「引越し」や「家探し」には、お金がかかる...と多くの方が頭を抱えるのではないでしょうか。
家を決めて、引越しを行い、新しい家具を揃えるだけで、ものすごい費用が発生してしまいます。できるだけ費用を抑えなきゃ…と思いながら不動産に足を運んでいる方もいらっしゃるかと思います。
しかし、なにも知識のない状態で不動産屋に足を運んだら、「初期費用を節約する」という所まで考えがまわるでしょうか。
今回は、このような悩みを抱えている方々へ家探しにかかる費用、いわゆる
「初期費用」をなるべく節約するために知っておくべき3つのポイントを紹介します。
知っておきたい! 不動産業界の仕組み
まず、家を貸してくれる人、建物や土地を所有している大家さんです。大家さんは個人であることもあれば、不動産会社などのこともあります。自分たちで物件を管理している大家さんもいますが、多くの大家さんは管理業務を管理会社に任せています。管理会社は複数の物件を管理しており、入居者や不動産屋とコミュニケーションを取っています。ここでは便宜的に管理会社=大家さんという形で話を進めていきます。
そして、管理会社と入居者の間に入り物件の紹介をしているのが、仲介会社です。仲介会社は入居者に物件を紹介して「仲介手数料」をもらっています。仲介会社は管理会社から情報をもらうか、物件情報が集められているデータベースを使い、入居者に物件を紹介してくれます。
これら3人の利害関係を把握することで、費用を節約するためにはどうやって仲介会社に交渉すれば良いのかを理解することができます。
それでは実際、どうすれば節約できるかを3つのポイントから説明していきます。
初期費用節約ポイントその1 家探し、この時期を狙おう!
繁忙期は退去者が多い分、選べる物件の数も増えますが、退去者が多いのと同じように、入居者も多い時期となるので、家賃の相場が閑散期と比べて高くなってしまうこともあります。
ネットで家を安く探す方法を検索すると、繁忙期が終わった4月がチャンスといった記事が多くヒットしますが、実はゴールデンウィーク前後にも短い繁忙期があります。本当にポイントとなる時期は、この短い繁忙期が終わった
ゴールデンウィーク後の5月から8月だと言えます。一説には梅雨時期である6月から7月は引越しの費用が安くなるという話もあるので、日を選んで梅雨時期を狙うのもいい方法と言えるでしょう。
初期費用節約のポイントその2 見積書の魔法
不動産会社は何軒訪問すればいい? いい会社を見抜くコツとは? SUUMO
まず、過半数の方は1軒しか訪れないことがわかります。皆さんは部屋を決める際に不動産仲介会社に何軒訪れるべきだと思いますか?
仲介会社には
2軒以上、別々のお店に行ってみましょう。
まず1軒目の仲介会社では気になる物件を探して見積りを出してもらいましょう。そして次にここでもらった
見積書を持って、2軒目の仲介会社に向かいましょう。仲介会社によって仲介手数料をもとから家賃ひと月分の半額と設定している仲介会社もあります。1軒目の見積り内容と比較してみるのもよいかもしれません。例えば医療でいうと、セカンドオピニオンを想像してくださればわかると思います。
初期費用節約のポイントその3 「礼金」「仲介手数料」を攻める
初期費用を安くするために、初期費用を安くするために、まず「家賃の割引ができないか?」考える方もいらっしゃるかもしれません。しかしながら、家賃割引の交渉は非常に難易度が高いと言われています。なぜなら、家賃割引は仲介会社と入居希望者の間だけで完結することはできないからです。仮に家賃割引に成功したとしても、月に1000円 ~ 2000円程度だと、2年間でも5万程度しか節約できていないことになります。
一方で、「
礼金」と「
仲介手数料」は比較的、交渉の次第では値下げが可能なケースが多いと言われています。
まず、礼金について説明します。礼金とは、この部屋を貸してくれたことへのお礼として払うお金です。一般的には家賃の1ヶ月分から2ヶ月分が相場となっています。築年数が浅いことや、立地が良いことで、人気のある物件ほど、金額が高くなる傾向にあります。
礼金は、家賃のように管理会社の収益源ではなく、いわばボーナスのようなものなので、比較的交渉項目として取り上げられやすいです。
注意してほしいのは、リノベーション物件や築年数が浅い物件ほど人気になってくるので礼金の交渉はしにくくなります。
次に、仲介手数料について説明します。
仲介手数料とは、住宅の売買や賃貸借の取引の際、売主と買主の間に入って契約事務などを行う不動産会社(仲介会社)に支払う手数料のことです。
仲介手数料は『宅地建物取引業法46条』の中で、上限家賃1ヶ月分と定められています。つまり上限ということは、必ずしも1ヶ月分全額を払わなければいけないものではありません。さらに、仲介会社に支払うお金なので、管理会社を経由する必要がなく、交渉難易度は比較的少ないと言えます。
一般的に、交渉で削ることができるのは、多くて仲介手数料の50%程度と言われています。仮に家賃が10万円の家を借りたとするなら、仲介手数料のみで5万円の節約ができる訳です。比較的に交渉難易度が低い割には、上記で述べた家賃割引と同じ程度の効果が期待できることがわかります。
おさらい
最後に今まで紹介してきた、部屋探しの初期費用の節約につながる3つのポイントを振り返りたいと思います。
①部屋探しの時期はゴールデンウィーク後の5月から8月を狙う
②2軒以上の不動産仲介会社をまわって見積りを比較する
③不動産仲介会社との値下げ交渉は仲介手数料と礼金を中心に
上記のポイントを実際の経験談を使ってチェックしてみたいと思います。
体験談
雪野さん(仮名)の経験
私は、2月下旬に引越しをする際に、ネットでまずは不動産仲介会社を調べました。しかし、どこがいいかわからず、希望の駅から最も近い不動産仲介会社に入ったのです。ネットで見てきた物件は賃貸選びの途中で他の方に契約されてしまい、結局は仲介会社が新たに紹介してくれた物件の中から選び、契約しました。本当はもう少し家賃が低い物件、さらには初期費用をもう少しおさえたかったです。でもその時、礼金や仲介手数料を値下げ交渉するという考えはありませんでした。それより引越しシーズンだったので、早く賃貸を契約しないと、良い部屋がなくなることを恐れ、その仲介会社のみで決めてしまったのです。
雪野さん(仮名)の経験談はよくあることです。
・ポイント①部屋探しの時期はゴールデンウィーク後の5月から8月を狙う
家賃が安くなる時期は、ゴールデンウィーク後の5月 ~ 8月なので、この時期を狙うと良いでしょう。
・ポイント②見積書を使って2軒以上の不動産仲介会社を訪れる
早く決めてしまいたい気持ちはわかりますが、割引交渉を優位に進めたいのであれば、見積書をもらって、2軒以上の仲介会社を訪れるのがベターだったでしょう。
・ポイント③不動産仲介会社との値下げ交渉は仲介手数料と礼金を中心に
家賃の交渉に目が言っているので金銭的にも余裕はなかったと思います。また仲介手数料と礼金の交渉には言及していないので、初期費用も多くかかってきていると思います。たしかに繁忙期だったので、仲介手数料の交渉は難しかったかもしれませんが、伝えてみてもよかったのではないでしょうか。
以上、部屋探しの初期費用の節約に関する3つのポイントを伝えました。一度決めてしまった部屋とは、長い付き合いになるので、このポイントを有効活用してより後悔の残らない部屋探しができるようにしましょう。