4.家の名義変更! 具体的な方法や流れを紹介!
家(不動産)の名義変更をするときは、売買契約の締結にはじまって必要な書類を取得、提出書類を作成した後、法務局に申請するというのが大まかな流れです。
ここでは不動産の名義変更の具体的な方法や流れを紹介します。
申請先
不動産の名義変更(所有権移転登記)の申請先は法務局です。
申請の方法は電子申請と書面申請の2つの方法がありますが、書面申請の場合、必要事項を記載した登記申請書と添付書類を管轄区域の登記所(法務局)に提出します。登記所の管轄は法務局のホームページで調べることができます。管轄区域以外の登記所に提出しても受理されないので注意しましょう。遠方の場合、郵送による申請も可能です。
必要書類
家(不動産)の名義変更にあたって必要な書類は以下のとおりです。
売り主側の必要書類
- 不動産売買契約書
- 登記済権利証(不動産を取得した際に発行されたもの。または登記識別情報通知)
- 本人確認書類(顔写真付きのもの)
- 印鑑証明書(取引日の時点で3カ月以内に取得したもの)
- 固定資産評価証明書
- 住民票(登記上の住所から住民票の住所が変更されている場合は戸籍の附表)
買い主側の必要書類
- 本人確認書類(顔写真付きのもの)
- 印鑑証明書(住宅ローンなど融資を受ける場合。取引日の時点で3カ月以内に取得したもの)
- 住民票
※名義変更(所有権移転登記)に必要な書類は法務省のホームページの「新不動産登記法の施行に伴う登記申請書等の様式について」に詳しく掲載されています。
流れ
名義変更(所有権移転登記)の申請の流れ
売買契約の締結土地や建物の所在地を管轄する法務局を調べる売り主、買い主双方で名義変更のための必要書類を取得する登記事項証明書(登記簿謄本)を取り寄せて不動産の情報を調べる取り寄せた書類を参考にしながら登記の申請書を作成買い主が売買代金を支払い、売り主が物件を引き渡す決済後、登記申請書に必要書類を添付して法務局に直接または郵送で提出申請が受理される
売買契約締結後、管轄の法務局を調べておきましょう。管轄の法務局は法務局のホームページで簡単に調べることができます。登記事項証明書(登記簿謄本)とは、登記記録に記録された事項の全部または一部の証明書のことです(司法書士が名義変更を行う場合は、必ず登記事項証明書を取り寄せて売り主を確認します)。
もし申請書の作成でわからないことがあれば、管轄の法務局に問い合わせましょう。
一部の登記所をのぞき窓口相談も受け付けています(事前予約制)。名義変更の申請後は法務局で審査が行われ、申請が問題なく受理されると「登記識別情報通知」という権利証が発行されます。大切に保管しておきましょう。
マンション購入・売却の不安を解決!不動産アドバイザーに無料相談しませんか?
中古マンションの購入・売却のノウハウや業界の仕組みまで徹底紹介。不動産会社ではなく、あなたのためのアドバイザーとして、中立的な立場からマンション売買のアドバイスをします。
5.自分でする?仲介業者に依頼することもできる!

家(不動産)の名義変更について見てきましたが、前述したとおり必要書類の取得から登記申請書の作成まで手続きがかなり複雑です。名義変更手続きは自分でももちろん行えますが、仲介業者を通じて司法書士に依頼する方法もあります(不動産登記や商業登記などの登記業務は司法書士の独占業務です)。自分で手続きする場合と仲介業者に依頼する場合、それぞれについて説明します。
自分で手続きする場合
家(不動産)の名義変更手続きは時間と労力、あと最低限の法律用語の知識さえあれば自分でできます。
必要書類の取得から登記申請書の作成まですべて自分で行えば、必要書類の取得費用や登録免許税といった実費以外はほとんど発生しないのでその分費用が抑えられます。売り主と買い主が協力する必要はありますが、名義変更の手続きを行う不動産が1つしかなかったり、分筆登記や抵当権抹消登記などその他の手続きがなかったりする場合はチャレンジしてもいいかもしれません。
ただし、登記申請書の書き方の相談や登記申請書の申請で法務局に何度も足を運ばなければなりません(法務局の業務取扱時間は平日8:30~17:15)。
また申請後、提出書類に不備があった場合は法務局から連絡が来て登記の補正(訂正すること)を命じられることもあります。さらに買い主が住宅ローンを利用して物件を購入した場合、所有権移転登記と抵当権設定登記を一括で申請しなければなりませんが、抵当権設定登記を買い主(債務者)に任せることは金融機関側にとってあまりにリスクが高すぎるのでまず認められません。このような場合はしかるべき司法書士に依頼するよう求められます。
このように司法書士しかできない手続きや、場合によっては難易度が高すぎて一般人には難しい事例もあります。いずれにせよ不動産は高額な財産なので、後々トラブルにならないよう十分な知識を得た上で行うべきでしょう。
仲介業者に依頼する場合
不動産の売買は多くの場合不動産仲介業者を介して行われます。
名義変更(所有権移転登記)など不動産売買に係る登記申請はサービスにふくまれていることがほとんどで、無事に売買契約が締結されると不動産仲介業者と提携している司法書士が手続きを開始します。不動産仲介業者の承諾があれば、提携外の司法書士に委任することも可能です。不動産仲介業者を通じて司法書士に依頼すれば、必要書類の取得や登記申請書の作成といった面倒な作業はほとんどありません。不動産仲介業者を利用しない、またはサービスに含まれていない場合には、別の司法書士など専門家に依頼できます。ただし専門家に依頼する場合は実費以外に支払報酬も発生します。支払報酬は事務所や依頼する内容によって異なります。 マンション購入・売却の不安を解決!不動産アドバイザーに無料相談しませんか?
中古マンションの購入・売却のノウハウや業界の仕組みまで徹底紹介。不動産会社ではなく、あなたのためのアドバイザーとして、中立的な立場からマンション売買のアドバイスをします。
6.基礎控除が適用になる!名義変更をするメリット
不動産の名義変更をするメリットは何でしょうか?
一番のメリットは、誰が所有者か明確に証明し、第三者に対して所有権を主張できることでしょう(これを公示力といいます)。
また、売り手側の税負担が小さくなることもメリットとしてあげられます。
例えば固定資産税は1月1日現在の所有者に課税されるので、年の途中で不動産を売却しても納税義務は売り主側にあります。しかし、売買契約上、引渡日を基準に売り主と買い主で税金を分担するのが一般的なので、実質的に税金が返ってきます。売却した翌年からは、買い主が納税義務者になります。
逆に買い主側は名義変更に伴い登録免許税や不動産取得税など税負担が大きくなりますが、一定の要件を満たせば10年~15年にわたって毎年ローン残高の1%を税額から控除できる住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)という制度もあります。都心には中古物件でも数千万円という物件が多いので、ぜひ活用すべきでしょう。
ただし住宅借入金等特別控除の適用を受けるためには確定申告を行う必要があります。確定申告は少し大変ですが、翌年以降は年末調整で手続きが完了するので忘れずに申告しましょう。
マンション購入・売却の不安を解決!不動産アドバイザーに無料相談しませんか?
中古マンションの購入・売却のノウハウや業界の仕組みまで徹底紹介。不動産会社ではなく、あなたのためのアドバイザーとして、中立的な立場からマンション売買のアドバイスをします。
7.知っておこう!名義変更をしないデメリット
それでは不動産の名義変更をしなかった場合のデメリットはなんでしょうか?
前述しましたが、一番のデメリットは所有権を第三者に対して主張できないことです。
また、家(不動産)を売却することも、誰かに賃貸することもできません。所有権とは物を自由に使用・収益・処分する権利(民法206条)ですが、このような場合、自分に所有権がある(=名義人である)とはみなされないからです。同様に、名義変更が完了していないと不動産に抵当権を設定できません。住宅ローンを組むときに所有権移転登記と抵当権設定登記を一括で申請するのはこのためです。
さらに相続人が不動産の名義変更をしないまま亡くなると、亡くなった相続人の被相続人にまで遡って相続が発生するため、相続人の数が増えてトラブルになることが非常に多くなります。相続人が複数人いる場合は遺産分割協議が行われますが、合意が取れず相続が長引くことも。当然、相続人の子孫への相続もスムーズにいきません。遺産分割が長引いている間に、不動産が知らぬ間に売却されていたという事例もあります。
相続や売買など、不動産の名義変更が必要な場合にはなるべく早めにすませておくことをおすすめします。
不動産売買を成功させるためにプロに相談してみよう!
今回は不動産の名義変更を行う際の手続きなどをいくつか紹介しました。
しかし不動産の売買時は名義変更だけでなく売買契約の締結、付帯設備の引き継ぎといったさまざまな手続きが必要です。もし不動産の売買において不明な点があるなら、業界を知り尽くしたプロが個別相談会や面談を通じて不動産の購入から売却、投資までアドバイスする「イエシルアドバイザーサービス」を利用することをおすすめします。
自社では仲介・販売をしないからこそ提供できる、中立的なセカンド・オピニオン。
物件を探す前や、不動産会社に行く前にぜひ確認してみませんか?
土日祝日も営業しているので、ぜひお気軽にご利用ください。
初心者歓迎!不動産アドバイザーに無料相談しませんか?
初めての不動産売買でダンドリが分からない…そんなお悩みにお答えします。不動産会社ではなく、あなたのためのアドバイザーとして、中立的な立場からマンション売買のポイントをアドバイス!