マンションを購入したら確定申告を忘れずにしっかり減税!

住宅ローンを組んでマンションを購入した場合には、確定申告が必要になります。ほとんどの給与所得者にとって確定申告は縁がなく、難しいのではないか、大変そうといったイメージがあるでしょう。この記事では、確定申告が必要な理由や手順などについて解説します。しっかりと確認し余裕を持って、確定申告に向けた準備を整えましょう。

更新日:2019年08月15日

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1)マンション購入と確定申告の関係とは

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給与所得者にとって、普段おこなうことのない確定申告はハードルが高いものです。
そのため、マンションを購入して希望に満ちた暮らしが始まった際に聞く、確定申告という言葉に不安を覚えることもあるでしょう。そもそも、なぜマンションを購入すると確定申告が必要になるのでしょうか。その理由を知るためには、確定申告と住宅ローン控除について理解する必要があります。それぞれの関係について詳しく見ていきましょう。

確定申告とはどのようなものか
まず、国の税金の仕組みは「申告納税制度」を採用しています。これは、納税者が自分で税務署に所得などの申告をおこなうことで税額が確定する仕組みです。確定した税額は、自ら納付することになります。確定申告とは、1月1日~12月31日までの1年間に所得があった人が、所得税額を申告納税すること、または納めすぎた所得税があった場合に還付申告する税務処理のことです。確定申告は、原則として翌年の2月16日~3月15日におこなう必要があります。
個人事業主などは確定申告を自分自身でおこなわなければいけませんが、一般的な企業で働いている給与所得者の場合は自分自身で手続きをおこなう必要がありません。確定申告に当たる処理を年末調整として会社でおこなうため、個人で確定申告をおこなわなくてもいいのです。


なぜ家を買ったら確定申告をするのか
なぜ、家を購入した際に確定申告をする必要があるのでしょうか。これには、確定申告の還付申告が関係してきます。
この還付申告の代表的な例として「住宅ローン控除」があります。新築・中古にかかわらず住宅ローンを組んでマンションを購入した場合には、一定の条件を満たすことによって住宅ローン控除を受けることができるのです。この控除を受けるためには、確定申告をしなければいけません。確定申告をすれば控除を受けることができ、納めすぎた税金が戻ってきます。しかし、確定申告をしなければ本来受け取れるはずだったお金を受け取れなくなってしまうのです。

2)住宅ローン控除とはどのような制度か

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住宅ローン控除は、正確には「住宅借入金等特別控除」といいます。
住宅ローン控除は、住宅ローンを組んで一軒家やマンションを購入した場合に受けられる控除です。年末時点のローン残高に応じて、所得税が戻ってくる制度なので税金を節約することができます。この制度は、新築であっても中古であってもローンを組んで購入した場合には適用されますが、それぞれ一定の要件があるため、あらかじめ確認しておくといいでしょう。
住宅ローンを組んでマンションなどを購入する際には、住宅ローン控除の仕組みをしっかりと理解する必要があります。理解したうえで自分が条件に合致しているかどうか確認しましょう。また、住宅ローン控除はマンションなどの購入だけでなく、省エネやバリアフリーなどの特定の改修工事をおこなった際にも適用されます。

適用される要件とは
住宅ローン控除は、購入するのが新築マンションか中古マンションかによって適用される要件が異なってきます。住宅の条件や所得なども要件として含まれているため、しっかりと確認しておくことが重要でしょう。

新築マンションの場合
新築マンションの場合には、6つの要件を満たしている必要があります。まずは、住宅取得後6か月以内に入居し、引き続き居住していることです。基本的には住むための家を購入する際に適用されますので、資産運用などが目的で入居しない場合には適用されません。2つ目は、家屋の床面積についてです。家屋の登記面積が50平方メートル以上であることが条件です。床面積の2分の1以上が、主に自らが居住するために使われていることも条件なので、注意しましょう。
所得金額にも条件があります。控除を受ける年の所得金額が3000万円以下でなければいけません。3000万以上の場合には、住宅ローン控除の適用外になります。
民間の金融機関や独立行政法人住宅金融支援機構などの住宅ローンを利用していることも条件なので、住宅ローンを選ぶ際には気をつけましょう。返済期間にも要件があります。返済期間は10年以上で、なおかつ分割して返済することが条件になっていますので、短い期間のローンには適用されません。

中古マンションの場合

中古マンションの場合には、さらに多くの要件があります。
まずは、新築マンションの場合の要件をすべて満たす必要があるのです。そのうえで、5つの要件を満たしていることが条件になります。
第一に、マンションなど耐火建築物の場合は、取得した時点で築25年以内であることです。築年数が古いマンションの場合には要件を満たせませんので注意しましょう。次に、耐火建築物以外の場合です。このケースでは、取得した時点で築20年以内であることが求められます。上記以外の建築物の場合には、一定の耐震基準に適合していることが条件です。
誰から購入するかも住宅ローン控除には関係してきます。生計を一にする親族からの購入でないこと、贈与によって取得した住宅でないことが要件になっているのです。そのため、親族からの購入や贈与の場合には注意が必要でしょう。

控除の概説

住宅ローン控除は、基本的には申告した年の所得税から控除されます。
この際、戻ってくる金額が所得税額を超えていた場合には、一定金額までは翌年の住民税から差し引かれることになります。それでも控除しきれなかった分がある場合には適用外となり、受け取ることはできません。控除される期間と控除の割合については、居住を開始した時期によって異なるため、それぞれ確認することが大切です。
2019年7月時点の適用では、2014年4月1日~2021年12月31日に居住した場合に、年末のローン残高の1%が10年間にわたり控除されると定められています。しかし、2019年10月には消費税が増税されるため、それに合わせて住宅ローン控除も拡充されるのです。具体的な内容としてはまず、住宅ローン控除の期間延長です。新築・中古ともに消費税率10%適用価格で個人が購入した住宅に、2019年10月1日~2020年12月31日の期間で居住した場合、10年から13年に住宅ローン控除の期間が延長されるのです。また、控除額の総合計額が最大500万円から最大650万円にアップするので、より多くの控除を受けられるでしょう。

控除のシミュレーション
実際に上記の算出方法で、いくら控除されるのかシミュレーションしてみましょう。
住宅ローンの年末残高が3000万円、納めるべき所得税が8万円、住民税が15万円だと仮定します。計算式は、住宅ローン年末残高×控除率1%として金額を当てはめてみましょう。3000万円×1%=30となり、30万円が控除可能金額になります。ここから、所得税の8万円をまず控除します。30万から8万円を引くと22万円残りますが、住民税は15万円すべて控除されるわけではありません。住民税の控除額は上限13万6.5千円と定められているので、この金額が控除されます。つまり、所得税と住民税合わせて、21万6.5千円が控除額になります。
支払った所得税と住民税23万円から21万6.5千円が控除され、残りの13500円は控除対象外になるのです。

3)確定申告までのスケジュール

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マンションを購入したら、確定申告までのスケジュールを確認しておくとスムーズに進みます。
まず、マンションを購入した翌年の1月1日から申告をおこなうことができますので、それまでに準備を整えておくといいでしょう。基本的には購入した年の10~11月辺りに金融機関から残高証明残高証明書が届きます。ただし、購入した時期によっては、翌年の1月ぐらいになるケースもあるので覚えておきましょう。

確定申告するまでに、必要な書類を揃えておくことも大切です。住宅ローン控除を受ける際には、住民票が必要になりますので、役所で取得しておきましょう。建物・土地の登記事項証明書は法務局で取得します。会社からもらう源泉徴収票も必要なので、なくさないように注意しましょう。また、不動産売買契約書などのコピーを取っておき、マイナンバーカードもしくは通知カードを用意しておきます。

書類がすべて揃ったら、住所地の管轄の税務署に申告書類を入手しましょう。申告書類は、国税庁のホームページからダウンロードして印刷することも可能です。忙しくて税務署に行けない場合には、インターネットを利用しましょう。この際、医療控除などがあるのなら合わせて申告するので、領収書などを用意しておくとスムーズです。申請の時期になったら、準備した書類をすべて揃えて確定申告をおこないます。

4)実際の申告方法

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実際に申告をおこなう場合には、管轄の税務署に行っておこなうか、もしくは税務署に郵送で提出することも可能です。
申告書類は国税庁のホームページからダウンロードすることも可能なので、忙しい場合でも便利でしょう。また、e-Taxならインターネット申告がおこなえます。e-Taxを利用すればすべて自宅でおこなえるため、税務署に行ったり郵送したりする手間がかかりません。しかし、初めての確定申告で不安がある場合には、税務署に直接行って申請したほうが安心でしょう。税務署の職員と確認しながら申告できるため、間違っているか不安な場合には直接提出するほうが安全です。

税務署は2月16日~3月15日の確定申告期間は、非常に混雑しています。そのため、申告をおこなうのはできるだけ早いほうがスムーズです。1月中に行けば混雑に巻き込まれる心配もないでしょう。一般的な確定申告の期限は3月15日です。しかし、還付申告については1月1日から5年間提出することができるので慌てる必要はありません。ただし、申告が遅れた場合にはその分受け取れる期間が短くなるので注意が必要です。十分に控除を受けたいのなら、早めの申告を心がけましょう。

5)申告後の流れ

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無事申告が終わったけれども、どのように還付を受けるのかわからない、次の年も同じように申告が必要なのかと悩んでいる人も多いでしょう。申告後の詳しい流れについて解説します。

還付の方法:所得税
所得税の還付は、初年度に限り指定口座への振り込みでおこなわれます。申告後初めての年は、申告の一ヶ月後ぐらいに指定口座に振り込まれるのです。2年目からは、年末調整によって申告されるため、毎年12月の給与と一緒に還付されることになるでしょう。つまり、申告した年の翌年以降の9年間、12月分の給料に還付金が上乗せされます。そのため、しっかりと給料明細書を確認しておくといいでしょう。

還付の方法:住民税
住民税は、マンションを購入した翌年に申告すると、さらに翌年の住民税から控除されることになり、支払う住民税が減ります。住民税の場合には、所得税のように還付されるわけではないので注意しましょう。所得税で控除しきれなかった分が住民税から控除されることになります。そのため、その金額を12ヶ月で割った金額が月々の住民税から差し引かれる形になるでしょう。所得税で控除額がすべて還付できた場合には、住民税の控除はありません。

2年目以降の申請は年末調整で行う
自営業や個人事業主の場合には、毎年確定申告をしなければいけません。しかし、給与所得者の場合には、住宅ローン控除の2年目以降は自分で確定申告をする必要がありません。2年目以降は職場の年末調整でおこなえばいいので、毎年確定申告をする必要はないのです。確定申告をおこなった翌年の10~11月に控除証明書が9年分まとめて届きますので、なくさないようにしましょう。年末調整の際に、この証明書を一枚ずつ提出すれば、住宅ローン控除を受けることができます。
また、金融機関からも同じ時期に残高証明書が毎年送られてきますので、控除証明書と残高証明書を添付して、必要事項を記入し年末調整をおこなえば大丈夫です。

6)申請時に注意すべきこと

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申請がスムーズに進むようにするためには、いくつかの注意点を覚えておく必要があります。

まずは、各書類の有効期限です。住宅ローン控除を受けるために確定申告をする場合には、さまざまな書類が必要です。それをあらかじめ揃えておくことは大切なのですが、早く取得しすぎないようにしましょう。基本的に書類の有効期限は3ヶ月です。3ヶ月より前に取得したものは無効になるので、申告の一ヶ月前ぐらいに揃えるようにしておくと安心でしょう。
また、夫婦連帯債務の場合には、2人分の書類が必要になります。共働きをしていて、夫婦連帯債務の住宅ローンでマンションなどを購入した場合には、夫婦ともに住宅ローン控除を申請できるのです。しかし、そのためには、すべての書類を2人分用意する必要があるので注意しましょう。夫婦どちらかの添付書類は、源泉徴収票と年末借入金残高証明書以外はコピーでも構いません。ただし、その際には添付書類を入れる封筒に「原本は配偶者の〇〇(配偶者氏名)の申告書に添付」と記載する必要があります。

申請時に添付書類が必要なケースもあります。購入したマンションが築25年以上のコンクリート造(耐火建築物)だった場合です。「既存住宅売買瑕疵保険の付保証書」「耐震基準適合証明書」「既存住宅性能評価書」のうち、どれか1つの書類が必要なので用意しておきましょう。長期優良住宅や低炭素住宅を購入した場合には、申請する際に認定書などを用意しておくと控除条件が優遇されます。「長期優良住宅建築計画の認定通知書」や「低炭素住宅建築物新築等計画の認定通知書」などがある場合には、添付するといいでしょう。

7)一時の手間で10年先までお得を享受!確定申告は確実に

確定申告をするためには、書類の準備や手続きが必要で時間がかかります。とくに、給与所得者で確定申告に慣れていない場合には、わからないことも多く不安になるケースもあるでしょう。
しかし、一回申告しておけば10年間控除を受けることができるので、メリットが大きいのです。順を追って準備すれば誰でもできることなので、面倒だと思わずに申告をして、長い付き合いになるローンを少しでも軽くしましょう。

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