不動産は、入念な情報収集をし、ちょっとしたコツを知っていれば売却ができます。できるだけ良い条件でスムーズに売却をするためには、不動産売却の流れを理解しておくことが不可欠です。今回は、不動産売却に向けた行動や手続きで、ポイントとなる点について解説していきます。
不動産会社への問い合わせをする前に、売却理由や引き渡しの希望時期などを明確にしておきましょう。
また、インターネットや不動産情報誌などで近隣の物件の情報を調べておおよその相場を把握し、不動産売買に関する知識を得ておきましょう。売却は相手のあることですから、こちらの希望通りに進むとは限りません。事前の準備は余裕を持ってやっておくに越したことはありません。
売却を考えている物件がどれくらいの価格で売れるのか、不動産会社に査定を依頼します。
査定は1社だけでなく、複数の不動産会社に依頼することが重要です。会社によって査定価格が大幅に異なることもあるため、3社を目安に問い合わせましょう。
査定には、不動産会社が物件の表面的な情報から机上で算出する簡易査定と、実際に訪問して詳しく調査し、目で確認しなければ分からない物件の特色や状況も加味して算出する訪問査定(詳細査定)があります。イエシルでもAIアドバイザーを使えば最適な不動産会社が価格を見積もってくれるため、複数社の簡易査定結果を見た後、特に気になった不動産会社には訪問査定をお願いする、という流れがベストでしょう。
査定価格を提示されたら、なぜそう査定したのか、各社の査定根拠を必ず確認してください。想定よりも安い査定価格に落胆したり、逆に高い査定価格を提示されて喜んだりすることもありますが、金額自体に一喜一憂せず、物件の減価要因と増価要因を把握することによって、大体の相場も分かってきます。
高い査定価格を出したところが良い不動産会社だとは限りません。ただ売却の依頼を受けたいために、明確な根拠もなく高い価格を提示する会社もあるからです。
自分の物件をより高く売りたいという気持ちは、どなたにもあるでしょうが、相場からあまりにもかけ離れた価格で売り出すと、売却期間が長引き、最終的にかえって大幅な値下げを強いられる可能性もあります。
価格査定と同時に、安心して売却を任せられる、信頼できる不動産会社かどうかをチェックします。不動産会社だけでなく、担当者の対応能力や経験、相性なども重要です。初めのうちに違和感を抱くような担当者は、後々やり取りに支障が出ることがありますので、避けておいた方が無難です。
また、仲介手数料がいくら掛かるかも確認しておきましょう。最近は、仲介手数料を無料、あるいは半額にするといった不動産会社もあり、不動産会社によって仲介手数料が異なる場合があります。
売却を依頼する不動産会社を選んだら、媒介契約を結びます。
媒介契約には「専属専任媒介」「専任媒介」「一般媒介」の3種類がありますが、個人の売主の場合は「専任媒介」か「一般媒介」のどちらかを選択するのが一般的です。物件の特色や、どう売りたいのかによって向き不向きがありますので、最適な方法を選びましょう。
不動産は、市場に出始めた時に最も問い合わせが集中します。
そのため最初の売り出し価格はとても重要です。「チャレンジ価格」で高めに設定するのも良いですが、相場から逸脱しないよう慎重に決めましょう。売り出し価格は途中で変更も可能ですが、基本的にいったん売り出してからの値上げは難しいので注意してください。
物件を売り出す前に、物件に関する知っている限りの瑕疵(傷や欠点、不具合)を不動産会社に伝えます。些細なものであっても、後々トラブルの原因になることもあります。お互い気持ち良く売買ができるよう、買主の立場に立って、誠実に伝えましょう。
特に、雨漏り、シロアリ被害などの瑕疵がある場合は、不動産会社は必ず重要事項説明書に記載しなくてはなりません。
中古物件を売却する際、原則として、売主は買主に対して「瑕疵担保責任」を負うことになります。売却後、万が一、重要事項説明書に記載のない瑕疵が見つかり、それが大きな欠陥であった場合、売主には補修や損害賠償の義務が生じ、あるいは契約解除になることもありますので、漏れなく正確に申し出るようにしてください。
不動産会社のホームページや広告に物件が掲載され、問い合わせや内覧の予約が入るようになります。
現在居住中の物件を売却に出す方も多いと思います。
内覧の予約が入ったら、物件を見に来る購入希望者が検討しやすいよう、以下のような点に気を付けてお迎えしましょう。
思うように購入希望者が現れないこともあります。
その際には、広告内容や価格の再検討が必要になります。
また、あまりにも引き合いがない場合は、
媒介契約を継続せず不動産会社を変えてみることも考えましょう。
買主が見つかったら、不動産会社を介して諸条件の交渉を行い、双方合意の上で不動産売買契約を締結します。
契約書類に記名・捺印し、買主から手付金を受領します。また売買価格に基づき仲介手数料の金額が確定します。不動産会社によっては、ここで仲介手数料の何割かを先払いする場合もあります。
残代金の受領と鍵の交換を行います。
売主の住宅ローン残債がある場合は、決済と同日に残金を返済し、抵当権抹消登記を行います。所有権移転登記と物件の引き渡しを行ったら、不動産の売却は全て完了です。
スムーズな不動産売却のためには、売主の姿勢も大きく影響します。事前の情報収集で基礎知識や相場観を養っておくことも、とても大切です。不動産会社が正しいことを言っているのか、担当者が信頼に足る人物なのかを判断する指標になりますし、売却を有利に進め、不利益から身を守るためにも役立ちます。
また、媒介契約を結んだ後も不動産会社に任せきりにするのではなく、高く早く売るために、売主だからこそできる内見時に物件を良く見せる努力をして、納得のゆく売却を目指しましょう。
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