【実録】600万安く売ってしまった!郊外×超大規模マンションにはリスクあり?2度の売却の結果は一勝一敗

【売却インタビュー第3回】東京都内のマンションを売却したIESHIL会員田中様(仮名)に体験談を伺いました。 ご検討からのマンション売却のエピソードをご紹介いたします。

更新日:2017年08月15日

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イエシルコラム編集部

株式会社リブセンス

IESHIL編集部

東京・神奈川・千葉・埼玉の中古マンション価格査定サイトIESHIL(イエシル)が運営。 イエシルには宅建士、FPなど有資格者のイエシルアドバイザーが所属。ネットで調べてわからないことも質問できるイエシル査定サービスを展開しています。

「急かされて、冷静な判断力を失ってしまいました」
と話すのは、市況よりも600万円も安くマンションを手放してしまった田中友里子(仮名)さん。


「一度目の売却物件は、独身時代に購入した1LDK。担当者の『もっと下げましょう』の声をはねつけ約300万円高く売り抜けました。それに対して二度目の売却物件、湘南の大規模マンションの時には、担当者の『この価格なら買いますよ』という提案に、まんまと乗ってしまいました。」

どちらのケースも、田中さんは、「不動産の一括査定」で出てきた額をもとに、不動産会社と話し合いながら売却額を決めていました。どうして一件目は下げましょうとの声に踏ん張ることができ、二件目は冷静さを失って下げることに同意してしまったのでしょうか。

今回は、「自信に裏付けられた強気な心」と「焦りが引き起こした弱気な心」が勝敗を分けた
田中さんの売却物語です。

田中友里子さん マンション売却ストーリー

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【田中友里子さん プロフィール】
都内勤務、40代半ば、夫との2人家族。
まだ独身だった2006年、東京都板橋区に新築マンションを購入。2011年に結婚し手狭になったため、翌年、夫婦は神奈川県湘南に新築マンションを購入。板橋区のマンションは賃貸に。
しかし、2016年春に入居者が契約を解除したため、8月に売却。
一方、湘南のマンションも通勤に不便だったので、今年5月に売却。都内に新たに中古の戸建てを購入。

独身時代に買った思い入れの強いマンション

――昨年から今年にかけて2戸のマンションを売却したそうですが、まずは1戸目、板橋区のマンションについて教えてください。


田中:2006年に2990万円で買った新築マンションです。
実を言えば、最初は北区で探していました。それまで北区の賃貸物件に住んでいて、慣れ親しんでいたからです。
しかし、北区の物件は価格の面で折り合いがつかず、板橋に目を向けると、この物件に出会ったというわけです。
間取りは1LDKで46㎡。当時は独身でしたから広さは申し分ありませんでした。
購入の決め手は便利さ。最寄駅から徒歩8分。通勤に便利な上に、近くに大きな病院や商店街があったので、将来、売ったり貸したりする時に有利かもしれないと思ったのです。


――そして、2012年にご結婚された。翌年、湘南に新築マンションを購入したのは?


田中:一人用に購入した板橋のマンションは、やはり手狭。もっと広いところに引っ越そうという話になりました。
湘南を選んだのは夫の実家に近いし、私も学生時代に近くで過ごしていたので土地勘があるからです。
そこでみつけた新築マンションは、最寄駅から徒歩15分と少し遠かったのですが、2SLDK・74㎡で2890万円。
この価格でこの広さは魅力的だと思い購入。2013年の夏に引っ越しました。


ところが大きな問題を抱えてしまいました。それは二重の住宅ローン
夫は自営業なので融資を受けるのが難しく、すべてのローンは私が組むことにしたからです。
板橋の物件はほぼフルローンで、毎月の返済は買った当時は月9.8万円。
途中で借り換えを行いましたが、それでも月9.6万円。それに管理費や修繕積立金を合わせるとおよそ11万円の出費です。これに、湘南のマンションの返済額の月7.6万円が加わったわけです。
こんな支払いには耐えられないと思い、板橋のマンションの売却、もしくは賃貸を検討したのです。
結局、賃貸を選んだのは、当時は市況が今一つで、売却しても残債が消えないからです。
それに、このマンションは、私自身が頑張って見つけた家ということもあり、愛着もあったので、簡単には売りたくありませんでした。
賃貸の後押しになったのは、購入した不動産会社からの「このエリアなら月12万円で貸せますよ」という心強いアドバイス。仲介をお任せすると、月12.8万円の家賃での入居者を見つけてくれました。
それなら、私の手元に、毎月1万円ほどキャッシュも残ります。


――なるほど、これなら二重の住宅ローンに苦しむこともないですね。ところが、昨年に売却していますが、
その理由は?


田中:去年の春に板橋のマンションの入居者が出ることになったからです。
次の方を探す手もありましたが、何よりも、築年数が古くなってマンションの価値が、下がっていく方が心配でした。すでに築10年になっていましたからね。
それに、住宅ローンをふたつ抱えたままというのも健全ではないと思い、売却を決断しました。
売却額の相場を調べたところ、そのタイミングなら高値で売れ、残債はゼロになるどころか、プラスになることもわかりました。
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――相場は、どのように調べたのですか?


田中:ネットの一括査定サービスです。
仕事が忙しく、売却に多くの手間はかけられないので、ネットの力を最大限、借りることにしたのです。
申し込むと、即座に、複数の不動産会社から連絡がありました。査定額は、もっとも安いところで2500万円、高いところで3000万円でした。
これを目安に売却価格を2980万円に決め、ネームバリューのある大手不動産会社と専任媒介契約を結びました。

ところがこの会社が紹介してくるのは、2400万円~2500万円に値下げしてほしいという購入希望者ばかり。
何だか、売却を焦っているみたいで急かしてくる。
でも、その価格では、私の収支はマイナスですし、急かされるのも苦手。
3か月の契約期間が切れたら、即座に一般媒介にシフトしました。物件自体のポテンシャルは高いので、複数の不動産会社に競ってもらった方が、好条件の買い手がつくとも思いました。
今回は、ネットの一括査定だけではなく、ネットで見つけた地場系の不動産会社にも声をかけました。
地域に強く有利かもしれないと思ったからです。
狙い通り、地場系の不動産会社の方は、地下にある駐輪場、セキュリティ面といったマンションの良さをうまくアピールしてくださり、30代の独身女性が買い手として浮上。
ほぼ満額の2930万円で売買契約は成約しました。それが、去年の8月のことです。


――ちなみに、IESHILでは板橋のマンションの査定価格は2651万円でした。そう考えると、高い価格で売却でき、満足度も高いのでは?


田中:とても満足しています。

IESHILについては、利用すれば便利だったのに、残念ながら、当時は知りませんでした。
売却が得意な人気不動産店舗をご紹介
そこで、適正価格を知るために、煩わしさもある一括査定を利用したのです。
愛着のあるマンションだったし、そもそも販売に有利だと踏んで購入したので自信もありました。
仕事柄、価格交渉も多い上に、一括査定で価格の裏付けもあったので、専任媒介契約を結んだ会社の2400万円という打診をはねのけることもできたのです。

通勤3時間が苦痛で、都内へ住替えを検討

――次にお聞きしたいのは、湘南のマンション。2013年に新築を購入したばかりなのに、今年5月に売却しています。その経緯は?


田中:夫は自宅仕事がメインなのですが、私の勤務先は都内港区のオフィス。通勤は往復で3時間かかります。
電車の中で仕事をしないと間に合わないので、毎日、指定席を購入しています。
会社からは定期代しか出ないので自腹。毎月2万円以上支払う計算です。
マンションの毎月の修繕積立金、住宅ローンの返済だけでも、結構苦しい上に、自腹の通勤費が加わるのは、なかなか厳しいものがありました。
通勤時間が長く疲れる上に、自腹の通勤費が加わることで、価格的なメリットも感じられなくなってきました。
次第に、小さくてもいいので都内に戸建てが欲しいという思いが強くなり、
ある時、夫にも相談したらOKが出たので、売却することにしたのです。
今年の1月から一般媒介で売りに出しました。


ここでも、ネットの一括査定サービスを利用し、大手2社、あとは購入した不動産会社にも依頼を出しました。
売却が得意な人気不動産店舗をご紹介
各不動産会社と相談した結果、売り出し価格は買値とほぼ同額の2890万円に決めました。
どの不動産会社も頑張って下さり、週末のスケジュールは、ほぼ内見で埋め尽くされるほどでした。
最終的に20組ほどが訪れたのではないでしょうか。
湘南の生活に憧れる30代のファミリー、都内から移住したいシニアのご夫婦などが目立ちました。


ネットに掲載する写真は各社さまざま。
数分でパチパチ撮影するところもあれば、印象がよりよくなるように、
できるだけ部屋が広く見えるよう工夫して撮影するところもありました。
もちろん、私たちも、水回りを夫と一緒にピカピカに磨いたり、家具を減らすなど、見栄えには気を配りましたよ(笑)。


――内見希望者が多かったということは、売却が順調に進んだのでしょうか?


それが、かなり苦戦しまして…。
共用部にサーフボード置き場があるなど、地域性を汲んだ魅力的な物件ではあったのですが、競合が多すぎました。
全500戸以上の大規模マンションなので、常に複数の売却案件があります。
私たちが売り出した時には、最大11部屋の売却案件がありました。加えて、私たちの物件はベランダからの景観がよくない。どうしても、広大な庭に面した物件に人気が集中してしまいます。景観の面では明らかに不利でした。
「条件が悪いから、値段を下げた方がいい」
「他の部屋より少し安くすれば、早く売れる」
などと数社から残債が残るような価格に下げることを勧められました。

【実録】600万安く売ってしまった!郊外×超大規模マンションにはリスクあり?2度の売却の結果は一勝一敗の画像

最初は無視していたのですが、4月になると、さすがに不安になってきました。
今の方針が間違っていないかネットで調べはじめました。その時、はじめてIESHILにたどりついたのです。
それによれば、私たちの部屋の査定価格は3238万円。私たちの売却価格より、はるかに高くて驚きました。
同時に、私たちが決めた価格は、決して高くないと自信がつきました。
あわせてIESHILの不動産会社紹介サービスも申し込み、大手2社と中堅1社をご紹介いただきました。
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すぐに担当者から連絡があったので、売却価格について相談すると「今の価格は妥当性がある」とアドバイスをいただきました。それが、値下げをしないと決意を固める後押しにもなったと思います。


――最終的には、IESHIL経由の不動産会社で買い手がついたのですか?


田中:それがですね…
IESHILを使い始めたのと同時期に、他の不動産会社から買い取りの打診があったのです。
価格は2600万円でした。すでに戸建ての購入も進行していたので、早く売りたいという本音もありました。
さて、どうしたものかと思案していると、戸建てを買った不動産会社も湘南のマンションを購入してもいいと言い始めたのです。


しかし、その不動産会社の提示価格も2600万台。
だんだんそんなものかなぁと思い、1社が出してきた手数料2割引きという言葉につられて、2675万円で手をうつことにしました。忙しい中、二社の不動産会社の間に挟まれて疲れてしまったというのもあります(苦笑)。
冷静に考えると、少し下げ過ぎたたような気がします。
戸建ての住宅の方は、ネットの不動産サイトを参考に探しました。
都内城北地区で最寄駅から徒歩8分、しかも築3年という理想的な物件でした。
最初の価格は3900万円でしたが、転勤で売り急いでいたようでしたので、交渉すると3700万円に下がりました。
5月に契約して、6月には引っ越しました。

ひとつの不動産会社の言うことを鵜呑みにせず、複数の会社にあたること

――なんとも、紆余曲折を経た売却劇でしたが、感想はいかがですか?


田中:まさか、この短期間で2戸の売却、さらには戸建ての購入と、これほど密に不動産に関わるとは思いませんでした。夫からも「不動産マニアみたいだね」とからかわれるほどです。当分は新居で穏やかに過ごしたいですね(笑)。

いずれにしても、今回の一連の流れで分かったのは、ひとつの不動産会社の言うことだけを鵜呑みにしてはいけないということ。そういう意味で、ネットの一括査定サービスにはとてもお世話になりました。
それと、使うタイミングは遅かったのですが、IESHILのように参考査定価格が明示するサービスは、売却価格の妥当性を確かめるのに非常に便利だと思いました。
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このような情報が、揺らぎそうな自信を支えてくれるのではないでしょうか。
もっとも、私の場合は最後の最後で揺らいでしまいましたが…。


――なるほどです。貴重なご意見、参考にさせていただきます。田中さん、本日はありがとうございました。

取材を終えて

とても目まぐるしく過ぎた、田中さんのマンション売却ストーリー。
働きながらの売却は、情報不足に陥りがちですが、そうなれば不動産会社に流されて、納得の行かない売却をしてしまう可能性があります。田中さんは、一括査定サービスで価格に対する客観性、妥当性を持つことで、主体的に決断をすることが出来ました。プラスIESHILのリアルタイム価格査定を使えば、もっとうまい売却ができたかもしれなかったとは本人の弁。不動産売却の際には、こういった様々なサービスを使わない手はありません。

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