2026年8月の首都圏中古マンション市場では、成約件数の減少、成約㎡単価の下落が続いています。その一方で売り出し価格は上昇しており、実際に成約している価格との乖離が広がっています。本記事では、エリア別の動向をはじめ、日銀の政策金利引き上げが住宅ローンに与える影響、近年の豪雨・台風を踏まえた災害リスクの確認ポイントまで分かりやすく解説します。
更新日:2026年09月25日
イエシルコラム編集部
株式会社リブセンス
IESHIL編集部東京・神奈川・千葉・埼玉の中古マンション価格査定サイトIESHIL(イエシル)。 イエシルには宅建士、FPなど有資格者のイエシルアドバイザーが所属。ネットで調べてわからないことも質問できるイエシル査定サービスを展開しています。イエシルは東証上場企業である株式会社リブセンスが運営しています。
2026年8月の首都圏中古マンション市場では、成約件数と成約㎡単価が前年同月を下回る一方、売り出し側の在庫件数と価格水準の上昇が続いており、市場における需給の温度差がより鮮明になっています。
成約件数は3,180件となり、5か月連続で前年同月を下回りました。在庫件数は48,235件まで増加し、6か月連続で前年同月を上回っています。また、成約㎡単価は81.60万円/㎡まで低下する一方、在庫㎡単価は119.36万円/㎡まで上昇しました。
特に東京都23区では、成約件数の減少に加え、これまで長期間にわたり上昇が続いていた成約㎡単価にも変化が見られます。売却・購入のどちらを検討する場合でも、「売り出されている価格」と「実際に成約している価格」を分けて確認することが、これまで以上に重要になっています。
データ出典:東日本不動産流通機構「月例速報MarketWatchサマリーレポート」をもとに当社作成
また、エリアによって成約件数の動きに差が見られます。
東京都多摩は5か月ぶりに前年同月を下回ったほか、神奈川県他は2024年10月以来22か月ぶりに前年を下回りました。
一方、埼玉県は2か月ぶりに前年同月を上回り、千葉県もほぼ横ばいながら前年同月を上回っています。
このように、首都圏全体で一様に成約が減少しているというよりは、東京23区を中心に成約件数の減少が目立つ状況といえます。
成約件数の推移から、買い手が物件や価格を比較しながら慎重に検討する動きが続いていることがうかがえます。
在庫件数は48,235件(前年比+8.2%)となり、6か月連続で前年同月を上回っています。
2026年1月の44,776件と比較すると、8月までに3,459件増加しています。
データ出典:東日本不動産流通機構「月例速報MarketWatchサマリーレポート」をもとに当社作成
新規登録件数は15,627件(前年比+9.7%)で、3か月連続の増加となっています。市場に新たに売り出される物件が増え、在庫も積み上がっている状況です。購入検討者にとっては、比較できる物件の選択肢が増えているといえます。
データ出典:東日本不動産流通機構「月例速報MarketWatchサマリーレポート」をもとに当社作成
成約㎡単価は4か月連続で前年同月を下回っています。
一方、新規登録㎡単価は28か月連続、在庫㎡単価は25か月連続で前年同月を上回っています。
なかでも注目したいのが、成約㎡単価と在庫㎡単価の開きです。
両者の差は37.76万円/㎡まで広がっており、新規登録㎡単価との差も35.21万円/㎡となっています。
現在売り出されている物件の価格と、実際に成約している価格には、大きな差が生じています。
東京23区にも変化が見られます。
8月の成約㎡単価は132.69万円/㎡(前年比-0.3%)となり、ほぼ横ばいながら2020年4月以来76か月ぶりに前年同月を下回りました。これまで価格上昇が続いていた東京23区ですが、成約件数の減少に加え、成約㎡単価にも変化が表れています。
一方、東京都多摩の成約㎡単価は59.90万円/㎡(前年比+9.1%)、埼玉県は44.35万円/㎡(前年比+2.0%)、千葉県は41.68万円/㎡(前年比+5.1%)、神奈川県他は45.07万円/㎡(前年比+9.0%)と、上昇しているエリアもあります。
首都圏全体の平均だけでなく、地域によって価格の動きにも差が出ている点には注意が必要です。
売却を検討する場合は、近隣類似物件の現在の「売り出し価格」だけでなく、直近の「成約価格」も確認したうえで価格設定を考えることが重要です。
購入を検討する場合は、在庫が増えていることを踏まえ、複数の物件を比較しながら、売り出し価格が実際の成約相場とどの程度乖離しているかを確認することが重要です。
2026年9月18日、日本銀行は金融政策決定会合で、政策金利を1.25%程度へ引き上げることを決定しました。追加利上げは6月の会合以来3か月ぶりで、政策金利の水準は1995年4月以来、約31年ぶりの高水準となります。
今回の利上げは、住宅ローンを利用する方にとって、今後の借入コストを考えるうえで重要な動きです。特に変動金利型の住宅ローンでは、政策金利の動向が金融機関の貸出金利に波及するため、現在の適用金利だけでなく今後の返済額も確認しておくことが大切です。
一方、固定金利型も市場金利の影響を受けます。そのため、「変動と固定の現在の金利差(目先の支払額の差)」だけで判断するのではなく、将来的な金利上昇シナリオや、返済期間、頭金、家計の余力などを踏まえて比較する必要があります。【購入検討中の方へ】
住宅ローンを利用して購入する場合は、金利が上昇したケースも含めて毎月の返済額や総返済額を試算しておくと安心です。
「借りられる金額」だけではなく、「無理なく返し続けられる金額」を基準に予算を考えることが重要です。変動金利・固定金利それぞれの特徴を比較しながら、家計に余裕を持たせた資金計画を立てましょう。
また、今後の住宅ローン金利は、金融機関によって見直しの時期や改定幅が異なります。購入を検討する際は、複数の金融機関や金利タイプを比較し、自分に合った条件を確認しておきましょう。
▶ 無理のない購入予算はいくら?
【売却検討中の方へ】
住宅ローンを返済中で売却や住み替えを検討している方は、まず現在のローン残高を確認し、売却によってローンを完済できるか(手残りが出るか・持ち出しが必要か)を把握した上で、今後金利が上昇した場合の返済負担も含めて資金計画を整理しておきましょう。
一方、実際に売却する場合は、買主側の住宅ローン環境にも目を向ける必要があります。金利が上昇すると、購入希望者が借入額や購入予算に対して慎重になる可能性があるため、「いくらで売りたいか」だけでなく、購入希望者が検討しやすい価格帯かどうかを確認することも重要です。
今後の売却方針を決定する際は、ご自身のローン残高や返済計画だけでなく、実際の成約事例や買主側の資金環境といった市場の動向価格の両方を確認しながら、最適な価格・タイミングを見極めていくことが大切です。
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イエシル(IESHIL)では、マンションごとに周辺の災害リスクを確認できます。
洪水については、国や都道府県が公表する浸水想定区域などをもとに、想定浸水レベルを地図上で確認できるほか、地震・液状化・津波・土砂災害のリスクや避難場所の把握も可能です。購入候補のマンションや現在所有しているマンションについて、「どの程度の災害リスクが想定されているのか」をあらかじめ確認しておくことが、購入・売却を検討する際の重要な判断材料となります。
2026年8月の首都圏中古マンション市場では、成約件数が5か月連続で減少しており、特に東京23区では前年同月比20.6%減と減少が顕著です。
在庫件数も6か月連続で増加しており、購入検討者にとっては物件の選択肢が広がっています。
一方、売却検討者にとってはライバル物件が増えている状況です。信頼できる不動産会社の担当者と念入りに販売戦略を立てていくことが重要です。
【売却検討中の方へ】
相場とかけ離れた高額な売り出し価格を設定すると、売却の機会を逃すリスクがあります。まずは所有するマンションの現在の市場価値を正しく把握しましょう。その上で、直近の成約事例や市場の変化を確認し、適切な価格設定と納得のいくタイミングを見極めましょう。
【購入検討中の方へ】
現在は物件の在庫数が増加しており、豊富な選択肢の中からじっくり検討できる好機と言えます。
売り出し価格と実際の成約価格が乖離している市場動向を把握し、適正価格を確認しながら納得のいく物件を選びましょう。 金利上昇の傾向も考慮し、無理のない予算内であるかの確認も大切です。
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イエシルコラム編集部
株式会社リブセンス
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