マンション経営を失敗しないためのリスク管理、マンション投資詐欺にも注意が必要です

マンション経営にはリスクもありますが、事前に把握しておくことで対策を講じることができます。代表的なリスクと対策についてまとめました。

更新日:2016年11月22日

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イエシルコラム編集部

株式会社リブセンス

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東京・神奈川・千葉・埼玉の中古マンション価格査定サイトIESHIL(イエシル)が運営。 イエシルには宅建士、FPなど有資格者のイエシルアドバイザーが所属。ネットで調べてわからないことも質問できるイエシル査定サービスを展開しています。

低金利時代の資産運用方法として、マンション経営は脚光を浴びていますが、当然ながらそれなりのリスクもあります。
よく勉強せずに気軽に始めると予想外の大きな痛手を受け、マンション経営に失敗します。
想定した利回りが得られないケースや、マンション経営投資詐欺に引っかかってしまうなど、予めよく調べしっかりとしたリスク管理を行った上で、失敗のないマンション経営を行うようにしましょう。

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マンション経営の失敗に多い空室リスク

表面利回りで10%を超える様な物件も確かに多く出回っていますが、それはあくまでも、常に満室状態で稼働率100%が前提の話です。ずっと満室という状態が理想ではありますが、実際には空室になるリスクを考えておかなければなりません。
家賃5万円と6万円の、購入価格が同じ1000万円のマンションならば、表面利回りはそれぞれ6%と7.2%になります。
しかしここで、5万円の物件に1ヶ月の空室が起こり、6万円の部屋に3ヶ月の空室が起こった場合、利回りはそれぞれ5.5%、5.4%と逆転してしまうのです。

実際に、マンション経営を行っていけば概ね3年程度で居住者は入れ替わります。
どんなに優良な物件であったとしても、居住者の生活の変化に伴い引っ越されてしまうリスクは回避のしようがありません。
また賃料が周辺相場にたいして適切に設定されていない物件の場合、このタイミングで数ヶ月程度入居者が決まらないといったケースも頻繁に発生します。

空室リスクをなくす方法として、「一括借り上げ」(サブリース)システムを利用するという方法もあります。
これはオーナーが所有する物件を不動産会社が借り上げ、それをさらに転貸するという運用方法で、手数料を差し引いた賃料をもらうというものです。入居者の管理を任せられるほか、契約期間中は空室の心配がゼロとなり、安定した収益が見込めるというメリットがあります。もちろん、サブリース会社が間に入ることで家賃収入は手数料分減額されてしまう訳ですが、これはデメリットというよりも仕方のないことです。メリットと比較して判断するようにしましょう。

ただし空室リスクに対する一番の対応策は、賃貸需要の高いエリアで、空室の出ない魅力ある物件を選択するということに尽きます。
マンション経営では当該エリアにどれだけ賃貸需要があるのか?地域の賃貸相場に対して適切な賃料が設定されているか?などの要素により、実質利回りは大きく変わります。期待した収益が上がらなくなり、借り入れたローンの支払いをまかないきれず、毎月持ち出しが発生し続けるといった失敗例は数多くあるものです。都心部の収益物件では、殆どの場合表面利回りで4~6%、実質利回りは3%程度に落ち着きますので参考としてください。

建物の老朽化を考慮に入れて家賃収入を設計するべき

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マンション経営における様々なリスクのうち、老朽化という問題もあります。
建物である以上、経年劣化を避けることはできません。
内装・設備の老朽化は入居者を確保するのが困難になってくるため、家賃の引き下げを余儀なくされます。

もし資金に余裕がない状態でこの状況を迎えた場合、リフォームを行い収益を改善する事もできません。購入時と同じ家賃を設定し続けられるという前提でマンション経営を行った場合、必ずこの落とし穴が待ち構えていますので、予め修繕費や管理費を含めた綿密な資金計画のもとにスタートする必要があります。
修繕費は経費の中でも大きな割合を占めるため、賃料の中から少しずつ積み立てておくと安心です。
一般的には家賃収入の3~5%が積立金の目安となります。
できれば別の銀行口座を作り、そちらへプールしておくようにすると管理しやすくなるためオススメです。

また物件の売却を考える場合も、建物の老朽化は大きなネックとなります。
新築より15年程度は、それほど大きく資産価値が落ちることはありませんが、15年を超えた所で相場はガクッと下がります。何らかの事情によって、売却の必要となるケースも想定し、築年数を考慮したマンション経営をお勧めします。

マンション投資詐欺の手口

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2020年に東京オリンピック開催が決定してから、マンション投資詐欺は増加傾向にあります。
マンション投資詐欺は、物件とその周辺について自分自身でよく調べ、勉強していれば引っかることはありません。

中にはダミーの居住者を住まわせ、満室状態と嘘をついてマンション販売するなど周到に仕組まれた事例もありますが、常識で考えられないような20~30%の高利回りをアピールしてきたり、管理費や修繕積立金などの支出について隠されていたとしても、自身に見抜く力があれば問題はありません。
ちなみに投資詐欺では、公務員や大企業で長年働かれている方など、ローン審査に通りやすい方がよく狙われますので注意してください。

マンション投資詐欺は基本的に強引でしつこいものです。
怪しいと感じた場合は、以下の項目を確認するようにしてください。

住所や電話番号など連絡先が明記されているかどうか
電話番号が携帯電話やフリーダイヤルだけの場合、いざという時連絡が取れなくなる場合もあり得ます。また所属団体なども架空のものでないかインターネットなどで確認してみましょう。

宅地建物取引業者としての登録免許番号を確認する
この宅地建物取引業免許は5年ごとに更新されますが、有効期限が切れた状態で業務を行なうと無免許営業で処罰されます。もちろん登録免許番号を持たない業者は論外ですが、番号によって長期間営業しているかどうかをある程度知る材料になります。

それでも執拗な勧誘などの被害に遭ってしまった場合は、免許行政庁、法律家へ相談しましょう。

このようにマンション経営にはリスクもありますが、事前にしっかりと調査をして綿密な計画のもとに行えば、大きな失敗は避けられるものです。
しっかりと不動産投資、マンション経営の知識を身に付け、確実にリスクを軽減させましょう。

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