独身でマンション購入!メリットや後悔しやすい点を解説

住宅ローンが低かったり、老後の不安が強くなったりしていることを理由に、独身でもマンションの購入を検討されている方が増えています。 しかし、マンション購入後、家族が増えるごとに間取りが合わなくなっていったり、ライフスタイルの変化で優先順位が変わったりといった、独身でのマンション購入特有の問題もあるので注意が必要です。本記事では、独身でのマンションを購入されている方に向けて、メリット・デメリット後悔しやすい点など解説していきます。

更新日:2019年08月15日

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イエシルコラム編集部

株式会社リブセンス

IESHIL編集部

東京・神奈川・千葉・埼玉の中古マンション価格査定サイトIESHIL(イエシル)が運営。 イエシルには宅建士、FPなど有資格者のイエシルアドバイザーが所属。ネットで調べてわからないことも質問できるイエシル査定サービスを展開しています。

独身でマンションを購入するってどうなの?

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昨今では、住宅ローンの低金利化や将来不安から、独身の方でマンション購入を検討される方が増えています。
スーモカウンターのデータによると、窓口に相談に訪れる方のうち、独身女性の割合が、2014年度は全体の3.7%だったのに対し、2016年度には9.9%と2.6倍に増えているそうです。
2.6倍という倍率も大きいですが、単純に「相談者全体の1割が独身女性」と考えると驚きを感じる方も多いのではないでしょうか。

なお、同データによると、独身女性がマンションを購入する理由は以下の通りです。
  • 老後の安心のため(35.9%)
  • 金利が低く買い時(29.4%)
  • 資産を持ちたい(28.2%)
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独身でマンションを購入する理由

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ここでは、あらためて独身の方がマンションを購入する理由について見ていきましょう。

生涯未婚率の上昇

最近になり、ニュースで「生涯未婚率」という言葉を聞くようになりました。生涯未婚率とは50歳で一度も結婚したことのない人の割合のことで、政府の調査によると1985年には男女ともに5%未満だったものが、2015年には男性23.4%、女性14.1%まで増えています。生涯未婚率は今後も増え続けることが予想されており、2035年には男性約29%、女性約19%となる見込みです。これに離婚や死別を加えると、定年時の単身率は上記データ以上となるでしょう。

もはや単身でのマンション購入は珍しいものではなく、将来の住処を得る目的のためにも、購入層は今後さらに増えていくと予想されます。

長寿国日本では独身でも早く家を買ってしまった方がお得

日本は世界でもトップクラスの長寿国で、厚労省の発表した平成30年簡易生命表によると、2018年の男性平均寿命は81.25歳、女性平均寿命は87.56歳となっています。

日本のように平均寿命が高い国では、長く生きれば生きるほど、賃貸で暮らし続けるより、独身でも若いうちにマンションを購入した方がお得と言えます。簡易的なシミュレーションですが、たとえば35歳時点でマンションを35年ローンで購入し、毎月15万円ローンを返済する場合と、女性の方が平均寿命まで生きると仮定し、生涯を通して賃料10万円の賃貸マンションに住み続ける場合とを比較してみると、以下のようになります。


毎月支払額 合計支払額 備考
賃貸 10万円/月 6,240万円 ※87歳-35歳=52年×12ヶ月
購入 15万円/月 6,300万円 ※35年×12ヶ月
上記計算では購入の方がやや支払額が高くなっていますが、返済後は無借金のマンションという資産を保有できるため、その差は非常に大きいといえます。
なお、男性の平均寿命で計算すると以下の通りです。

毎月支払額 合計支払額 備考
賃貸 10万円/月 5,520万円

※81歳-35歳=46年×12ヶ月

購入 15万円/月 6,300万円 ※35年×12ヶ月

老後は賃貸に住めないこともある

上記、お金の問題に加え、老後の住居についてはもう一つの問題があります。それは、高齢になればなるほど賃貸で住めるアパート・マンションが減っていくということです。
これは、大家さんが高齢者の孤独死を嫌うからです。
今後、高齢者の増えていく日本において、少しずつ状況が改善していく可能性もありますが、いずれにせよこうした傾向があることは把握しておく必要があるでしょう。


独身だとマンションを購入するのと賃貸するのどちらがよい?

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独身の方の場合、マンションを購入するのと、そのまま賃貸に住み続けるのとではどちらがよいのでしょうか?

賃貸に住み続けたほうがよいケースを見てみましょう。


将来実家を相続する

まずは将来実家を相続する予定で、実家から職場や学校へ通える範囲にある方です。
独身でマンションを購入する方の多くが将来不安を理由としていますが、将来実家を相続できるのであれば、住居の不安や資産の不安を解消できるでしょう。
ただし、マンションを購入した場合でも、実家を相続したときにマンションを売却したり、実家を売却したりといった選択をすることもできます。

結婚する可能性がある

近く結婚する予定のある方、将来的には結婚するという方は、独身の頃に無理してマンションを購入する必要はないでしょう。
結婚前と結婚後とではライフスタイルが変わることが多いですし、子供が生まれればもっと大きな部屋が必要になる可能性もあります。

家賃補助がある

勤め先によっては、賃貸限定で家賃補助を受けられるケースもあるでしょう。
会社から家賃補助を受けている場合はマンションを購入すると補助を受けられなくなります。
こうしたケースでは、賃貸に住みながらお金を貯めておき、将来必要となったときに貯めたお金を自己資金にしてマンションを購入するといった方法がオススメです。

一方、マンションを購入したほうがよいケースとしては以下のようなことが挙げられます。

転勤の可能性が低い

まずは転勤の可能性が低い方です。
マンションを購入した後に転勤で通えなくなると、マンションを売却したり賃貸に出したりしなくてはなりません。
資産運用としてマンションを購入するのであれば、それもよいですが、場合によっては二重ローンとなったり、空室期間が長く続いたりと心配の種が増えることは覚悟しなければなりません。
一方、転勤の可能性が低いのであれば、購入したマンションにずっと住み続けられるため、他人に賃料を支払う必要がなく経済的にお得です。

賃貸のほうがよいケースに当てはまらない方

もっといってしまうと、先述の「賃貸のほうがよいケース」に当てはまらない方は、賃貸に住み続けるよりマンションを購入したほうがよいといえます。
マンションは資産性のあるものですし、住宅ローンを組むと低金利でありながら団体信用生命保険があることから生命保険の代わりにできます。
また、定年までにローンを完済してしまえば住居の不安もなくなるなどさまざまなメリットがあるのです。


独身でマンションを購入するメリット・デメリット

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ここでは、独身でマンションを購入するメリット・デメリットについて見ていきましょう。


メリット1:老後の家賃の心配がない

まず、独身であっても30代~40代でマンションを購入して、現役の間にローンを完済してしまえば老後に家賃の心配をする必要がなくなります。
今後、受け取れる老齢年金の額が少なくなっていくことを考えると、家賃分の負担を減らせることは非常に大きなメリットだといえます。


メリット2:生命保険の代わりになる

マンションを購入して住宅ローンを組むと、団体信用生命保険がついてきます。
団体信用生命保険とは、ローン返済中に、万が一死亡してしまった場合にはローンの残債を0円にできるというものです。
残ったマンションは売却してお金に換えることもできるため、ローンの残債と同額の生命保険に加入していると考えることができます。
マンション購入とともに、これまで加入していた生命保険を見直しすることにより保険料を安くできるでしょう。


メリット3:資産運用できる

マンションは、売却したり賃貸に出したりすることができます。
独身の頃に購入し、その後結婚してもっと大きなマンションが必要となった場合でも、独身の頃に購入したマンションを運用することで、新しく購入するマンションのローン返済の助けにすることもできるでしょう。

デメリット1:単身者向けマンションは売却しづらい

一方で、独身からマンションを購入することにはデメリットもあります。
まず、独身の頃に単身者向けマンションを購入し、数年後に何らかの理由で売却する、となったときに、単身向けマンションは売却しづらいという現状があります。
これは、まだまだ独身でマンションを購入する方が少ないという理由からくるものです。
今後、独身からマンション購入検討をする人が増えれば改善される可能性はありますが、この点については覚えておくようにしましょう。


デメリット2:結婚すると引越す可能性がある

独身の頃に購入した単身向けマンションでは、結婚後に夫婦で暮らしたり、子供が生まれて家族で暮らしたりするのに適しておらず、引越す可能性があります。
この場合、売却するか賃貸に出す必要があるでしょう。

デメリット3:老後はマッチしない可能性がある

独身の方が将来の住処としてマンションを購入した場合、老後の住処としてはマッチしない可能性がある点に注意が必要です。
独身の頃に購入したマンションは、多くの場合「オフィス街の近く」など仕事を中心としたマンション選びになるでしょう。
老後の生活は、そうしたエリアにあるマンションではマッチしない可能性があります。


【男性・女性共通】独身でマンションを購入して後悔しやすいこと

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ここでは、独身の方がマンションを購入して後悔しやすいことをご紹介します。

近隣住人との人間トラブル

まずは近隣住人との人間トラブルです。
賃貸マンションであれば、近隣住人との人間トラブルが起こっても、引越してしまえばよいですが、マンションを購入するとそう簡単に手放すことはできません。
もちろん売却や賃貸に出すといった方法はありますが、売却できないリスクや入居者が決まらないリスクは賃貸マンションに住むのと比べると大きいです。

収入の変化で返済が辛くなることがある

また、結婚して時短勤務にしたり、転職したりといったことを理由とする収入の変化で返済が辛くなることもあります。
賃貸マンションであれば、賃料の負担が大きいと感じれば、賃料の少ないマンションに引越せばよいですが、マンションを購入してしまえばそう簡単にはいきません。
マンションを購入したことにより、働き方や転職先が制限されてしまう可能性があることは理解しておく必要があるでしょう。


【年収別/男性・女性共通】独身の方が購入できるマンション

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独身の方がマンションを購入するにあたり、年収ごとにどのくらいの価格帯のマンションが購入できるのでしょうか?


ここでは「借入限度額」と「返済負担率20%」の2つを見ていきます。

借入限度額とは金融機関に住宅ローンの審査申込をした際に、借入できる最大額のことですが、借入限度額まで借りると返済が厳しくなることもあります。


そこで、借入限度額とは別に比較的余裕をもって返済していける額を設定しておくことをオススメします。

この額は、それぞれの状況によって異なるのですが、ここでは「返済負担率20%」を目安としています。

なお、借入限度額は金融機関によって基準が異なるため、ここでは住宅金融支援機構のフラット35で借入期間35年、金利1%で借入することを想定します。

年収300万円

年収300万円の方の借入限度額と返済負担率20%とした時の借入目安額は以下の通りです。

借入期間 35年/金利1% 借入額 毎月返済額
借入限度額 2,656万円 74,975円/月
返済負担率20% 1,771万円 50,000円/月

年収500万円

次に、年収500万円の場合の借入限度額と返済負担率20%時の借入目安額は以下の通り。

借入期間 35年/金利1% 
借入額 毎月返済額
借入限度額 5,166万円 145,828円/月
返済負担率20% 2,940万円 83,333円/月

年収700万円以上

最後に、年収700万円の方が借入する場合の借入限度額と返済負担率20%時の借入目安額を見てみると、以下のようになります。
借入期間 35年/金利1% 
借入額 毎月返済額
借入限度額 7,232万円 204,149円/月
返済負担率20% 4,109万円 116,667円/月

独身でマンションを購入するなら40代がよい?

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独身でマンションを購入する場合、どのくらいの年代までに購入を決めるとよいのでしょうか?

この点に関しては、住宅ローンを長期で組むことを想定して40代、とりわけ、35年の住宅ローンを組める45歳頃までに購入するとよいでしょう。住宅ローンは借入期間が短くなると毎月返済額が大きくなります。毎月返済額が大きいと毎月の負担が大きいのに加え、審査も厳しくなってしまいます。このため、基本的には35年の住宅ローンを組むことをオススメします。
ただし、45歳で35年の住宅ローンを組むと完済時の年齢が80歳になってしまうため、定年時などに繰上返済したほうがよいでしょう。


まとめ

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独身の方がマンションを購入するメリットやデメリット・注意点、後悔しやすいことなどお伝えしました。


住宅ローンの低金利化や、将来不安から資産性の高いマンションを独身の頃から購入したいという方が増えています。

マンションは独身でも十分購入できますし、さまざまなメリットがありますが、一方で独身の頃に購入したマンションは将来結婚すると使いづらくなりやすいといったデメリットもあります。


そうしたデメリットを十分理解した上で、購入するかどうかの判断をするとよいでしょう。


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