【2024年5月発表】首都圏の中古マンション、成約件数が2カ月ぶりに前月比マイナスに。原材料費高騰で固定資産税が上昇?

<毎月更新>東京・神奈川・千葉・埼玉(首都圏)のレインズ発表不動産市況データについて解説します。今後、中古マンションの売却・購入・住み替えを検討されている方はぜひご確認ください。

更新日:2024年08月01日

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イエシルコラム編集部

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IESHIL編集部

東京・神奈川・千葉・埼玉の中古マンション価格査定サイトIESHIL(イエシル)が運営。 イエシルには宅建士、FPなど有資格者のイエシルアドバイザーが所属。ネットで調べてわからないことも質問できるイエシル査定サービスを展開しています。

この記事の要点
  • 首都圏の中古マンションの成約件数は、前年同月を上回ったものの前月比では14.7%のマイナス
  • 在庫件数は 27 カ月連続で前年同月比増加、新規登録物件は㎡単価・価格が前年割れ。今後の価格変動の可能性が
  • 株価と不動産価格は連動性がある。日経平均株価が先月より低めに推移しているため注意を
  • 2024年は固定資産税の評価替えがあるが、原材料費の高騰で税負担が上がる可能性も

■TOPICS3 日経平均株価が下降?株価とマンション価格の関係とは

2024年上昇傾向にあった日経平均株価が、4月に入ってから先月と比べやや下落しました。

【2024年5月発表】首都圏の中古マンション、成約件数が2カ月ぶりに前月比マイナスに。原材料費高騰で固定資産税が上昇?の画像
出典:TradingView

青:日経平均株価/オレンジ:TOPIX

株価は、日経平均株価にかかわらず不動産価格と関連性があると言われています。

国土交通省が毎月公表する、年間約30万件の不動産の取引価格情報をもとに、不動産価格の動向を指数化した「不動産価格指数」における上記と同時期の商業用不動産の推移を見ていきましょう。

【2024年5月発表】首都圏の中古マンション、成約件数が2カ月ぶりに前月比マイナスに。原材料費高騰で固定資産税が上昇?の画像
出典:国土交通省「不動産価格指数(商業用不動産)」をもとに筆者作成

 ※不動産価格指数は取引月から公表までに約3カ月を要するため、上記の株価から3カ月後のデータを抽出

【2024年5月発表】首都圏の中古マンション、成約件数が2カ月ぶりに前月比マイナスに。原材料費高騰で固定資産税が上昇?の画像
出典:TradingView

青:日経平均株価/オレンジ:TOPIX

概ね連動していることが分かります。しかし、20203月の「コロナショック」があった際の下落幅は株価より不動産の方が小さいです。 

続いて住宅総合とマンションを見てみましょう。

【2024年5月発表】首都圏の中古マンション、成約件数が2カ月ぶりに前月比マイナスに。原材料費高騰で固定資産税が上昇?の画像
出典:国土交通省「不動産価格指数(住宅)」をもとに筆者作成

※不動産価格指数は取引月から公表までに約3カ月を要するため、上記の株価から3カ月前のデータを抽出

住宅は生活になくてはならないものの1つで、一定の要件を満たすと住居確保給付金といった制度を利用できます。よって価格の推移が商業用不動産より緩やかです。

しかし今後株価が下落トレンドに入った場合、マンション価格にも波及する可能性があります。


■TOPICS4 固定資産税も上昇?マンション価格、近年は原材料価格がポイントに

2024年は固定資産税の評価替えの年で、6月に地方自治体から送付される固定資産税の納税通知書で納税額が変わる方も多いでしょう。


茨城県常総市の「2024年度 固定資産税制度のあらまし」によると固定資産税の算定について「再建築費評点補正率(前回の評価替えからの3年間の建築に係る物価変動を反映した率)においては、コロナ禍に起因する「ウッドショック」や「アイアンショック」、ウクライナ危機等の影響により、木造家屋 1.11非木造家屋 1.07 となっております」と記載されています。前回(2021年)の再建築費評点補正率は木造1.04、非木造1.07だったため、 木造家屋は固定資産税の上昇率が大きくなっています。


近年はウッドショックやアイアンショックなど原材料費の高騰 が、マンション価格の上昇に大きな影響を及ぼしていると推測されます。円安により、輸入が必要な原材料はさらにコストが上昇するでしょう。
原材料費の高騰は固定資産税の負担が重くなる恐れがあるだけではなく、コストが上昇することで取引需要が抑制さ れてしまう可能性があります。


マンション価格のピークは予測が難しいため、2024年5月現在価格が高めに推移しているうちに売却を検討することをおすすめします。
不動産会社ではない中立メディアのイエシルが営業要素ゼロの価格を算出します。 ”成約妥当価格”を知っておくと、不動産会社が出す査定額の「高すぎる」、「安すぎる」を見抜くことができます。


この記事を書いたのは…IESHIL(住まい/不動産投資のミカタ)事務局 アドバイザー 石井 友里恵

この記事を書いたのは…IESHIL(住まい/不動産投資のミカタ)事務局 アドバイザー 石井 友里恵

大手不動産会社勤務時代は、土地、マンション、戸建、投資不動産の賃貸売買の仲介を経験しました。お客様が気づかぬうちに取引で損をしてしまわないよう、これまでの経験を活かし業界の営業トークの裏側などもお伝えできます。何度も経験するわけではない不動産売買について、わかりやすい説明を心掛けています。お気軽にご相談ください。

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