マンション売却時の査定額と仲介手数料で、より良い条件を引き出す方法

マンションを売却しよう、と思ったらまずどのような準備を進めて行けばよいのでしょうか?査定や仲介手数料など気になるポイントをまとめてみました。

更新日:2016年11月30日

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イエシルコラム編集部

株式会社リブセンス

IESHIL編集部

東京・神奈川・千葉・埼玉の中古マンション価格査定サイトIESHIL(イエシル)が運営。 イエシルには宅建士、FPなど有資格者のイエシルアドバイザーが所属。ネットで調べてわからないことも質問できるイエシル査定サービスを展開しています。

一般的なマンション売却ではほとんどのケースで間に立つ不動産業者が必要になります。売却物件の査定を行い、周辺や売買物件の相場感などを考慮した上で、適切な価格を付けて買い主を探してくれるマンション売買のパートナーです。
しかし仲介手数料などは業者によっても異なりますし、良い業者をどうやって探せば良いのかはわかりにくいものです。このページでは、どのような業者と契約を行えば良いのか?また必要な書類や各種手数料について説明していきます。

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マンション売却はまず価格査定から、売却査定時に用意しておくべき必要書類とは

価格査定とは、不動産会社が売買取引を目的として不動産の価格などを評価することを言います。
通常はまず「簡易査定」「机上査定」と言われるものを受けるのが一般的です。最近では、一度に複数の不動産会社に一括査定をお願いできるサイトがあり、その場合特に書類の用意は不要ですが、直接不動産会社を訪問して査定をお願いする場合、事前にいくつかの書類を用意しておく必要があります。必要書類を知り、準備しておくことで売却までの道のりを円滑にすることができます。しっかりと把握しておきましょう。

◆マンションの登記事項証明書

少し前まで登記簿謄本・登記簿抄本と呼ばれていたもので、法務局もしくはオンラインで交付請求することができます。土地や建物の所在地、面積、所有者の住所氏名など多くの情報を知ることができるもので必須書類となっています。ただし、査定結果を平米数や坪単価で示す場合は不要となる場合もあります。

◆購入時の重要事項説明書

宅地建物取引士が不動産の売買契約を行う前に、買主に必ず説明を行うよう義務付けられているもので、物件の詳細や権利関係など文字通り「重要」な「事項」が記載されている書面です。

◆固定資産税の額が分かる書面

固定資産税は台帳に登録されている固定資産を所有する人に、市町村(東京23区の場合は東京都)が課する税金ですが、固定資産税額が高いほど不動産の資産価値も高いと言え、売却の際参考情報となります。

大規模マンションなどで取引実績が多く、査定業者が物件に対する情報を十分に持っている場合は必要ないものもありますが、築年数と専有面積が判るもの、マンション購入時に入手したパンフレットやお部屋の間取り図も準備しておくと喜ばれます。いずれにせよ査定前に不動産会社に直接連絡し、査定に必要な書類を確認しておきましょう。

マンション売却時に、より高い見積額を引き出すにはまず査定から!

簡易査定(机上査定)で複数の不動産会社に査定・見積もりを依頼してみましょう。
不動産は、立地条件や物件自体の特徴によって価格が大きく異なるため物件ごとに検討する必要があり取引をする時期によっても価格は左右されます。不動産の売却において後悔しないためには、価格に関して十分な検討を行うことが重要になります。まずは3社程度の業者に査定をお願いし、相場を知るということが第一のポイントになります。
業者によってそれほど大きく査定額が異ならなければ、それは所有物件の現在の相場であり、マンション売却で得られる金額の大体の目安となります。

また地域の不動産屋さんに見積もりを出した場合によくあるケースが、その物件希望のお客さんを抱えている不動産屋さんにあたり、相場より高めの査定額が得られるというラッキーなパターンです。これは家族の勤め先やお子さんの学区などの問題で、かなり狭いエリアに限定、もしくは物件名を名指しで探している買い主さんが少なからずいることにもよります。

マンション売却時の詳細査定前には、出来るだけ部屋をキレイにしておくのがポイントです

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当たり前のことですが、訪問査定で不動産業者が来る前にお部屋を片付けてキレイにしておく事が重要です。
買い主が内見に来た場合を考えてみれば、汚い部屋では買う気にはなりません。当然それを売らなければならない不動産業者も、物件に対して気持ちが入らないのは言うまでも無いことです。特に印象を左右するのは水回りです。日頃からこまめに掃除をしてキレイにしておきましょう。
お部屋の内装に価値が無いとなると、フルリフォーム予定の買い主が購入対象になりがちです。その場合、購入後のリフォーム部分にできるだけお金を回したいと考えるのが当然ですから、どうしても売却価格を叩かれる傾向が強くなります。売却することを決めたら、整理整頓と掃除をしっかりとするようにしましょう。
またこの時注意しなければならないのが、契約を取りたいがために高めの査定額を提示する業者も存在するという点です。必ずしも査定額だけで判断して業者を選んではいけないのはこのためです。複数の査定額に差がある場合は、なぜこの査定額になったのかなど根拠をしっかりと聞いてみましょう。根拠を聞くことで、気づかなかったプラスポイント、マイナスポイントが分かる場合もあります。査定額はあくまでも目安となるものなので、金額に一気一憂することなく価格の裏付けをしっかりと確認することが大切です。

マンション売却時の仲介手数料が業者によって異なる理由

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不動産会社を通して売買をした場合、不動産会社に成功報酬を支払うこととなります。
これが仲介手数料といわれるもので、売買代金に応じて法定上限額が決められています。
その上限額を求める際に使用されるのが【3%+6万円】という速算法と呼ばれる計算式です。
本来であれば、売買価格の200万円以下の部分は5%、200万円を超え400万円以下の部分は4%、400万円を超える部分は3%と、3つに分割をして計算、合計するということになりますが、これを簡略化したものが【3%+6万円】の計算式となります。不動産会社によって仲介手数料が異なるのは、この上限金額を超えない範囲で自由に決めることができるからなのです。最近では価格競争を背景に「仲介手数料半額」「仲介手数料無料」など仲介手数料の安さをアピールする不動産会社も多数存在しています。問い合わせの際に確認してみるとよいでしょう。

仲介手数料の高い業者がだめだということではありませんが、仲介手数料の安さだけで不動産会社を選ぶのは禁物です。
店舗を構え大量のビラを配るような、昔ながらスタイルの不動産会社は経費がかかることがありますが、地域密着型であるケースが多いです。このため現実的な相場観に長けており、比較的高額な査定が引き出せる傾向があります。
一方ネット専業や実店舗を持たない会社の場合は、人件費や店舗経費をギリギリまで削減し、薄利多売で利益をひねり出しています。このためマンション所在エリアに対する知識が薄いことは致し方なく、結果的に手数料が安くても査定額自体が低めになるという傾向があります。

手数料や査定額の高い安いを重視するよりも、本当に信頼のできる不動産会社・エージェントを選ぶことが最も重要となります。何社か話をしてみて比較検討し、自分に最も合うと思えるところを総合的に判断し決定するようにしましょう。

【仲介手数料無料】にひそむワナ

売却時の「仲介手数料無料」の仕組みをご存知でしょうか。
仲介手数料無料の不動産会社の場合でも、誰かから手数料を取らないことには事業が成り立たないことはご承知の通りです。さて、どこからでしょうか。

この場合、買主から仲介手数料をもらう以外に収益が立たず「自社で買主から確実に手数料を取る」必要があります。そうなると、不動産会社は「他の不動産会社からのご紹介は受け付けない」という姿勢になってしまいます。他社が買主を見つけてくれば、その他社が購入の仲介手数料を受領し、売主から依頼されている不動産会社はどこからも手数料をもらえず全くの無報酬となってしまうからです。
ですので、自社だけで買主を見つけなければ「手数料をもらえない」という状況に陥ります。
要するに、他社の不動産会社からの紹介を受け入れず、大々的に宣伝広告もできないということになり、買主が決まるまでに相当の時間を要する、または早々に値段を下げてくださいと言われるといったケースが多く発生することになります。
一概に【手数料無料が最高!】と言えないのが難しいところです。手数料が無料だとしても、時間がかかったり高値で売却ができないのでは意味がないからです。

いずれにせよ、売却額から仲介手数料を含めた諸費用を引いた物が手元に残る金額になるわけですから、色々なタイプの会社に問い合わせを行い、ご自身の条件に見合った業者を見つけていくことが大切です。

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