親の家を片づける“親家方(おやかた)”マンション入門編。二回目は、不動産を活用した資産の組み換えによる、節税・相続対策について考えます。
更新日:2017年06月13日
イエシルコラム編集部
株式会社リブセンス
IESHIL編集部東京・神奈川・千葉・埼玉の中古マンション価格査定サイトIESHIL(イエシル)。 イエシルには宅建士、FPなど有資格者のイエシルアドバイザーが所属。ネットで調べてわからないことも質問できるイエシル査定サービスを展開しています。イエシルは東証上場企業である株式会社リブセンスが運営しています。
読者の方でも、「すでに親が高齢になった」「自分は高齢、親は後期高齢者になった」といった人は少なくないでしょう。現在、高齢者がいる世帯はおよそ25%、そのうち3割強は高齢者のみの世帯です。高齢になると、様々な問題や心配事が起きてきます。階段での怪我、火の不始末、風呂場での転倒…。孤独死なども心配です。加えて、親が施設に入ったり、亡くなったりすれば、家や資産をどうするのかも考えなくてはなりません。
このような問題で悩んでいる人は増加の一途をたどっています。そこで、読者からの質問にイエシルが答える『親の家を片づける“親家片(おやかた)”マンション入門編』をスタートしました。
第二回目は、高齢を迎えた親の資産の片づけについて。中古マンションを活用した、節税・相続対策をテーマに、株式会社夢相続の相続コーディネート実務士、曽根恵子さんからアドバイスをいただきました。私が代表を務める夢相続は、相続コーディネート業や資産に関する提案業などを手がけていますが、そこには、ご家族お揃いで相談に見えるケースが多いですね。中には、高齢になった親御さんが一人で相談に訪れることもあります。
これまで相続に直面したことがない方が、何から始めればいいのか?…とても不安を覚えますよね。
「いくら家族とはいえ、お金のことを聞くのは気が引ける」、そんな声だってあるかもしれません。
ところが、先ほど申し上げた通り、できる時にできることをしておかないと、それこそいらぬ後悔や争いの火種になりかねませんから、親御さんから相談があればそれに乗る、あるいは、子ども側から提案することもありだと思います。
そこで、まず洗い出していただきたいのは、どういった「資産」が「どれだけある」のかということです。
例えば、親御さんの資産が2億円の現金だったとします(実際は自宅など他にも資産があるケースがほとんどですが、わかりやすくするために資産は現金だけという例にしました)。
相続人が子供2人の場合、相続税は、次の通りです。
【相続税の計算】すなわち、「基礎控除額=3000万円+(600万円×法定相続人の数)」を超えると、相続税が課税され、それを納付する義務が生じます。
「そんな財産がうちにあるはずない」と思うかもしれませんが、それこそ土地、預金・有価証券などを合わせると、基礎控除額を超えることは珍しくありません。ここの例では2億円の現金なので、そこから支払えば構いませんが、財産における不動産の占める割合が大きいと、相続税を捻出するために不動産を売却しなければならないなど、面倒なことが起きる可能性もあります。
親御さんが亡くなってから、そういった現実に直面すると、「もっと前に準備をしておけばよかった…」「と後悔するかもしれません。
【中古マンション等を活用した相続税対策】
財産価格 2億円
都心の中古区分マンション(2000万円)を10戸購入
相続税評価額は2000万円×約30%=600万円×10戸=6000万円
2億円を現金で相続すると相続税は3340万円だったのに、複数の中古区分マンションに組みかえれば、
なんと、わずか180万円に圧縮されます!
180万円の納税なら決して難しくありません。
この場合も、先述の例と同じように、相続税は3340万円かかります。
ところが、以下のように資産の組み換えなどを実施することで、相続税はゼロ、申告も不要になります。
①自宅は子ども1人と同居。
そうすると相続税の申告のときに小規模宅地等の特例が適用でき、土地の評価額が20%に抑えられる(330㎡まで)。3500万円×20%=700万円建物は500万円。
※同居しないと土地3500万円のまま。
②生命保険の非課税枠1000万円加入。
これにより、生命保険の課税対象は0円
③6000万円の区分マンションを購入。
評価額は6000万円×約30%=1800万円
④金融機関から1億円を借り入れ、駐車場に賃貸アパートを建築。
評価額は、土地4500万円×貸家建付地82%=3690万円。
建物9000万円×固定資産税評価40%×貸家70%=2520万円。
合計で6210万円。借り入れは引く。
⑤空地を4500万円で売却して、同額の区分マンションを購入。
評価額は4500万円×約30%=1350万円
ここで、②~⑤を実行すると、財産評価の合計額は3360万円。
基礎控除額4200万円を下回るので、相続税は0になり、申告も不要になります。
①の同居をしなくても、相続税はかかりません。このように、生前に対策さえすれば相続税の節税は可能になるのです。
イエシルコラム編集部
株式会社リブセンス
東京・神奈川・千葉・埼玉の中古マンション価格査定サイトIESHIL(イエシル)。 イエシルには宅建士、FPなど有資格者のイエシルアドバイザーが所属。ネットで調べてわからないことも質問できるイエシル査定サービスを展開しています。イエシルは東証上場企業である株式会社リブセンスが運営しています。
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