンション売却のポイントは不動産会社選び

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マンションの売却ではほぼ必ず、不動産会社の力を借りることになります。
したがって、パートナーとなる不動産会社選びはマンション売却を成功させられるかどうかのカギを握るといっても過言ではありません。ただ、一口に不動産会社といっても、実はそれぞれの会社に得意分野があります。
たとえば、分譲マンションに強い会社、賃貸物件に特化している会社、売買に強い会社、リノベーション物件に強い会社などです。大手だから優れているとも限らないのがポイント。
不動産は地域性にも大きく左右されるので、地元密着型の不動産会社の方が、大手よりも強固な売却ネットワークを持っているケースもかなりあります。
担当者との相性も重要です。担当者は一度決めると、売却に関する交渉の窓口となって契約終了まで付き合うことになります。したがって、信頼できる人柄か、業界についてどれほど情報網を持っているか、といった資質をよく見極める必要があるでしょう。
よい不動産会社を見つけるには、まずは自分でいろいろ調べてみること、そして、複数の不動産会社の情報を一括査定などを通じて比較してみることが大切です。

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マンション売却では優良な不動産会社と出会う、ということが大切。
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アドバイス特化型のサービスなので、中立的な意見がもらえるのが大きなメリット。相談や紹介は何度でも無料で受けられるため、売却を検討中なら、一度「不動産アドバイザー」を利用してみましょう。

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