【実録】結局100万も値下げ!?初の不動産売却でわかった「査定価格=売れる価格ではない」という現実

【売却インタビュー第7回】東京都内のマンションを売却したIESHIL会員石黒様(仮名)に体験談を伺いました。 ご検討からのマンション売却のエピソードをご紹介いたします。

更新日:2017年10月24日

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イエシルコラム編集部

株式会社リブセンス

IESHIL編集部

東京・神奈川・千葉・埼玉の中古マンション価格査定サイトIESHIL(イエシル)が運営。 イエシルには宅建士、FPなど有資格者のイエシルアドバイザーが所属。ネットで調べてわからないことも質問できるイエシル査定サービスを展開しています。

「この会社に頼めば、この価格で売ってくれるの? 大手不動産会社A社から、他社より60万高い売却案を提示された時、そう思ってしまいました」と話すのは、石黒和明さん(仮名)。

「よし。それなら、この会社にすべてお任せしよう」A社と専任媒介契約を結んだのです。
ところが実際の販売は苦戦。当初の売却価格を【100万】も下げることに…。
最終的に購入価格よりも高く売れたので胸をなでおろしていますが、必ずしも査定価格で売れるわけではないのだと実感したそうです。

今回はそんな石黒さんのマンション売却ストーリーです。

石黒和明さん マンション売却ストーリー

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【石黒和明さん プロフィール】
都内に勤務する会社員、40代前半、妻と子供2人の4人家族。
独身だった2011年に、東京都文京区に2280万円で新築マンションを購入。
1年半後に結婚したため手狭になり、夫婦は板橋区に転居。

お子さんが生まれたことをきっかけに、石黒さんの実家がある茨城県に引っ越し、現在は賃貸マンションで暮らしている。年内にはマイホームを建てる予定。
そのために住宅ローンの整理をしたく、文京区のマンションを手放すことにした。

定期借地権のリーズナブルな物件を購入

――いまから6年前の2011年に、都内文京区に新築マンションを買い、今年5月末に売却したとお聞きしています。
購入のきっかけを教えてください。

石黒:当時は独身で、家賃8万円の賃貸物件に住んでいました。
確たる理由はないのですが、なんとなく「そろそろ家が欲しい」という気持ちになってきたのです。
それで、新築マンションに的を絞って、物件を探し始めたのです。

その頃の勤務先は池袋だったので、台東区や豊島区など、池袋とアクセスが良いエリアの新築予定のマンションギャラリーをおよそ半年間かけて見て回りました。
最終的には文京区、春日駅から徒歩8分、34㎡で1LDKの物件を、2280万円で買いました。
近所の大学を卒業したので、地の利があったことも決め手です。

――人気の文京区で、しかも駅までのアクセスは良好。
それにも関わらず新築で3000万円を切るというのは、周辺相場に比べるとかなり安かったのでは?

石黒:おっしゃる通りです。というのも、このマンションは、定期借地権付きのマンションだったからです。
土地は地主さんから期限付きで借りたもの。所有するのは建物部分だけで、土地の所有権は認められない。
その分、価格は安くなるというわけです。
当時はその点について深く考えず、リーズナブルという理由で購入に至りました。

賃貸に回した後、売却を決断

――通勤に便利で、周辺環境にも明るい理想的な物件を手に入れたわけですが、以降はどうなったのでしょうか。

石黒:実は購入から1年半後に結婚したので、文京区の物件は賃貸に出し、私たちは板橋区に賃貸で新居を構えました。
夫婦二人で1LDKはさすがに狭いですからね。

賃貸の管理は近隣の不動産会社にお願いして、家賃は築年数が浅いということで月14万円に設定しました。
たしか2カ月ほどで入居者は見つかったと思います。
月に8万円ほどローンを返済しなければならないので、最初の2か月は見つからない状況に焦りを覚えました。
しかし、その後はスムーズに客付けしていただいたので、不満はありません。
修繕積立金や管理費などを支払っても、少しは手残りがありました。

その後、私は都内の別の会社に転職。
子供が生まれたのをひとつのきっかけに、板橋の賃貸物件を引き払い、茨城県の私の実家の近所に家を借りて引っ越しました。2014年ですね。
二人目の子供にも恵まれ、今は家族4人で暮らしています。

――文京区のマンションは、まずまずの優良賃貸物件に見えますが、ここにきて売却を考えられたのはどうしてですか?

石黒 年内を目途に、実家の敷地内に戸建てのマイホームを建てる予定だからです。
そのために新たに住宅ローンを組もうと思っていますが、複数のローンを抱えるのは不安です。
いつも入居者がいるとは限りませんからね。

仮に空室が続くようなことになれば金銭的な負担は増すし、ローン審査に影響する可能性も…。
そこで、昨年末くらいから売却を検討し始めたのです。
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――具体的なアクションはいかがでしたか。

石黒:大手不動産会社のA社に査定をお願いしました。
同時に、ネットでも査定したいと思い色々調べたところ、たまたまIESHILにヒット。

ここには文京区のマンションの参考査定価格が掲載されていて興味を持ちました。
ちなみに参考査定価格は2500万円ほど。
買った時よりも価格が上がっていたので、売却のタイミングとしては悪くなかったと思います。
IESHILに不動産会社の紹介サービスもあったので申し込んだところ、大手のB社、投資専門のC社を紹介されました。

売却が得意な人気不動産店舗をご紹介

――この時点で3社が挙がったわけですね。どのように絞り込んだのでしょうか。

石黒:重視したのは、各社の査定価格です。
A社は「査定価格は2560万円ですが、まずは様子見に2680万円~2780万円の間の価格で売り出してみましょう」という売却案を出してきました。
他方、IESHIL経由のB社、C社は、迅速にメールや電話で連絡があったものの、査定価格が2500万円前後…。
結局は好条件だったA社と、昨年12月下旬に専任媒介契約を結びました。

買った時のメリットだった定期借地権が足を引っ張ることに…

――他社と比べると破格の条件を提示したA社ですが、売却はスムーズにいきましたか。

石黒:それが、なかなか時間がかかりまして(苦笑)。
最初の売却価格は担当者と相談の上、2650万円に設定し、2017年の年明けと同時にネットなどで売却情報を解禁しました。
しかし、アクセスがあっても、その先には進まないという状況が続きました。
もっとも物件には入居者がいるので、家賃は毎月入ってくる。
だから焦りは感じませんでしたが、次第に「本当にこの価格で売れるのかな」という気持ちになっていきました。

最終的には、10件近くのアクセス、2件の問い合わせがありました。
ただし、最初の問い合わせは「価格を2550万円にしてほしい」という内容で、折り合いが付きませんでした。
ところが2人目の方も「2580万円なら購入したい」という値下げの要望。
どうしたものかと思案していたら、担当者から「安くしませんか」と打診されました。
結局は条件をのみ、5月下旬に売却の契約を交わしました。

――最初に決めた売却価格より安値で売ってしまったわけですね。

石黒:じつは、定期借地権の物件は建物部分しか所有できないし、住宅ローンもつきにくいので敬遠されがち。
キャッシュでの購入でなくては厳しいと、売りに出して初めて知りました。
購入時は周辺に比べて割安というメリットがあったのですが、
売却時には、それが足を引っ張るとは思ってもいませんでした(苦笑)。
買主からすれば魅力はない。
だからアクセスや問い合わせがそもそも少なく、また、関心を持った人は値引き条件を出してきたのだなということが分かってきました。
実際、買っていただいた方も現金一括でした。収益物件として活用するそうです。
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査定価格=売れる価格ではないとわかった

――昨年12月から売却を検討し、約半年後に話がまとまりました。初めての不動産売却でしたが、感想はいかがですか。

石黒:売却のプロセスに関しては、【不動産会社の査定価格=売れる価格ではない】と実感しました。
いくら査定価格が高くても、それで売れないなら下げざるを得ない。
その辺りの価格の根拠、適正価格をどのように考えればいいのかという点では、不動産特有の難しさがあったと思います。

一方で、IESHILのようなサービスは複数の不動産会社へ同時にアクセスできるので、各社の査定価格の比較ができるし、売却価格の判断基準としても活用できるのが、とても便利だと感じました。

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あと思ったのは、不動産を売却するためには様々な書類の用意や日々のやり取りなど作業が多く、
仕事との両立は意外に大変でした。
こういった事務作業は、もっと電子化されると良いでしょうね。
不動産会社に関しては、きちんと定期的に状況を報告してくれるところだと、安心です。

総じて振り返ると、良い経験になりました。
いまは複数のハウスメーカーにマイホームの見積もりをお願いしているところで、
一括見積などの売却経験は大いに役立っています。
マンションの売却については、値引きに応じたとはいえ、それまで家賃収入はあり、今回も売却益を得られました。
住宅ローンは完済し、マイホームの建築に向けて、スッキリしたという感じです。
まもなく家族とともに新たなライフステージを迎える予定です。


――それは良かったですね。本日はありがとうございました。

取材を終えて

およそ半年をかけた、石黒さんのマンション売却ストーリー。
印象的なのは、「査定価格=売れる価格ではない」という、石黒さんの言葉でした。
仮に高額な査定であっても、売れないと意味はなく、石黒さんのように値下げを余儀なくされることもあります。
今回は、納得の範囲内の事例でしたが、予想外に安くなる可能性も多々あります。

ならば、単に「査定額の高さだけ」で判断するのではなく、各不動産会社の担当者を見極めることこそ、本当に満足できる売却に必要といえます。


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