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親の家を片づける“親家片(おやかた)”入門編 相続した住まいを都心中古マンションに買い替える

親の家を片づける“親家方(おやかた)”マンション入門編。三回目は、親から相続したものの、住まない実家の活用法について考えます。

更新日:2017年06月13日

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イエシルコラム編集部

IESHIL編集部
日本の65歳以上の比率、高齢化率はすでに26%を超えました。
読者の方でも、「すでに親が高齢になった」「自分は高齢、親は後期高齢者になった」といった人は少なくないでしょう。現在、高齢者がいる世帯はおよそ25%、そのうち3割強は高齢者のみの世帯です。高齢になると、様々な問題や心配事が起きてきます。階段での怪我、火の不始末、風呂場での転倒…。孤独死なども心配です。加えて、親が施設に入ったり、亡くなったりすれば、家や資産をどうするのかも考えなくてはなりません。
このような、いわゆる親家片(おやかた)問題で悩んでいる人は増加の一途をたどっています。

そこで、読者からの質問にイエシルが答える『親の家を片づける“親家片(おやかた)”マンション入門編』をスタートしました。

第三回目は、亡くなった親から相続した実家について。受け継いだとはいえ、そこに住む予定がないなら、どうすればいいのでしょうか。前回と同じく、株式会社夢相続の相続コーディネート実務士、曽根恵子さんにお話しを伺いました。
親の家を片づける“親家片(おやかた)”入門編 相続した住まいを都心中古マンションに買い替えるの画像

Q1:田舎で一人暮らしをしていた母親が亡くなり、実家を相続しました。
このままでは空き家になりそうですが、どうすればいいのでしょうか?

実家は遠く離れた地方にあります。兄弟姉妹はみんな都会に出ていて、それぞれ家庭も家も持っているし、仕事の充実度という点からも田舎に戻るという選択肢はありません。
実家に誰かが住む予定もないので、このままおいておけばいいのか、それとも有効な活用法があるのか…とても悩んでいます。

曽根 母親が亡くなり、実家を相続されたとのこと。他の財産も含め、お子さんたちで「争続」なく受け継いだというのであれば、ひとまずは安心です。相談者の方は実家を受け取ったということですが…この場合の選択肢は3つ挙げられます。


ひとつは、誰かが住むということです。
別の場所に住んでいるお子さんもある程度の年齢を迎えていて、老後は田舎で暮らしたいというなら、思い切ってUターンするということも考えられます。
それこそ、残された兄弟姉妹で相談すればいいというわけです。ただし、今回の相談者の場合は、みなさん都会で家庭や仕事があり、その予定はないということですから、これは当てはまりません。

二つ目は、貸すという手段。
ある程度、賃貸需要が見込めるエリアであれば、こういった相続空き家の活用法も考えられます。しかしながら、建物の老朽化が激しく、大規模なリノベーションが必要だと、貸せるようにするためにかなりの金額がかかってしまうことも…。
費用対効果が見込めないのであれば、貸家にするのは賢い選択肢とは言えません。あまりニーズのない地域で入居者がつかないと、それこそ大損になってしまいます。
一方で、近年、空き家は社会的な問題になっていて、「空き家バンク」を設置して活用を促すなど、様々な取り組みを多くの地方自治体が行っています。こういったサービスに実家を登録して、地方移住者に安く貸す、もしくは何かに使ってもらうことを考えてもいいかもしれません。

三つ目は、思い切って売却するという手段です。
家族が育った家なので思い入れはあるでしょうが、空き家をそのままにしても固定資産税は発生しますし、定期的に空気を入れ替えるなどケアをしないと、ボロボロになっていくだけです。
もっとも良くないのは放置しておくことで、空き巣や放火、ゴミの不法投棄、立木の繁殖、落書きなどの対象になりかねません。近隣から苦情が寄せられることもあるでしょう。

2015年には、放置すると倒壊の危険があったり、保安上恐れのある状態、衛生上有害の恐れがある、適切管理が行われず景観を損なっている、生活環境の保全を図るために放置することが不適切な状態の空き家に対して罰金や行政代執行(取り壊し)という処分を下す「空家等対策特別措置法」が施行されました。
自治体が空き家調査を実施して、上記に触れると「特定空き家」に指定されるわけですが、そうなると土地にかかる固定資産税の優遇措置が適用されず、更地の状態と同等の6倍にもなります。よほど、ひどい状態にならないと指定されないかもしれませんが、ただでさえ誰も住まずにお金も生まない相続空き家が、固定資産税のアップ、罰金の対象になれば、目も当てられません。

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そこで提案したいのが、思い切って売ってしまうということでした。
ちなみに、一定の要件を満たすと譲渡所得から3000万円が控除されるという「空き家の譲渡所得の3000万円特別控除」という制度も、2016年4月から2019年末までの期間限定で始まっています。
すなわち、相続空き家の売却益が3000万円だとすると、通常なら600万円ほどの課税が発生しますが、それがゼロになるのです。ただし、満たすべき要件がいくつかあり、それをクリアしない限り特例を受けることはできません。具体的には次の通りです。

・相続開始直前まで、親などの被相続人が一人暮らしをしていた
・相続後から売却までの間に、事業用、賃貸用、居住用に使われていない
・2019年12月31日までに売却する
・相続日から3年経過する日が属する年の年末までに売却する
・1981年5月31日以前に建てられた家屋であること・売却額が1億円以下


1981年5月31日以前に建てられた家屋は、現在の耐震基準を満たしていない旧耐震基準の建物であることがほとんどで、相続空き家がそうであれば、耐震リフォームをするか更地にしてから売る必要があります。売却額が1億円以上の家では控除を受けることはできませんし、相続開始直前まで被相続人が独居であったという、ちょっとややこしい条件も。仮に老人ホームに転居していたなど、居住の実態がないと適用されません。
しかしながら、これら基準を満たせるなら、ちゃんと活用すべきです。

なお、今回の相談者のケースとは異なりますが、同居世帯で親御さんが亡くなり、実家を相続する場合は、宅地面積が330㎡以下であれば「小規模宅地等の特例」を使うことができます。
「生計をともにしていた」「相続税の申告期限までの間、継続利用している」など、宅地面積以外にも満たす要件はありますが、クリアすれば相続時の評価額が80%も減額されます。

仮に5000万円の価値がある家だとしたら、80%の評価減ですから…「5000万円-4000万円=1000万円」。
すなわち、相続税が課税されるのは1000万円の部分のみです。
もし、いまは親御さんと離れて住んでいても、将来的に実家に戻りたいというなら、はやめに仕事や住まいをまとめて田舎に戻り、同居を始めておくことも考えられます。

Q2:相続空き家を売ったお金はどうすればいいのでしょうか?

実家を売却してことで、まとまったお金が入ってきました。空前の低金利のいま、預貯金にしておくのはもったいない気がします。どうすればいいでしょうか?

曽根 おっしゃる通り、現金をそのまま持っていても、あまりお得感はありません。
そこでお勧めなのは、中古の区分マンションに替え、賃貸に回してしまうことです。
そうすれば、継続的に家賃収入が得られ、家計の助けになります。立地や物件タイプに関しては前回でも申し上げた通り「都心にあるワンルームタイプの独身ビジネスパーソン向けの中古区分マンション」です。
都心は賃貸ニーズがあるので入居者に困りませんし、マンションだと管理は専門の業者が行いますから、賃貸経営をするからといって手間も要しません。しいて言うなら、毎月ちゃんと家賃が振り込まれているかチェックするくらいです。

不動産にしておくことで、次にお子さんに相続する時も、現金より節税効果も期待できます。ニーズの高い中古マンションだと、売りたい時に買い手もつきやすく、現金化しやすいというメリットもあるでしょう。

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まとめ

相続空き家を持て余すケースは意外に多く、それこそ放置して近隣に迷惑をかけたり、手入れのために頻繁に帰省しなければならないなど、受け継いだお子さんの生活にも支障をきたすことも…。

ならば、資産の組み換え先としてマッチする、中古区分ワンルームマンションにしてしまうというのは、とても効果的です。しかしながら、実家にはたくさんに遺品があったり、お子さんたちの荷物だって残っているでしょう。
どのように扱うのか、残された兄弟姉妹で話し合うことです。勝手に処分すれば、争いのタネになってしまいます。
また、亡くなってから財産を相続すると、思わず相続税の高さに驚くかもしれません。
前回アドバイスしたように、本来であれば、親御さんが元気なうちに家族がまとまって相続対策を始めるのが一番です。
専門家の助けも借りながら、1日でもはやく行動することをお勧めします。

【アドバイザー】相続コーディネート実務士/株式会社夢相続 代表取締役 曽根惠子さん
PHP研究所に勤務後、昭和62年に不動産会社を設立し、相続コーディネート業務を開始。
【相続コーディネート実務士】の創始者として1万3000件の相続相談に対処。夢相続を運営し、感情面、経済面に配慮した“オーダーメード相続”を提案。“相続プラン”によって「家族の絆が深まる相続の実現」をサポートしている。著書に「図解でわかる 相続税を減らす生前の不動産対策」など多数あり。
テレビ、新聞、雑誌などでも紹介。公認不動産コンサルティングマスター相続対策専門士・不動産有効活用専門士
株式会社 夢相続
【構成】大正谷 成晴(おしょうだに・しげはる)
1973年生まれ。フリーランスの編集・ライター。株式投資、不動産投資、FX、投資信託、ネット副業、クレジットカード、医療、介護など、幅広いジャンルで取材・執筆を行っている。企業の女性活用に関する記事執筆も多数。
著書に『決定版 1万円からはじめるFX超入門』(かんき出版)など

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